2006 年度「相対論」試験問題


 以下の問題において、光速度はcとする。

 以下の 問いから3問を選択して解答すること。4問以上解いた場合は、点数のいい方から3問の合計を得点とする。
[問い1]

  右の図は、ある座標系(ct,x)を使って、二つの逆向きに進む光の進路を点線で 表したものである。光1は点O(0,0)を出発して右へ進み、光2は点P(0,L)を出発し て左に進む。すれ違いの起こる場所をM点とする。
上の文章で、(ct,x)のところが逆に(x, ct)となってました。
x=0とx=Lに、それぞれ観測者αとβが静止している。
(1) 解答用紙にこのグラフを書いて、 を書き込め。どれがどれかがわかるように 矢印などで示すこと。
(2) この現象を、速度1/2cで左(x軸負の方向)に動きながら見たと する。その観測者にとって、この現象はどのようなグラフに書けるか。 この観測者にとっての座標系を(ct′,x′)として、座標原点は(ct,x) と一致しているものとする。上と同様にα、βの軌跡とA点、B点を書き 込むこと。
(3) P点の座標を(ct,x)座標系、(ct′,x′)座標系の両方で求めよ。
(4) A点の座標を(ct,x)座標系、(ct′,x′)座標系の両方で求めよ。

[解答例]
  1. 上左図の通り
  2. 上右図の通り
    【誤答例】まず、逆に動かしている人がいた。左に動きながら見るのだから、現 象が右に動いているように見えるはずである。
    O点とP点は、「同時刻の相対性」(相対論で大事な概念である!)により、動き ながら見ると同時の現象ではなくなるが、そこがちゃんとグラフに表現 できていない人が見られた。
  3. まず、(ct,x)座標系で表すと(0,L)なのはすぐにわかる。ローレンツ 変換を使う。座標系の速度は−1/2c である。この時γは [1/(√{1−(1/2)2})]=√{[4/3]}なの で、 (ct′,x′)座標系では、([1/√3]L,[2/√3]L)となる。
  4. x-座標系では(L,0)なので、前問同様にローレンツ変換して、(([2/√3]L,[1/√3]L)となる。


[問い2]


ct′=γ(ct−βx),   x′=γ(x−βct),   y′=y,   z′=z

というローレンツ変換を考える。ただし、β = v/c、γ = [1/(√{1−β2})] である。
  1. xμ→ x′μの変換を行列で書くとどう書けるか。
  2. このローレンツ変換の後、さらに速度vのローレンツ変換w

    ct"= _
    γ
     
    (ct′− _
    β
     
    x′),   x"= _
    γ
     
    (x′− _
    β
     
    ct′),   y"=y′,   z"=z′

    をするとする。x′μ→ x′′μの変換を行列で書け。
  3. xμ→ x′′μと一気に変換する行列を求めよ。
  4. 上で求めた行列も、一つのローレンツ変換である。この変換がx軸方向 に速度Vの変換だったとしよう。速度vでのローレンツ変換における β,γに対応する量をB=V/c,G=[1/(√[(1−B2)])] とする。行列をよく見て、B,Gを β,β,γ,γで表せ。結果から、速度の合成則(Vをv,v で表す)を導け。
[解答例]


  1. (
    ct′
    x′
    y′
    z′
    ) = (
    γ
    −γβ
    0
    0
    −γβ
    γ
    0
    0
    0
    0
    1
    0
    0
    0
    0
    1
    )
    (
    ct
    x
    y
    z
    )


  2. (
    ct"
    x"
    y"
    z"
    ) = (

    _
    γ
     

    _
    γ
     

    _
    β
     

    0
    0
    _
    γ
     

    _
    β
     


    _
    γ
     

    0
    0
    0
    0
    1
    0
    0
    0
    0
    1
    )
    (
    ct′
    x′
    y′
    z′
    )


