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&color(Red){★2012年8月8日(水)16:20-17:20};

&color(Red){★2011年5月19日(木)16:30-17:30};

''場 所:'' 理学部313教室

''講演者:'' 田原 周太 先生(琉球大学理学部物質地球科学科物理系)
''講演者:'' 武田信一 先生(九州大学大学院 理学研究院 物理学部門 教授)

''講演題名:''「銀系超イオン導電メルトに銀濃度の変化が与える効果」

''講演題名:''超イオン導電ガラス及び溶融Ag_x(GeSe_3)_1-x の構造

''講演概要:''
> Ag x (GeSe3)1-xは0<x<0.565の範囲で溶融状態から急冷することにより容易にガラス課する事が知られており、このガラス物質はAgの増加につれてx=0.3近傍でイオン伝導度が10-14から10-4 S/cmへと10桁にも及ぶ急激な遷移をする興味深い物質である。この高いイオン伝導度の状態は液体電解質のイオン伝導度の大きさと同程度である事から「超イオン導電体」と呼ばれている。
> この高いイオン伝導度への遷移における構造変化の詳細を調べる目的でガラス状態のAgx(GeSe3)1-x についてAgの濃度を変えてX線及び中性子線回折により構造を測定し、その測定結果とリバースモンテカルロモデリング(RMC)法を用いた解析から詳細な部分構造を得ると共に原子の3次元構造の空間配位やGe-SeのネットワークとAgイオン間の相関を調べてきた。
> RMC構造モデリングからはGe-Seの部分構造因子はAg濃度の多いガラス組成でも明瞭に残っており、Agの濃度が変化しても変わらないし、また結合角Se-Ge-Seも変化しないが、Se-Agの部分構造因子や結合角Ag-Se-AgなどはAgの濃度と共に変化する。従ってGe-Seの四面体配位のユニットはAgの濃度が変化しても変わらないが、四面体配位の頂点にいるSe原子の周りの環境はAgの濃度と共に変化し、規則性を失って行く。またGe-Seの四面体は保たれているが、GeSe4の四面体ネットワーク間の相互の関係は乱雑さを増していくなどの結果が得られた。
> このAgとGe-Seのネットワークを視覚化した図によると0<x<0.3の組成のイオン伝導度の低い領域では比較的カルコゲンネットワークが繋がっていて、Agの分布がカルコゲンネットワークに遮られ、孤立している。しかしx=0.5、0.565ではAgイオン同士が見かけ上、数個鎖状に連なった部分が存在し、これがイオン伝導度の大きな遷移に起因している。
> またこのガラスの溶融状態における構造測定から、構造因子のFSDPは融解しても観測されるが、その強度は温度の上昇と共に小さくなる。またRMC解析からガラスにおけると同様にGe-Seの四面体配位は温度が上昇しても変わらないが、四面体配位の頂点にいるSe原子の周りの環境や中距離秩序は融解後、乱雑さが増加するものの、高温でもFSDPは観測されることから、ネットワーク間の規則性は残っている事を示唆している。

> 見た目が固体であっても、その中である種のイオンが動き回っている物質は、超イオン導電体と呼ばれており、固体と液体の中間的な性質を持っている。超イオン導電体は、固体のように取り扱うことができる一方で、動くイオンが電気を運べることから、溶融塩と同程度の電気伝導率を示すことが知られている。工業的には、液漏れが起きない全固体燃料電池あるいは電気化学センサーの材料として注目されている。
> AgIは典型的な超イオン導電体としてよく知られており、147℃以上になると、体心立方格子を形成するIイオンのまわりを、Agイオンが動き始める。我々はこれまでAgIの液体状態に注目し、構造とイオン伝導性について研究を進めてきた。溶融AgIの回折実験とシミュレーションから、構造モデルを導出すると。Agイオンどうしの距離が、典型的な溶融塩のカチオンどうしの距離に比べて近く、Agの分布に特異的な中距離構造が観測されることがわかった。
> 講演では、Ag濃度を変化させた時の構造の変化やイオン伝導性について議論する予定である。
&color(Red){★2012年8月15日(金)14:40-15:40};


&color(Red){★2011年5月26日(木)16:30-17:30};

''場 所:'' 理学部313教室

''講演者:'' 柳澤 将 先生(琉球大学理学部物質地球科学科物理系)
''講演者:'' 細谷暁夫先生(東京工業大学 名誉教授)

''講演題名:''「弱値と弱測定」

''講演題名:''「有機ー金属界面での準位接続・相互作用に関する第一原理的研究」

''講演概要:''
>最近、量子状態をほとんど壊さずに量子状態を判定する「弱測定」の実験報告が数多く報告されている。そこで計測されるある物理量の「弱値」の概念は30前からアハロノフ達が主張して来たものであるが、最近の理論的研究の深化でより深い量子力学における基本的な量であることが明らかになって来た、と思う。私自身の仕事も含めて説明したい。

