光電効果とは

   物質に光が当たると、中の電子が飛び出てくる現象


   物質中の電子は原子核の引力で束縛されてて、普通は外へ出てこられない。

   外へ出るためには、束縛を切るためのエネルギーが必要。

   光電効果では、光のエネルギーでこの束縛が切れる。

    (光といっても、エネルギーが大きくないといけないので、紫外線になる)



光電効果の性質

 (1) 飛び出てくる電子の数は、光の強さに比例している

 (2) 波長がある値より長い光では、どんなに強い光でも出てこない

 (3) 波長がある値より短い光では、どんなに弱くても出てくる



光が電磁波なら

 ● 強い光とは波の大きさが大きいということなので、電子をより大きく揺さぶる。

   にもかかわらず、電子が出てこないとはどういうことか?

 ● 弱い光は波の大きさが小さいので、波長が長くても短くても、電子を揺さぶる量は小さい。

   にもかかわらず、電子が飛び出るとはどういうことか?


光量子仮説

 ● 光はエネルギーをかたまりとしてやり取りする。

 ● 波長の長い光はエネルギーの大きさが小さい、短い光は大きい。

 ● 光の強さは(エネルギーをかたまりである)光子の数の多さである。

   波長が長いと、電子に与えられるエネルギーが小さいので、飛び出るエネルギーを越えられない。

   数が多くても電子1個につき、光1個しか当たらないのでダメ。

 ● 波長が短いと、数は少なくても1個のエネルギーのかたまりが大きいので、たまたまそれに当たった

   電子は飛び出るのに必要なエネルギーをもらうことができる。


  光子1個のエネルギー E は波長 λ だけで決まっている

振動数 ν=c

   E=hν=hcプランク定数 h = 6.626×10-34 Js

光速度 c = 3×108 m/s

電子ボルト 1 eV = 1.602×10-19 J

波長 1nm = 1×10-9 m



      

光の波長
(nm)


380


430

460

500

570

590

610

780




紫外線















赤外線


(eV)
エネルギー


3.3

2.9

2.7

2.5

2.2

2.1

2.0

1.6



仕事関数

  物質から電子を取り出すのに必要なエネルギー

マグネ

シウム

アルミ

ニウム

すず

亜鉛

2.25

3.66

3.2

4.28

4.0

4.2

4.4

4.42

4.5

4.33

4.9

4.59

4.65

4.62

420nm

330nm

310nm

290nm

275nm

270nm

  計り方や表面の状態によって、ばらつきがある

本日の実験

  紫外線を当てると本当に電子が飛び出すのか


  手順

  (1) 摩擦で静電気を起こす

  (2) 箔検電器にマイナスの電気(電子)をためる

     【ため方は2通り】

  (3) 紫外線を金属に当てる

    →(4A) 電子が飛び出せば、箔は閉じる

    →(4B) 電子が出なければ、箔はそのまま



静電気のため方


【方法1】 マイナスに帯電した棒をこすり付ける

【方法2】 プラスに帯電した棒を近づける (マイナスの電気(電子)がよって来る)

そのまま指をつける (プラスの電気が指を通って逃げる)

(電子は引き寄せられているので逃げない)

指を離した後、棒を離す (電子が全体に広がる)



摩擦と静電気

  2種類の物質をこすると、下の順(帯電列)でプラスやマイナスの電気を帯びる

ガラス

人毛

ナイロン

羊毛

レーヨン

木綿

絹・麻



人の皮膚

アルミニウム

エボナイト

ゴム・鉄・銅

ニッケルなど

ポリエチレン・ポリプロピレン・ポリエステル・ポリウレタン

塩ビ

テフロン

  +−の順番もばらつきが大きい

  アクリルは+になりやすいか、−になりやすいかチェック