  3. (

    _
    γ
     

    _
    γ
     

    _
    β
     

    0
    0
    _
    γ
     

    _
    β
     


    _
    γ
     

    0
    0
    0
    0
    1
    0
    0
    0
    0
    1
    )

    (
    γ
    −γβ
    0
    0
    −γβ
    γ
    0
    0
    0
    0
    1
    0
    0
    0
    0
    1
    ) = (

    _
    γ
     
    γ(1+ _
    β
     
    β)
    _
    γ
     
    γ( _
    β
     
    +β)
    0
    0
    _
    γ
     
    γ( _
    β
     
    +β)

    _
    γ
     
    γ(1+ _
    β
     
    β)
    0
    0
    0
    0
    1
    0
    0
    0
    0
    1
    )
  4. 対応は γγ(1+ββ)=G,−γγ(β+β)。これでGは求 まった。B=[(β+β)/(1+ββ)]。 速度に直すと、V=[(v+v)/(1+[(v v)/(c2)])]が合成則。


[問い3] 前問のローレンツ変換のγが [1/(√{1−β2})]であることがまだわかっていなかったとしよう。以 下のそれぞれの方法でγ = [1/(√{1−β2})]と求めるまでの経過を記せ。
  1. ローレンツ短縮を「実験事実」とする。つまり、x-座標系において静 止している棒(先端がx=Lにあり、後端がx=0にあるとしよう)の長 さはx′-系で測定するとL√{1−β2}に縮むことがわ かっ ているとする。これと上の式からγを求める。
    (ヒント:x=0という線とx=Lという線は、x′-座標系ではどんな線になるか を考えよ。)
  2. ウラシマ効果を「実験事実」とする。つまり、x-座標系においてある 時計が時刻0でx=0におり、そこから等速直線運動して、時刻Tにな るとx=vTに存在してたとする。(ct,x)座標系で見ると(0,0)から (cT,vT)までの事象ということになるが、これをx′-座標系で見ると T√{1−β2}という時間の間に起こったことにな る。こ れと上の式からγを求める。
  3. この変換の逆変換を考えると、v→ −vと置き換えればいいであろうか ら、

    ct=γ(ct′+βx′),   x=γ(x′+βct′),   y=y′,   z=z′

    と考えられる(速度がひっくり返っても、空間の等方性からγは変わらな いと仮定した)。これが逆変換になることからγを求める。
  4. もし、x-座標系で
    −c2 t2 +x2+y2+z2=0
    が成立しているなら(つまり原点を頂点とした光円錐上にあるなら)、
    −c2 t′2 +x′2+y′2+z′2=0
    となること(つまり光速度不変の法則)を使う。
[解答例]
  1. ヒントの通り考えると、x=0という線の上ではx′=−γβ ct,ct′=γct であるから、x′=−βctである。同様にx=Lの上では x′=γ(L−βct)、ct′=γ(ct−βL)であるから、 x′=γ(1−β2)L−βctとなる。二つのx′を比べると、 γ(1−β2)Lだけ違う。これがx′-座標系で測定した棒の長さ であるから、γ(1−β2)L=L√{1−β2} より、 γ = [1/(√{1−β2})]
  2. (cT,vT)を代入した時、ct′=cT√{1−β2}になればよい。
    cT

     

    1−β2
     
    =γ(cT− v2
    c
    T)=γc (1−β2)
    となるから、γ = [1/(√{1−β2})]。
  3. 逆変換を元の変換に代入すると、
    x′=γ(γ(x′+βct′)−βγ(ct′+βx′)) = γ2(1−β2)x′
    となる。よって、γ2=[1/(1−β2)]となって、 γ = [1/(√{1−β2})]。
  4. これも代入して計算すれば、
    −c2 t2 + x2 = γ2(1−β2)(−c2 t2 + x2)
    という式が出せる。