>有機物と金属電極の接触する界面での電子準位接続は、有機物を使った電界発光(EL)素子、電界効果トランジスタ(FET)、太陽電池などの有機電子デバイスの性能・効率を本質的に支配しており、準位接続の形成機構や制御について実験的・理論的にさかんに研究が行われてきた。
> 有機ー金属界面では、ファン・デル・ワールス(vdW)引力によって有機ー金属間では弱く相互作用し、界面でのキャリア注入障壁は基板金属の仕事関数に線型に依存する(ショットキー極限)と従来、考えられてきたが、実験的には有機物の種類によって様々な依存性を示すことが報告されている。
> 第一原理電子状態計算によって、有機物の電子的性質や界面の原子レベルの構造の観点から、界面準位接続についてより精査が求められる状況となっている。
> 本講演では、有機ー金属間の相互作用の性質に由来する電気二重層の役割について触れ、有機ー金属界面の構造の重要性を指摘したこれまでの第一原理計算の成果を紹介する。さらにそれらの知見をもとに、界面準位接続を制御する提案も行う。
&color(Red){★2012年10月30日(火)17:00-18:00};

>具体的には、次のような研究成果について紹介する。
>1) vdW引力を考慮した第一原理計算による界面構造と準位接続の再現
>2) 界面準位接続の制御: 有機FETにおけるn型チャンネルの発現
''場 所:'' 理学部313教室

''講演者:'' 葛西真寿先生 (弘前大学 教授)

''講演題名:''Λで光は曲がるのか?---光の曲がりとレンズ方程式に対する宇宙定数の影響---


&color(Red){★2011年8月5日(金)16:30-17:30};

''場所:'' 理313室

''講師:'' 上床 先生(東京大学 物性研究所)

''講演題目:'' 「圧力誘起相転移現象の最近の話題」

''講演概要:''
>一般相対論の古典的検証として,惑星の近日点移動や太陽重力による光の曲がりの観測がある.従来,宇宙定数は光の曲がりに影響を与えないとされてきたが,最近 Rindler と Ishak は,従来の定説を覆し,宇宙定数は光の曲がりに寄与すると主張している.果たして宇宙定数は本当に光を曲げるのだろうか? それとも...?
>本講演では,世の混乱をおさめるべく最近まとめた論文の内容を紹介し,光の曲がりに対する宇宙定数の影響を明らかにする.
>
>参考文献: Phys. Rev. D 85, 023006 (2012)

> 最近発見されたf電子系や鉄ヒ素系化合物の圧力誘起超伝導体の詳細を解説し、近年発展のめざましい多重極限環境に対応した小型圧力容器の開発に関して報告する。


&color(Red){★2012年11月9日(金)16:20-};

&color(Red){★2011年10月4日(火)16:20-17:20};
''題目:"量子モンテカルロ法によるスピンパイエルス系の相転移解析

''場所:'' 理313室
''講師:''諏訪 秀麿 氏(ボストン大学)

''講師:'' Mojmir Sob 教授  (チェコ共和国Brnoマサリュク大)

''講演題目:'' 「Magnetic properties and structure of clean and segregated grain boundaries in iron and nickel」
''場所:'' 理313教室

''概要:''
>スピンパイエルス系は量子スピンとフォノンが結合し実効的にスピン間フラストレーションが生じることで興味深い物性を示す系である。その特徴的な 相転移であるスピンパイエルス転移は、多くの有機・無機物質で実験的に観測され、また理論的解析も古くから盛んに行われている。しかしフォ ノンのエネルギースケールがスピンと同程度となる場合の解析は容易でなく、その臨界現象は未解決の問題であった。我々はこの系に対し効率的な量子 モンテカルロ法を開発し、大規模な系の計算を可能とした。さらに量子モンテカルロ法とレベルスペ クトロスコピーを組み合わせる解析法を考案し、基 底状態相図と臨界現象を明らかにした。本発表ではスピンパイエルス系に対するこれまでの研究をレビューした後、我々の基底状態・有限温度の計算を示し、実験との比較を述べる。


''講演概要:''
>The geometric and magnetic structures of fully relaxed symmetrical tilt Σ5(310) grain boundaries (GBs) in iron and Σ5(210) GBs in nickel have been investigated using density-functional theory. 
>We found for both GBs an enhancement of the local magnetic moments of atoms in the GB plane (2.55 μB for iron and 0.67 μB  for nickel) which is correlated with the larger local atomic volume compared to the bulk. At larger distances from the GB the variation of the local magnetic moments follows the changes in the exchange splitting in the spin-polarized local density of states imposed by the local variations in the atomic geometry. When Si and Sn impurity atoms in interstitial or substitutional positions appear at the Σ5(310) GB in iron, the local magnetic moments of iron atoms are reduced for 
silicon and almost unchanged for tin. For nickel, we have performed a theoretical study of segregation and strengthening/embrittling energy of sp elements from the 3rd, 4th and 5th period (Al, Si, P, S, Ga, Ge, As, Se, In, Sn, Sb and Te) at the Σ5(210) grain boundary (GB) in fcc ferromagnetic nickel. We determine the preferred segregation sites at the Σ5(210) GB for the sp-impurities studied, their segregation enthalpies and strengthening/embrittling energies with their decomposition into the chemical and mechanical components. 

