屈折の波動光学的解釈

下のプログラムがうまく動かない、という人はSUNのjavaの広場のページに いってjavaをダウンロードしてインストールして みてください。



 右上から左下へと光線が走ります。上は空気、下は水だと思ってください(屈折率は2にしてあるので、実際には水よりも屈折率の大きい物質を考えて います)。
 3本の線がアニメーションします。赤は波の「山」、青は波の「谷」を表しています。水中(下半分)では波長が短くなっていることに注意してください。ま た、水中に入るまでは3つの光の「山」、「谷」がそろった状態になっています。
 マウスでクリックすると、その場所で光が水中に入るようになります。
 まず一直線に光が進む場合では、




のような状況になります。この場合、水中に先に入った光(下の線)は波長が小さくなるために、波の山と谷がずれてしまい、水中では「山」と「谷」が一緒に なる状況になっています。
 このため、到着した時には「山」と「谷」が消し合ってしまいます。つまりこの経路を通った光は、消し合ってしまって到着しません(到着したものの和が0 なのだから到着しないのと同じ)。

 ここで、実際に光が水中に入るときに屈折するような場所を選んでやると、


のような折れ曲がった状態になるが、この状態では水中でも「山」と「山」、「谷」と「谷」が揃うようになる。

 これはどういうことかというと、今考えている光の上の部分は距離的には長い距離を走っている(いわばカーブのアウトコースを回っているようなも の)。下の光は逆に距離は短い(カーブのインコース)。
 距離が違えば山と谷がずれてしまいそうだが、水中で波長が短くなることがそれを打ち消している。アウトコースを回っている上の光は水中距離が短いので、 波長が短くなる場所が短い。インコースを回っている下の光は水中距離が長いので、波長が短くなる距離が長い。
 結局、屈折率が2の部分では波長が半分になるために光にとっては距離が長いのと同じ事になる。この屈折率の違いを考慮した距離を「光路」と呼び(屈折 率)×(距離)で定義するが、上の図の屈折している場合では、ちょうど光路が3本の光でほぼ同じになるようになっていて、それがゆえに到着した光は強め合 う(消し合わない)。

 いろんな場所を選んで、光が強め合う場所が一カ所あることを確認してください。

 詳しいことは、2006年度の初等量子力学講義録、第7回を参照のこと。