[問い4]
図1は、x=0に静止した光源が、時間T経過するごとにパルス波を出している様子を描いた時空図である。x=Lには観測者がおり、光源からくる光を観測し ている。この場合、最初のパルス波が出るのは(ct,x)が(0,0)であり、第2のパルス波が出るのは(cT,0)となる。
図2は観測者が動かず、光源が速さvで右(x軸正の向き)に動いた場合の時 空図である。1回目のパルス波は(0,0)で出る。2回目のパルス波は、光源の固有時がT進んだ時に出る。
  1. 最初のパルス波が観測者に到着するのはいつ、どこか。(ct,x)座標で答えよ。
  2. 図2の状況において、2回目のパルス波が光源から出るのはどこか。(ct,x)座標で答えよ。
  3. 観測者が2回目のパルス波を受け取るのはどこか計算し、観測者のところにパルス波が届く時間間隔を求めよ。
  4. 図2とは逆の方向に光源が動いていたら、観測者が観測するパルス波の時間間隔はどれだけになるか?
  5. 図2の状況を、光源と同じ運動をしながら観測すればどのように見えるか。図で示せ。
[解答例]
  1. 原点から45°で進むと考えれば簡単。(L,L)
  2. ([cT/(√{1−[(v2)/(c2)]}[vT/(√{1−[(v2)/(c2)]})])])。
    【誤答例】時間は同じだと思って(cT,vT)としている人がいたが、「固有時で T後」に次のパルスが出ることを忘れてはいけない。
  3. 上の答えの位置から45°で進んで、x=Lになるところを見つければよい。 45°で進むということは、ct座標とx座標の差は変化しない。つまり、 ct座標はx座標より[(c−v)T/(√{1−[(v2)/(c2)]})]だけ大きいと いう関係を保つ。ゆえに答は、 (L+[(c−v)T/(√{1−[(v2)/(c2)]})],L)。ゆえに時間間隔は[(c−v)T/ (√{1−[(v2)/(c2)]})]。
  4. ちゃんと計算してもいいが、上の式でv→ −vと置き換えるのが一番簡 単。[((c+v)T)/(√{1−[(v2)/(c2)]})]。
  5. 以下の通り。


[問い5]
  1. 二台の電車AとBのすれちがいをある人(観測者O)が見ている。Oから見る と、AとBはx軸の正方向と負方向にそれぞれ速さvで走ってくるように見 える。電車の固有長さ(すなわち、電車が静止している系で測定した長さ)はと もに2Lであるとする。観測者の座標系で時刻t=0において、x=0の場所でA、 Bの中央が一致していたとする。これらの電車の運動を表すグラフを書け。
  2. 電車Aの中央に乗っている観測者をα、電車Bの中央に乗っている観測者 をβとする。α、β、Oの3人の世界線は、さっきのグラフの原点で重な る。αは「電車Bの方が電車Aより短い」と観測し、βは「電車Aの方が電 車Bより短い」と観測する(互いに相手を「自分より短い」と判断する)。 先の問題のグラフに「αが原点にいる時に観測する電車A,Bの長さ」と 「βが原点にいる時に観測する電車A,Bの長さ」を書き込み、互いに相手 を短いと観測することを説明せよ。
[解答例]
  1. 以下の通り。
  2. グラフは以下の通り。
    αは自分の同時刻(図の「αにとっての同時刻」)の線上で長さを測る。図に示した長さを見ると、「αから見た電車Bの長さ」は「αから見た電車Aの長 さ」の内側にあり、確かに短い。逆も同様。