&color(Red){★2012年11月15日(木)16:20-};

&color(Red){★2011年11月17日(木)16:30-17:30};
''題目:''走査トンネル顕微鏡発光による振動分光

''場所:'' 理313室
''講師:'' 上原洋一先生(東北大学電気通信研究所教授)

''講師:'' 藤原毅夫 先生(東京大学 大学総合教育研究センター)
''場所:'' 理313教室

''講演題目:'' 「電子構造計算に基づいた大規模系長時間動力学シミュレーション技法の開発とLiイオンを含むイオン液体及び固体系への応用」
''概要:''
>走査トンネル顕微鏡(STM)の電子トンネルにより可視発光が励起される(STM発光)。STM発光スペクトルを解析することにより探針直下の個々の分子やナノ構造の振動数が決定できることについて紹介する。トンネル電子励起発光に振動数が反映される機構についても議論する。


''講演概要:''
>ナノスケールシステムの重要性がいわれて既に久しい。最近では、医薬品やデバイス、電池などの開発において、シミュレーション技術が益々重要性をますと指摘され、京速コンピュータの建設が期待を集めている。しかし、数100万原子からなる大規模系の電子構造計算が出来たとしても、ナノ秒〜ピコ秒のダイナミックスを追いかけるためにはさらに大きな課題がある。我々はこれらの課題に対し、強結合モデルを用いた分子動力学法(TB-MD)と新しい線形計算理論の開発を進めてきた。最初にこれらの新しい手法の考え方について紹介する。この新しい手法に基づいて、2次電池材料として期待されている金属イオンを含むイオン液体、固体系(イオン液体PP13-TFSA、あるいはLi4GeS4)において、数100psから10nsにおよぶ量子力学に基づく動力学計算を行ない、Liイオンの動的過程を明らかにした。さらに第一原理電子構造計算結果も併用して全体の物理化学的描像について議論する。
&color(Red){★2013年1月10日(木)16:20-};

&color(Red){2011年11月22日(火)16:30-17:30};

''場 所:'' 理学部313教室
''場所:''理313教室

''講演者:'' 岡田宣親氏(アラバマ大学)
''講師:''濱田幾太郎先生(東北大学WPI-AIMR 助教)

''講演題名:'' Higgs inflation in minimal supersymmetric SU(5) GUT
''題目:''金属・分子界面の密度汎関数理論に基づくシミュレーション

''Abstract:''
''概要:''
>分子と固体表面の相互作用は(光)触媒、電気化学、分子エレクトロニクスなど様々な分野で重要な役割を果たす。分子と固体の界面で起こる現象の機構を解明し、(高効率な)機能性界面の設計をするためには、界面の構造と電子状態を詳細に理解することが本質的に重要である。しかしながら、分子と固体といった異なる相互作用(共有結合、金属結合、水素結合、ファン・デル・ワールス相互作用など)を持った物質の界面を理論的に取り扱うことは容易なことではない。
>近年、理論的手法の発展と計算機の高速化により、そのような異種物質で構成された界面のより精度の高いシミュレーションが可能になりつつある。本講演ではファン・デル・ワール力を密度汎関数理論の枠組みで取り扱うことが可能なファン・デル・ワール密度汎関数を概説し、その応用として金属表面上における水、有機分子などの最近の研究結果を紹介する。

>The Standard Model Higgs boson with large non-minimal coupling to the gravitational curvature can drive cosmological inflation. &#160;We study this type of inflationary scenarioin the context of supersymmetric grand unification and point out that it is naturally implemented in the ''minimal'' supersymmetric SU(5) model, and hence virtually in any GUT models. It is shown that with an appropriate Kahler potential the inflatontrajectory settles down to the Standard Model vacuum at the end ofthe slow roll. The predicted cosmological parameters are alsoconsistent with the 7-year WMAP data.

&color(Red){★2011年12月9日(金)16:20-17:20};

''場 所:'' 理学部313教室

''講演者:'' 風間 洋一 先生(東京大学大学院総合文化研究科)

''講演題名:'' 「弦理論はどこまできたか」

''講演概要:''

>弦理論は1960年代後半に強い相互作用の理論として誕生したが、その後70年代の中頃から重力を含むすべての力の統一理論の有力候補として再解釈され、今日まで目覚ましい発展を遂げてきた。本談話会では、この約40年間、特に最近の20年間、の発展の様子を俯瞰し、現在弦理論がどのような地点に立っているのかを非専門家向けに概説するとともに、将来の展望について触れたい。



&color(Red){2012年1月20日(金)16:30-17:30};

''場 所:'' 理学部313教室

''講演者:'' 吉田慎一郎 先生(東京大学大学院総合文化研究科)

''講演題名:'' 一般相対論的天体の振動

''講演概要:''
>中性子星やブラックホールなどの一般相対論的天体の固有振動は、重力波天文学における重要なターゲットの一つです。固有振動を調べることで、天体の大局的パラメータやそれを構成する物質についての情報を得る事ができると期待されています。今回は一般相対論的効果を考えた天体振動の理論の概観と、私が最近取り組んでいる問題についてお話しさせていただこうと思います。



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