6.3 磁束密度の時間変化と電場

電磁誘導の法則は二つの物理現象をまとめて表現しているが、ここまではその一方である「回路が変化する場合」についてのみ考えてきた。ここからは磁束密度が変化する場合を考える。その時でも、回路内を通る磁束が変化すると起電力が発生する。この時には、運動していない電荷にも力が働いているので、ローレンツ力の式$\vec F=q(\vec E+\vec v\times\vec B)$と照らし合わせて考えれば、そこに電場が発生していると考えなくてはいけない。つまり、磁束の変化と電場を関係づける物理法則が存在しているのである。これはここまではまだ導入してない、新しい物理法則である。

実験結果である$V=-{d\Phi\over dt}$を前提として、その新しい物理法則はどのような式で表現されるのかを求めよう。

回路が静止している場合を考える。起電力Vは回路を一周する電場$\vec E$の線積分で定義できるだろう。一方、磁束の方は$\Phi=\int d\vec S\cdot\vec B$のように面積積分で表される。

そこで、 $$ -\int_S d\vec S\cdot {\partial \vec B\over \partial t} = \oint_{\partial S}\vec E\cdot d\vec x$$ という計算が成立する*1$だったのに、$\vec B$に対する微分が偏微分${\partial\over \partial t}$になっていることを不思議に思う人がいるかもしれない。$\vec B$は場所と時間の関数$\vec B(\vec x,t)$であるのに対し、$\Phi$は面積積分の結果として定義されているので場所$\vec x$の関数ではない($\Phi(t)$)。よって$\Phi$に対する微分は偏微分で書く必要はない。}。この式を微小面積dSに対して適用することで微分形の法則を出すことができる(これはアンペールの法則の積分形から微分形を出した時と全く同じ計算である。下の図参照)。

bishoBS.png

↑クリックするとフルサイズで見ることができます。

あるいはストークスの定理 $$ \oint_{\partial S}d\vec x\cdot \vec A=\int_S d\vec S\cdot({\rm rot}\vec A)$$ を使って $$ -\int_S d\vec S\cdot {\partial \vec B\over \partial t} = \int_{S}d\vec S\cdot({\rm rot}\vec E)$$ とした上で積分$\int_S d\vec S$をとっぱらってもいい*2

どちらにせよ、


電磁誘導の法則の微分形 $${\rm rot} \vec E= -{\partial \vec B\over \partial t}$$

という法則が作られる。こうして時間的に変動する場合の物理法則が得られた。

ここで、Φに対する時は全微分だったものがBに対する時は偏微分になっていて、不思議に思う人がいるかもしれない。Bは場所xと時間tの関数であるが、ΦはBをx積分したものなので、積分が終わった結果もはやxの関数ではなく、tのみの関数になっている。よって、Φによる微分は全微分でよい。Bに対する微分では、「xを固定して微分」ということを明示しなくてはいけないので、偏微分にする。

この法則は磁束密度の時間変化がない場合は${\rm rot} \vec E=0$という静電場でおなじみの法則に帰着する。以後はこっちを覚えよう。

静電場における${\rm rot} \vec E=0$はエネルギー保存則であったから、これが成立しないということはエネルギーが保存しないのではないか、と心配する人がいるかもしれないが、その点は大丈夫。実際にこの電場によって電流が流れると、その電流は元の磁場を打ち消す磁場を作るから、磁場のエネルギーを食いつぶすことになる。また、電流によってできた磁場は、磁石の接近を妨げる力となり、磁石を動かしている人(あるいは物)に余分な仕事をさせることになる。誰かがエネルギーを得た分、どこかでエネルギーが減るという現象がちゃんと起きているので、問題はない。

6.3.1 単極誘導

tankyoku.png

ここまでで、$V=-{d\Phi\over dt}$という法則の中にローレンツ力$\vec F=q(\vec E+\vec v\times\vec B)$と、新しい物理法則${\rm rot}\vec E=-{\partial\vec B\over \partial t}$が含まれていることを見た。ではこの二つは$V=-{d\Phi\over dt}$と等価なのかというと、そうではない。というのは電磁誘導の中には$V=-{d\Phi\over dt}$では表すことができない現象があるのである。

その一つが単極誘導で、ファラデーが作った世界最初の発電機でも使われている。

ファラデーって$V=-{d\Phi\over dt}$という法則を見つけた人なのに、その法則の例外も自分で見つけているんですか。

そういうことになりますね。まぁいろんな実験を精力的にやった人ですから。

右図がその装置の概念図である。磁石の極のそばで円盤を回転させることで起電力を得る。円盤には中心から導線が出て、導線は導電性のブラシにつながり、円盤の外周に接触し、こすれあいながら円盤が回転する。回転の角速度をωとしよう。