[問い6] 二つの静止質量mの質点が、どちらも速さ1/2cで、しかし向きが正反対 でやってきて、正面衝突した。結果、2質点は一体となり、静止質量Mの一つの質点となった。相対論的に考えると、Mは2mより大きい。そのことを以下の問 題を解いて考えよう。
  1. 衝突前、二つの物体の4元運動量のx成分はそれぞれどれだけか。運動は全てx軸上で起こったとして、y,z軸方向の成分は全く考えないことにする。
  2. この現象を、右向きに速さ1/2cで走りながら見たとする。その場合の座標系をx′-座標系 として、2物体の4元運動量のx′成分はどうなるか??
    (ヒント:速度の合成則V=[(u+v)/(1+[uv/(c2)])]を使うこと)
  3. x′-座標系でみて、衝突後の静止質量Mの物体の4元運動量のx′成 分はいくらか。
  4. x′-座標系での運動量保存則から、Mを求めよ。
  5. 結果が、x-座標系でのエネルギー保存則と矛盾しないことを確認せよ。
[解答例]
  1. 速さ1/2cで走っているのだから、m× 1/2c×[1/(√{1−(1/2c)2})] = [1/√3]mcおよびこの反対符号の−[1/√3]mc
  2. 一方が静止し、もう一方が(速度の合成則より) [(1/2c+1/2c)/(1+[(1/21/2c)/(c2)])]=4/5c で左に動くことになる。 静止する方の運動量は当然0。4/5cで左に動く方は、
    −m× 4
    5
    1

      


    1− 16
    25
     
    =−m× 4
    5
    × 5
    3
    = − 4
    3
    mc


[問い7] 4元運動量Pμは4元速度Vμに静止質量mをかけたもの (=m[(dxμ)/dτ])と定義されており、これを固有時 間で微分したものFμ=[(dPμ)/dτ]を4元力と呼ぶ。固有時τ は
−c22 = −c2 dt2 + dx2 +dy2 +dz2 = ημνdxμ dxν
で定義されている。
  1. ημνPμ Pνは定数である。いくらか?
  2. ημνPμ Pνが定数であることから、4元運動量と4元 力の内積ημνPμ Fνの値はいくらであることがわかる か?
  3. ローレンツ力の場合、FμνρFμνVρで ある。 ただしFμνは反対称な電磁場テンソルで、電場と磁場を含んで いる。 ローレンツ力と4元運動量Pμとの内積を計算しても、(*)の答えと 同じになることを示せ。
[解答例]
  1. 固有時の定義式から計算できる。答は−mc2
  2. ημνPμ Pνは定数なので、微分すると0。つまり、 2ημνPμ [(dPν)/dτ]=0すなわち、ημνPμ Fν=0。
  3. 内積はημνPμ ηρλFνρVλ = FμνPμ Vνとなるが、Pμ=mVμで あり、 Fμν=−Fνμなので、この答えは0。


[問い8] 相対論をよくわかってない人から以下のような質問をされたら、あなたはどう答えるか?
  1. 「相対論にはE=mc2という公式があると聞きました。光子はE=hνと いうエネルギーを持っているという話も聞きました。ということは、光 子一個の質量は[hν/(c2)]でいいのでしょうか?」
  2. 「あなたから見ると運動している物体は長さが縮むと言いますが、その運動している物体から見たら、あなたの方が運動していることになりますね。ということ はあなたの方が長さが縮むいうことで、運動している物体の方が長さが伸びることになる。これは矛盾じゃないですか??」
  3. 「光速度が不変だという原理から出発すると相対論ができるみたいですが、なぜ光速度を基準にするんですか。光速度がそんなに大事になる理由はなんです か?」
[解答例]
  1. E=mc2は運動量が0の時の式であり、そうでない場合は E2−p2c2=m2c4を 使う。この式に光の場合を代入すると、m=0。
  2. 下の図のように考えるとわかる。
    図Aの点線は、(ct,x)座標系での同時刻、図Bの点線は、(ct′,x′)座標系での 同時刻である。図Aの立場の同時刻において、ct軸上を動いてきた物体 の経験した時刻とct′軸上を動いてきた物体の経験した時刻を比べると、 後者の方が短い(動いている物体の方が時間が遅れる)。
    一方、図Bの立場では、同時刻が違っているため、比較している場所が違う。こ うして、「同時刻」の違いによって「互いの時計が遅れる」という現象 が起こってもおかしくない。
  3. 二つの答えがあり得る。一つは「光速度が不変だというのは実験事実で ある。実験事実に応じて理論が作られている」というもの。もう一つは 「光速が不変であるだけが大事なのではなく、マックスウェル方程式に 代表される電磁気の法則がどんな座標系でも成立することが大事。光速 が不変であることは電磁気の法則のうちの一部に過ぎない」というもの。


