前回の復習をした後、テキスト冊子(クリックしてダウンロード)の7.1.2節のエネルギーの定義のところ、7.1.3節の$F$の温度依存性の決定(理想気体の場合と一般の場合)を説明した。これから$F$の全微分 $$ \mathrm dF=-S\mathrm dT-P\mathrm dV $$ が出てくること、これからさらに$U$の全微分が $$ \mathrm dU=T\mathrm dS-P\mathrm dV $$ となること、それから$F[T;V]$が$U[S;V]$のLegendre変換と解釈できるところを説明。
なお、このあたりの計算でだいぶ詰まっているのだが、そろそろみんな、偏微分とは友達になってほしい(長い付き合いじゃあないか)。
こうして$S$が状態量として定義できて、$\mathrm dS={\bar{\mathrm d}Q\over T}$(webだと$\mathrm dQ$のdの横線が出しづらいのでバーにしてます)一周積分すると0になること、つまり$\oint\mathrm dS=\oint{\bar{\mathrm d}Q\over T}=0$となること(ただしこれは準静的な場合に限る)、準静的でなければこれは$=0$ではなく$\leq0$になること(Clausiusの不等式)を説明した。後はエントロピーの性質(7.2節)まで。
途中で、「$U,F$という関数が決まり、独立変数($U$の場合$S,V$、$F$の場合$T,V$)が分かればすべての物理量が計算できる」という説明をしたが、実はこれは次の章でやる「完全な熱力学関数」の説明を先走って話してしまった。
このあたりはまた後でじっくりやろう。
青字は受講者からの声、赤字は前野よりの返答です。
主なもの、代表的なもののみについて記し、回答しています。