この時、円盤の速度$\vec v$で運動している部分の自由電子には、$-e\vec v\times \vec B$のローレンツ力が働いて、電子を中心方向に引っ張る。これは結果として中心部の電位を下げ、円周部分の電位を上げることになり、起電力が発生して電流が流れる。

この起電力は$V=-{d\Phi\over dt}$と言う形で記述することはできない。回路を貫く磁束は変化してないからである。

ここで、円盤を回転させずに磁石の方を回転させたとすると、起電力は全く発生しない。磁石を回転させても(図のように軸対称な磁石であれば)磁束密度は時間変化しないからである。

ついでに、「磁石は止めておいて、円盤とブラシと検流計含めて回路全部を同じ角速度で回したらどうなると思う?」と聞いてみると、電流が流れる、流れないという意見が半々ぐらいになった。

これは流れない。なぜなら、円盤の部分でも、検流計があるあたりでも起電力が発生し、この二つの起電力が逆向きだからである。いわば、

ugokukairo2.png

という回路と同じになる。

でも、上と下だと下の方が磁場が強いから、下の電池の方が強くなるんじゃないですか??

するどい質問だ! 確かにその通りで、上の電池の方が弱い。ところがこの場合、もう一個電池があるんだ。

ugokukairo3.png

磁力線はこんなふうに横に広がるから、右の縦線の部分も磁場中を動いていることになって、ここでも起電力が発生する。だからほんとは

ugokukairo4.png

という感じ。で、弱い電池2個と強い電池1個で「引き分け」になる。やっぱり電流は流れない。物理ってほんとにうまくできてますね。


【よくある質問】磁石がまわれば一緒に磁力線もまわらないのですか?

もともと、磁力線というのは磁場を表現するために便宜上導入されたものであって、実際にそういう線があるわけではない。つまり「磁力線が運動する」などという考え方は非物理的なのである。電磁気学において、磁力線には実体はない。各点各点の磁場なり磁束密度なりの「場」こそが実体である。そして、電磁誘導による電場が発生する条件はあくまで、${\partial\vec B\over \partial t}\neq0$なのである。

軸対称な磁石が軸の周りにまわっているだけでは、各点各点の$\vec B$は変化しないから電場は発生しない。

そもそも、磁束密度というのは$\vec B(\vec x,t)$のように、各々の場所$\vec x$に、各々の時刻tにおいて存在しているものであって、「磁場が時間変化する」と言う時も、Bがあっちへこっちへ動き回るのではない。各点各点のBの値が変化するのである。ある場所のBが減って代わりに別の場所のBが増えると、「Bが移動した」ように見えるが、これはあくまで「ように見える」だけなのである。


この部分は授業では話さない可能性もあるが、その場合は読んでおいてください。

6.3.2 時間変動する電磁場の場合の電位

静電場における${\rm rot}\vec E=0$は、電位が存在できるための条件であった。これが成立していないと、電位は一意的に決まらなくなってしまう。では、時間変動する電磁場ではVは定義できないのだろうか?

もちろん静電場同様に考えたのでは電位は定義できない。電位を定義したければ、電位と電場の関係である$\vec E=-{\rm grad} V$という式の方を修正するとよい。

実際、${\rm rot} \vec E= -{\partial \vec B\over \partial t}$に$\vec E=-{\rm grad} V$と$\vec B={\rm rot} A$を代入すると


これは間違えた式!! $$\begin{array}{rl} -{\partial ({\rm rot} A)\over \partial t} &= {\rm rot} (-{\rm grad} V) \\ -{\rm rot} {\partial A\over \partial t} &= 0 \\\end{array}$$

となってしまって矛盾する。しかしよく見ると、$\vec E=-{\rm grad} V$とするのではなく、


時間変動する電場とポテンシャルの関係 $$ \vec E=-{\rm grad} V -{\partial\vec A\over \partial t}$$
(電場をVとAで表した式)

と定義することにすれば、

$$\begin{array}{rl} -{\partial ({\rm rot} A)\over \partial t} &= {\rm rot} (-{\rm grad} V-{\partial\vec A\over \partial t}) \\ -{\rm rot} {\partial A\over \partial t} &= -{\rm rot} {\partial\vec A\over \partial t} \\\end{array}$$ となって無事成立する。

