&size(26){&color(Blue){瓜生康史准教授が第13回日本物理学会論文賞を受賞しました!};};

受賞論文は

 “Gravitational waves from the merger of binary neutron stars
 in a fully general relativistic simulation”,
 Masaru Shibata and Koji Uryu, Prog.Theor.Phys.107, 265, 2002

です。

-[[プレプリントarxivはこちら>http://arxiv.org/abs/gr-qc/0203037]]
-[[日本物理学会の論文賞に関するページはこちら>http://wwwsoc.nii.ac.jp/jps/jps/guide/ronbunsyo/ronbun13-2008.html]]

''受賞の言葉''


>第13回日本物理学会論文賞を受賞したこの論文は第一著者の東京大学総合文化
研究科の柴田大さんとの共著論文で,2002年にProgress of Theoretical Physics
誌に掲載されたものです。現在稼働中のレーザー干渉計型重力波検出器により,
近い将来連星中性子星からの重力波が直接検出されることが期待されています。
重力波が検出されれば,アインシュタインの一般相対論の正当性をさらに詳しく
検証できるようになると共に,これまで電磁波では直接観測することのできな
かった中性子星内部の性質やブラックホールの形成の様子などを観測することが
可能になります。

>この論文は,連星中性子星が最終軌道から合体し,高速回転超質量中性子星や
ブラックホールを形成する様子をコンピューターでシミュレーションし,この
過程で放出される重力波の波形を初めて精度良く計算することに成功したこと
を報告したものです。1998年にパリで開かれた第19回Texas Symposiumという
高エネルギー宇宙物理学の国際会議で,当時イリノイ大に滞在されていた柴田
さんと再会し,そこでの話し合いで柴田さんが開発に成功したシミュレーション
コードに私が計算した連星中性子星の準平衡解を初期条件として用いることで,
現実的な連星中性子星合体の計算をしてみようということになりました。その後,
現在イリノイ大に所属している谷口敬介さんも加わり連星中性子星やブラック
ホールの合体の共同研究が続いています。このプロジェクトの初めの頃に書いた
論文に賞を頂けたことで,これまでの成果を高く評価して頂けたと喜んででいま
す。また,これまで大学院から海外での研究員として過ごした期間に様々な形で
私の研究生活にかかわり,あるいは直接に支援してくださった数多くの研究者の
皆様と,帰国した私を温かく迎えてくださった琉球大学物質地球科学科物理系の
同僚の皆様に心から感謝しています。
>この論文は,連星中性子星が最終軌道から合体し,高速回転超質量中性子星やブラックホールを形成する様子をコンピューターでシミュレーションし,この過程で放出される重力波の波形を初めて精度良く計算することに成功したことを報告したものです。1998年にパリで開かれた第19回Texas Symposiumという高エネルギー宇宙物理学の国際会議で,当時イリノイ大に滞在されていた柴田さんと再会し,そこでの話し合いで柴田さんが開発に成功したシミュレーションコードに私が計算した連星中性子星の準平衡解を初期条件として用いることで,現実的な連星中性子星合体の計算をしてみようということになりました。その後,現在イリノイ大に所属している谷口敬介さんも加わり連星中性子星やブラックホールの合体の共同研究が続いています。このプロジェクトの初めの頃に書いた論文に賞を頂けたことで,これまでの成果を高く評価して頂けたと喜んででいます。また,これまで大学院から海外での研究員として過ごした期間に様々な形で私の研究生活にかかわり,あるいは直接に支援してくださった数多くの研究者の皆様と,帰国した私を温かく迎えてくださった琉球大学物質地球科学科物理系の同僚の皆様に心から感謝しています。

RIGHT:琉球大学理学部物質地球科学科物理系准教授 瓜生康史

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