[問い9]
x-座標系から見てx′-座標系の原点がx軸正方向へ速さvで運動している 場合、 電場と磁場のローレンツ変換は
E′x=Ex, Ey=γ(Ey−vBz), Ez=γ(Ez+ vBy)
および
B′x=Bx, B′y=γ(By+ v
c2
Ez),B′z=γ(Bz v
c2
Ey)
である。
ここで、図のように電荷を与えたコンデンサの間にできる電場を考えると、x- 座標系(コンデンサの静止系)では、
Ex=0, Ey=− Q
ε0 S
, Ez=0
であり、磁場は全くない。Qは極板に与えた電荷、Sは極板の面積である。以下の問いに答えよ。
  1. x′-座標系で、電場・磁場はどうなるか?-公式に代入して答えよ。
  2. 電場の強さはどれだけ強くなるか。強くなる理由を、電荷分布を使って 説明せよ。
  3. x′-座標系では磁場が発生するが、それはなぜか。理由を(定性的にで かまわないので)電流の分布を使って説明せよ。
  4. ここで、コンデンサの極板の間に電子(電荷−e)をx軸方向に速さ vで飛ばした。すると電場によるクーロン力によって、上向きに曲がっ てしまった。そこで曲がらないように、磁場をかけて磁場による力でクー ロン力が打ち消されるようにした。どれだけの磁場をどの方向にかけれ ばよいか?  
  5. 上の現象を、x′-座標系から見ると電子にどのような力が働き、どのよ うな運動をするように見えるか?
[解答例]
  1. 公式どおりで、
    E′x=0, Ey=−γ Q
    ε0 S
    , Ez=0
    および
    B′x=0, B′y=0,B′z= v
    c2
    γ Q
    ε0 S

  2. 元のγ倍になる。これは、コンデンサの極板がローレンツ短縮に よって面積が小さくなり、電荷密度が上がるからである。
  3. x′-座標系では、コンデンサーが左に動くから、コンデンサーの上の極板は左向き、下の極板には左向き(マイナス電気 が右に動くから)の電流が流れる。結果として、紙面の裏から表へ向かう 向きの磁場ができる。
  4. ローレンツ力とクーロン力がつりあうためにevB=eEなので、磁場の強 さはB=E/v=[Q/(vε0 S)]となる。ローレンツ力が下 を向くためには、磁場の向きは表から裏へ向かう向き。
  5. その状態をローレンツ変換すると、電場が0になり、電子は止まる。ゆえに、力は働かない。



 今回、追試験の予定はありません。試験を受けられなかったことについ て、格別の事情 のある人は前野まで申し出てください。考慮するかもしれません。
 Fを取った人の答案からは「相対論の大事なところがつかめ ていないなぁ」と感じられました。たとえば「同時刻の相対性」はとても大事な 概念で、x−ctグラフを書くときに気をつけなくてはいけないことですが、それ ができていない人。「4元運動量を計算せよ」という問題なのに、運動量をmv (これは3次元運動量の場合の式)で計算し、さらにはエネルギーを 1/2mv2(これも非相対論的な式)で計算している人。こういう人は相 対論の意味、特にそれがニュートン力学とどのように違うのかというポイントを ちゃんと理解できていないと思われます。この授業の目標はそのポイントを理解 するところにあったので、こういう答案には得点を与えることができませんでした。


File translated from TEX by TTHgold, version 3.63.
On 8 Aug 2006, 23:37.