[[特別講義情報]]に戻る *◆「結晶分類学」 [#d7881a36] ''受講対象者:'' 4年次,大学院生 ''講師:'' 細谷将彦 (琉球大学 名誉教授) ''日程:'' 5/11(火)- 6/1(火) (火4限目) ''教室:'' 複201室 ''講演:'' -タイトル「Landau相転移理論の拡張と応用」 -日時 6/1(火) 16:20- -場所 理313教室 -概要: >固体の相転移を対称性の自発的な破れとみなすLandau現象論は広範な物質の相転移を包括的に説明する。 Landau理論に使われる対称性は通常の直交変換であるが、これを結晶格子のアフィン変換にまで拡張することにより、任意の点群や空間群の間の群・部分群関係が既約表現によって具体的に求まるようになり、物性物理学のさまざまな問題への応用が広がってくる。 *◆「磁性入門」 [#g064f8b0] ''受講対象者:'' 4年次,大学院生 ''日程:'' 5/24(月)- 5/27(木) (時間割は,物理系事務室にあります) ''講師:'' 繁岡透 (山口大大学院 教授) ''教室:'' 複202室 ''講演:'' -「正方晶三元化合物RM2T2の磁性」 -日時 5/27(木) 14:40- -場所 理313教室 -概要: >希土類三元化合物RM2X2(R=希土類, M=遷移金属, X=Si, Geなど),いわゆる1-2-2化合物,の多くは,正方晶 ThCr2Si2 型の結晶構造をとる。この構造は,R原子が結晶学的に1つのサイトだけを占めるなど,比較的簡単な構造をしている。さらに一つのc面内には同種の原子だけがあり,原子層を形成して2次元的な特徴を持っている。また,原子の組み合わせを変えることにより,多種多様な化合物を作ることができる。重い電子系でかつ超伝導を示す化合物として最初に発見された CeCu2Si2 は有名である。最近,新しい鉄系超伝導化合物として話題を集めている BaFe2As2 などもこの系である。 >このようなことからもわかるように, この系の化合物は,多様な物性を示し,新しい現象や機能を見いだせる可能性を秘めていると考えられる。私は,この化合物系の物性に興味を持ち,単結晶を育成し,主にその磁性を系統的に調べてきている。そして,これまでに興味深い振る舞いを幾つか:“不可逆磁化過程”,“常磁性領域で現れるメタ磁性”,“部分秩序相”など,を見出してきている。講演では,それらから幾つかを紹介する。 *◆低温物理 [#y2471b14] ''受講対象者:'' 学部4年次、大学院生 ''講 師:'' 石田 憲二 教授 (京都大学 大学院 理学研究科) ''日程:'' 7 月 6 日(火) 〜 7 月 9 日(金) ''場 所:'' 理複202 ''講演:'' -「最近の超伝導研究 〜強相関電子系の超伝導〜」 -日時: 7 月 9 日 5 時限 -場所: 理313 -概要 > 来年で発見100 年を迎える超伝導現象。しかし2008 年の鉄系超伝導体の発見のように、今世紀になって発見された新超伝導体の中には今まで信じられてきた通説を覆すものも少なくない。 >本セミナーでは最近注目されている超伝導体を紹介することにより最近の超伝導研究の現状について紹介したい。 *◆「温度変調法と高分子のスローダイナミクスへの応用」 [#of5fb4ed] ''受講対象者:'' 学部3年次,4年次 及び 大学院修士学生 ''講師:'' 猿山 靖夫 先生(京都工芸繊維大学大学院) ''日程:'' 2010年 11月9日(火)〜11月12日(金) ''授業内容:'' -第1回 熱容量の基礎理論 -第2回 ガラス転移 -第3回 DSCによるガラス転移の測定 -第4回 温度変調DSC -第5回 擬等温測定 -第6回 温度変調法の実験技術 -第7回 複素熱容量 -第8回 誘電分散,力学分散 -第9回 線形応答 -第10回 温度変調法の拡張 ''講演:'' -タイトル 「ガラス転移におけるスローダイナミクスの温度変調法による研究」 -日時 11月12日(金)16:30〜17:30 -教室 理313教室 -概要: > ガラスとは非晶質固体のことであり、ガラス転移とはガラスと液体との間の状態変化である。見た目では結晶と液体の間の相転移と似ているが、分子レベルでは全く異なる現象であり、そのメカニズムは未だに解明されていない。ガラス転移に伴い、分子の位置交換などの大振幅運動の相関時間が温度低下に伴って急激に増大するため、スローダイナミクスの典型として知られている。このスローダイナミクスについて、温度変調法により得られた最近の実験結果を紹介し、ガラス転移のモデルとの関係についても考察する。