今日の講義の内容

 前回の復習をした後、テキスト冊子(クリックしてダウンロード)の7.1.2節のエネルギーの定義のところ、7.1.3節の$F$の温度依存性の決定(理想気体の場合と一般の場合)を説明した。これから$F$の全微分 $$ \mathrm dF=-S\mathrm dT-P\mathrm dV $$ が出てくること、これからさらに$U$の全微分が $$ \mathrm dU=T\mathrm dS-P\mathrm dV $$ となること、それから$F[T;V]$が$U[S;V]$のLegendre変換と解釈できるところを説明。

 なお、このあたりの計算でだいぶ詰まっているのだが、そろそろみんな、偏微分とは友達になってほしい(長い付き合いじゃあないか)。

 こうして$S$が状態量として定義できて、$\mathrm dS={\bar{\mathrm d}Q\over T}$(webだと$\mathrm dQ$のdの横線が出しづらいのでバーにしてます)一周積分すると0になること、つまり$\oint\mathrm dS=\oint{\bar{\mathrm d}Q\over T}=0$となること(ただしこれは準静的な場合に限る)、準静的でなければこれは$=0$ではなく$\leq0$になること(Clausiusの不等式)を説明した。後はエントロピーの性質(7.2節)まで。

 途中で、「$U,F$という関数が決まり、独立変数($U$の場合$S,V$、$F$の場合$T,V$)が分かればすべての物理量が計算できる」という説明をしたが、実はこれは次の章でやる「完全な熱力学関数」の説明を先走って話してしまった。

 このあたりはまた後でじっくりやろう。

 来週(6/26)は都合により休講です。その分、試験(7/31)の次の週の(8/7)に補講を行います(補講の内容は、試験問題の解説です)。
受講者の感想・コメント

受講者の感想・コメント

 青字は受講者からの声、赤字は前野よりの返答です。

 主なもの、代表的なもののみについて記し、回答しています。


難しくなってきた(多数)。
う〜ん、確かにここが山場ではあるけど。

Legendre変換、ここででてきたか。
ここで出すために力学で出しておいたんですけどね。

偏微分と友達になりたいけど、偏微分が逃げていく〜〜〜(泣)。
逃げていく偏微分を追いかけてふん捕まえてでも友達になろう。

今日はいろいろと内容が盛りだくさんで流れが複雑だったのでスッキリしない。
ごめん、ちょっといろいろ話が飛びすぎたね。

等温と断熱のそれぞれで定義したエネルギーが$F=U-S{\partial U\over\partial S}$でつながるとは思わなかった。最初は定義が多かったがそこからだいぶ世界が広くなったと思う。
これは第2章でやったコンデンサーの話と考え方は一緒なのです。

計算が多かったので自分でやる。
やってみよう(実は、そんなにたくさんは計算してないはず)。

エントロピーを考え出してうまく計算に用いているので、これを考え出した人はすごいと思いました。
考えたのはクラウジウスさんかなぁ。

エネルギーと円とrピーは思ってたよりも違う。
全然違う。そこが面白い。

ストークスさんなつかしい。
電磁気も熱力学も、使う数学は同じだったりする。

微分積分がわかったら、すーーーっといけるんですか。もしかして、熱力学って微積できたらヨユーですか?
ヨユーで熱力学をわかってもらうために、1年のときに偏微分教えたはずなんだけどなぁ。

授業の内容