つまり、電場は電位の傾きで表現される部分と、ベクトルポテンシャルの時間微分で表現される部分があるのである(静磁場では後者は出番がなかった)。

(電場をVとAで表した式)を図形的に表現すると、

dAdt.png

の通りである。磁束密度が増加するということは、$\vec B={\rm rot} A$からして、その$\vec B$の方向に対して右ネジの方向に渦を巻く形の$\vec A$が増加するということである。この時、その場所にはその逆向きに起電力が発生する。つまり$\vec E$が$-{\partial\vec A\over \partial t}$を含むということは、そのベクトルポテンシャルの増加と逆向きに電場が発生しますよ(電荷に力が働きますよ)、ということを意味している。

}

6.4 自己誘導・相互誘導

コイルに電流を流すとその内部に磁場ができる。この磁場が変化すればコイルには起電力が発生する。つまり、自分に流れた電流の時間変化によってコイルの両端の電位差は変化する。この現象を「自分で自分に起電力を発生させる」という意味で「自己誘導」と呼ぶ。一方、複数のコイルが存在している時、あるコイルに流れる電流が変化すると別のコイルに誘導起電力が発生する。これを「相互誘導」と言う。

6.4.1 自己インダクタンスと相互インダクタンス

inductance.png

あるコイルの作る磁場の磁束密度は、どの場所でもコイルを流れる電流に比例する。よって、その磁場が別のコイルを通る磁束の大きさも電流に比例するだろう。磁束に対しても重ね合わせの原理が成立するので、一個めのコイルを通る磁束を$\Phi_1$と書くと、 $$ \Phi_1=L_1 I_1 + M_{12}I_2+M_{13}I_3+\cdots$$ のように書ける。係数$L_1,M_{12},M_{13},\cdots$はコイルの形から決まり、$L_1$すなわち「コイル1に流れる電流が自分自身を貫くようにつくる磁束を電流の強さで割ったもの」を「自己インダクタンス」と呼ぶ。$M_{12}$は「コイル2に流れる電流がコイル1を貫くように作る磁束をコイル2を流れる電流の強さで割ったもの」であり、「相互インダクタンス」と呼ぶ($M_{13}$以降の量も同様に定義する)。インダクタンスは磁束(単位[Wb])を電流(単位[A])で割ったものなので、その単位は[Wb/A]と表現されるが、特別に[H](ヘンリー)*3という単位を使う。

以上のように考えていくと、 $$\begin{array}{rl} \Phi_1&=L_1 I_1 + M_{12}I_2+M_{13}I_3+\cdots \\ \Phi_2&=L_2 I_2 + M_{21}I_1+M_{23}I_3+\cdots \\ \Phi_3&=L_3 I_3 + M_{31}I_1+M_{32}I_2+\cdots \\ &\vdots \\\end{array}$$ とコイルの数だけ式ができる。i番目のコイルに発生する起電力は $$ V_i = -{d\Phi_i\over dt}=L_i {dI_i\over dt}+M_{i1}{dI_1\over dt}+M_{i2}{dI_2\over dt}+M_{i3}{dI_3\over dt}+\cdots$$ となる。

inductance2.png

具体的に相互インダクタンスを計算してみよう。

電流$I_1$が場所$\vec x$につくる磁束密度を$\vec B_1(\vec x)$としよう。こ 電流 $I_2$が流れる回路の内部を通る磁束を$\int_{I_2回路} d\vec S\cdot\vec B_1$ と書くと、$\vec B={\rm rot}\vec A$であることとStokesの定理を使って、 $$M_{21}I_1=\int_{I_2回路} d\vec S\cdot\vec B_1=\int_{I_2回路} d\vec S\cdot({\rm rot}\vec A_1)=\int_{I_2} d\vec x_2 \cdot \vec A_1(\vec x_2)$$ となる。最後の積分$\int_{I_2}$は電流$I_2$が流れているところでの線積分である。$\vec A_1$は電流$I_1$が作るベクトルポテンシャルであり、 $$ \vec A_1(\vec x)= {\mu_0I_1\over 4\pi}\int_{I_1} d\vec x_1 {1\over|\vec x_2-\vec x_1 |} $$ となる。これを代入すれば、 $$ M_{21}I_1={\mu_0I_1\over 4\pi}\int_{I_2} \int_{I_1} d\vec x_2 \cdot d\vec x_1 {1\over|\vec x_2-\vec x_1| }$$ となる。両辺を$I_1$で割って $$M_{21}= {\mu_0\over 4\pi}\int_{I_2} \int_{I_1} d\vec x_2 \cdot d\vec x_1 {1\over|\vec x_2-\vec x_1 |}$$ となる。面白いことにこの式を見ると、$M_{12}=M_{21}$であることがわかる。つまり、「電流$I_1$が作る磁場のうち、電流$I_2$の回路を通るものの割合」と「電流$I_2$の作る磁場のうち、電流$I_1$の回路を通るものの割合」は等しいのである(これを「インダクタンスの相反定理」と呼ぶ)。

