計算物理学研究室

教官名教官研究室備考(実験室など)
中山(なかやま) 章宏(あきひろ)理系複合棟507理系複合棟504
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研究テーマ

コンピュータを用いた物理学の研究

交通流・歩行者流・生物の集団運動・ネットワーク・経済物理など

研究内容/研究の意味(自然科学の中での位置付け)

生物や社会現象などはいろいろな要素が複雑にからみ合っていて、単純化して考えるような物理学的な手法では解明できないと考えられてきました。しかし、最近ではコンピュータを利用することにより、そのような対象に対しても物理的な研究ができるようになりました。ここで行なわれている研究はそういったタイプのものです。

研究室の特長

Nakayama_traffic.png

1.研究の動機・背景: 高速道路のような信号のない道路でも、車が多くなる休日には交通渋滞が良く発生します。どうして渋滞は起きるんだろうと考えたことはありませんか。そういう渋滞は、運転が下手だったり、トロトロ走っている車が原因だとか思っているのではありませんか。実はそうではなく、渋滞は車が多くなれば自然に発生することが、ここ10年ほどの物理学の研究でわかってきています。この日常にある「なぜだろう」という疑問を科学的に突き詰めて解明する、というのがここでの研究の特徴です。

2.研究の特徴: 日常の現象には実は多くの要素が関係していて、身近だから簡単に理解できるということにはなりません。どの要素が最も関係しているか、それが目に見える現象にどのようにつながっているかは、簡単に分析できるものではなく、コンピュータの助けを借りる必要があります。場合によっては、シミュレーションしてみて初めて明らかになる現象もあります。このように研究の中心部分にコンピュータが関わっているという物理学の研究が計算物理学です。

3.琉球大学理学部での研究: 沖縄の高速道路では渋滞はないので、交通流の研究には向きませんが、似たようなものとして生物の集団が群れを作るのはなぜか、という研究もあります。物理学の観点からは、自動車の群れの代わりに魚の群れを扱っても何も問題ありません。どちらも面白いテーマです。

4.学会/社会/国内外での研究の位置付け: この研究は物理学の中では統計物理学という分野に入ります。統計物理は非常に幅の広い分野で研究テーマも多種多様です。同じ統計物理でも長い伝統のある物性分野に比べると、交通流の研究を行なっているのはほんのわずかです(生物の関わった研究になると少し多くなります)。ただ、計算物理+統計物理の分野では新しい課題がどんどん生まれていて、まだ発展途上にある分野なのかもしれません。

5.これからの展望: この分野では今後どうなるかは全く予測ができません。新しいテーマがどんどん生まれて発展するか、何も生まれず徐々に消えて行くかは新しい開拓者となるあなた方にかかっています。

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Last-modified: 2006-12-29 (金) 17:31:34 (6326d)