なお、自己インダクタンスについては、上で1,2としていた部分を同じ添字として $$L_{11}= {\mu_0\over 4\pi}\int_{I_1} \int_{I_1} d\vec x_1 \cdot d\vec x'_1 {1\over|\vec x_1-\vec x'_1 |}$$ と積分すればよいのだが、この計算だと$\vec x_1=\vec x'_1$のところで発散してしまう。自己インダクタンスを発散なしに計算するには導線に太さを与えていなくてはいけない(自己インダクタンスの計算例は次の節)。

なお、以上の計算はベクトルポテンシャルを使わずにビオ・サバールの法則で計算することもできるが、少々面倒が増える。

trance.png

相互誘導を利用して、交流の電圧を変化させることができる。1本の鉄芯などに2本の導線を巻き付けてコイルを作る。このようにすると二つのコイルの両方とも、一巻き分を通過する磁束はほぼ一定となる。この一巻き分の磁束を$\Phi_1$として、二つのコイルがそれぞれ$N_1,N_2$回巻かれているとすると、コイルの両端の電位差はそれぞれ$-N_1{d\Phi_1\over dt},-N_2{d\Phi_1\over dt}$となる。つまり、コイル1の電圧とコイル2の電圧は巻き数に比例する。これを使って交流の電圧を変化させることができるのである。このような仕組みをトランス(変圧器)と言う。電力は、送電中は高電圧で送り、電柱の上にある変圧器で電圧を落としてから家庭に供給される。途中を高電圧にする理由は、同じ電力IVを送るのであれば、Vを大きくしてIを小さくした方が、送電線の抵抗によるジュール熱$J=I^2R$を小さくできるからである。トランスは電圧は大きくするが、電力を変えることはできない(変えることができたらエネルギー保存則に反する)。

このあたりの計算はざっとしか説明できなかったので、来週またやり直します。以下の6.4.2節は飛ばす予定。

6.4.2 同軸ケーブルの自己インダクタンス

doujiku.png

円柱状の導線と、円筒状の導線を中心軸を合わせて組み合わせたものを同軸ケーブルと言う(通常、芯の部分と外側の部分の間には絶縁物を入れる)。この導線のそれぞれに逆向きに電流を流す。

内部の導線の半径をa、外部の導線の内径をb、外径をcとしよう。電流Iを流すとすると、電流密度は内部の導線では${I\over \pi a^2}$、外部の導線では${I\over \pi(c^2-b^2)}$である。対称性から磁場は軸を中心とした円形にできる。アンペールの法則を使う。軸を中心に半径rの位置での磁場の強さをH(r)とすれば、この位置を一周した時の磁場の積分の値は$2\pi r H(r)$となる。この値は内部に流れる電流に等しいが、その電流の値は

r<aの時 内部を流れる電流が${I\over \pi a^2}\times \pi r^2={Ir^2\over a^2}$

a<r<bの時 内部を流れる電流はI

b<r<cの時 内部を流れる電流は$I-{I\over \pi(c^2-b^2)}\times \pi (r^2-b^2)=I{c^2-r^2\over c^2-b^2}$

c<rの時内部を流れる電流は0

である。以下では、導線が非常に細いとして、a<r<bの部分だけが自己インダクタンスに関係するとして計算することにする。この範囲では磁場の強さは$H(r)={I\over 2\pi r}$であり、磁束密度は$B(r)={\mu_0I\over 2\pi r}$である。

selfCond.png

磁束密度から磁束を計算する。この場合、磁束密度は一定でないので、単に面積をかけるのではなく、積分が必要となる。長さ$\ell$の部分を取り出して考えれば、 $$ \Phi= \int_0^\ell dx \int_a^b dr B(r)={\mu_0 I\ell\over 2\pi}\left(\log b -\log a\right)$$ となるから、自己インダクタンスはこれをIで割って、 $$ L={\mu_0 \ell\over 2\pi}\log \left({b\over a}\right)$$ となる(ただしこの量は長さ$\ell$あたりである)。

この自己インダクタンスにより、同軸ケーブルに流す電流を増加させようとすると、それを妨げる起電力が発生することになる。

学生の感想・コメントから

Sが変化しないと仮定して${\rm rot}\vec E=-{\partial\vec B\over \partial t}$を導きましたが、BもSも変わる場合はこの式は成り立たないんじゃ??

BもSも変化する場合は、二つの変化によって起こったそれぞれの起電力の和になるだけです。

${\rm \rot}\vec E=-{\partial\vec B\over \partial t}$の式は、磁束密度が変化すると${\rm rot}\vec E$の電場が発生するという意味ですよね?

正確に言うと$\vec E$の電場、ですね。後「変化すると〜発生する」と書くと何か変化と発生の間に時間差がありそうですが、そうではなくて、磁束密度変化がある時には同時に電場が渦ありになってます。つまり、この二つは同時発生であって、原因→結果という状況ではないことに注意してください。

発電所で作る電気が交流なのはなぜですか?

交流の方が送電がしやすいのです。特に変圧が簡単で、高電圧にしてから送ることができます。高電圧にすると電流を少なくできるので、ジュール熱による損失を押さえされます。

なぜコイルの磁束は自己インダクタンスと相互インダクタンスの和なのですか?

重ね合わせの原理です。自分の電流が作る磁場と他のコイルの電流の作る磁場の和が、実際にそこにある磁場になります。

単極誘導で円盤と回路のまわる速さが違ったら電流は流れるんですか?

その場合は流れます。

${\rm rot}\vec E=-{\partial\vec B\over\partial t}$を宇宙の膨張にあてはめると、電場が発生するのでエネルギーを消費しますか?

宇宙は(宇宙的スケールで見れば)磁場はないに等しい(平均すると0)ので、宇宙が膨張したからといって電場が発生したりはしません。

中性子を動かす時よりも陽子の方が動かしにくいということも${\rm rot} \vec E=-{\partial\vec B\over\partial t}$からわかりますか?

実際には中性子の方が質量が重いので、中性子の方が動かしにくいのです。陽子は電気がある分動かしにくいのは確かですが、電磁場の影響を加えてもなお、中性子の方が重い。

ローレンツ力は$q\vec v\times\vec B$ですが、よく使う$qvB\sin\theta$との関係はどうなっているんですか?

二つのベクトルの外積の大きさは、二つのベクトルの大きさ×$\sin\theta$と決められているのです。つまり外積の定義の中に$\sin\theta$が入ってます。

単極誘導の装置に磁石を近づけたり遠ざけたりしたら、電流流れますか?

その場合、円盤にいわゆる「渦電流」が流れますが、検流計のある回路の部分には流れません。

磁石を動かして、その近くに導線がある場合であれば、水中でも電流が流れますか? 感電するぐらい流れますか?

流れますよ。磁石が十分強力で十分速く動けば、感電するほどに。

磁石を動かした時に電場が発生するということは、それだけ仕事をしたからということですか?

はい。磁石や電荷を動かす時には、周りに電場や磁場を作りながら動かすことになるので、その分余計な力が必要で、それは仕事を増やします。

磁石を回転させる時、回転する磁石の対称性が破れていたら電流は流れますか。

そのときはもちろん流れますが、直流じゃなく振動する電流になりますね。

磁石を回転させても磁束密度は変化しないという話でしたが、$\vec B$の向きって密度が減る方向にあるんですか?

とは限りませんよ。どっちの場合もありえます。

↓のように走ると電場が見えるはずですが、その分、人は疲れることになりますか?

RunningMan.png

人間から見ると↓のような電場ができることになりますが、人間は電荷を持ってないので、この電場によって力を受けませんね。

RunningMan2.png

単極誘導面白い。目でみたい。

ほんとですね。できたら実験してみたいところです。

ファラデーさんは自分で出した法則の反例を見つけるなんて面白い人ですね。

実験してそういう答が出ちゃったらしょうがないですね。物理で大事なのは実験ですから。

自己誘導や相互誘導は日常でどのように使われてますか?

コイルの自己誘導の利用例は、波動論で話したラジオやテレビのチューナーです。相互誘導の例は、テキストにも書いたトランス(変圧器)ですね。


*1 $\Phi$に対する時間微分が常微分${d\over dt
*2 積分をとっぱらっていいのは、この法則が任意の面積Sに対して正しいことが確認されているからである。そうでないならば「積分して0」と「積分する前から0」は等価ではない。
*3 ヘンリーはファラデーとほぼ同時に電磁誘導を発見した物理学者。特に自己誘導現象はヘンリーの発見である。

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Last-modified: 2020-05-02 (土) 21:33:41 (575d)