下のプログラムがうまく動かない、という人はSUNのjavaの広場のページに
いってjavaをダウンロードしてインストールして
みてください。
2次元面上の電場ベクトル、電気力線、等電位面などを描くプログラムです。上にある二つのスライダで、電荷1と電荷2の電気量を−5から+5まで の範囲で変化できます。下にあるスライダの左は、電気量1に対して何本の電気力線を出すか、です。右は電位1に対して何本等電位線を引くかです。さらにそ の下のチェックボックスで、電荷に働く力を描くか、各点各点における電場ベクトルを描くかどうかを指定できます。
電荷はどっちもドラッグで位置を変えられます。
とにかくぐりぐり動かして遊ぶべ
し。そして電磁場の感覚をつかむべし!
まだ一部バグが残っていて、止まってしまう場合がありますが、その場合はリロードするなどしてやり直してく ださい<m(_ _)m>
ソースコードはdenba.javaです。
最初の状態では二つの電荷に働く力が表示されています。電荷を動かして、その力が距離が近づけば強まり、遠ざかれば弱まることを確認しましょう。
また、この力は常に一直線上にあり、同じ力なので作用・反作用の法則を満たしています。
(注意:このアプ
レットの電磁場は2次元平面上の電磁場なので、逆自乗則にしたがってません。あくまで感じをつかむためのプログラムだと思ってください。)
どうして作用・反作用の法則を満たすんですか?
うーん、難しい質問だけど、作用・反作用の法則は力学では原理の一つだか
ら、電磁気が相手でも成立するということになります。後、もし作用反作用の法則が満たせていないと、互いに反発する電荷を二つひもでつないでいくと、外部
からエネルギーを与えてないのにどんどん加速していく、という不合理なことが起きてしまいます。
二つの電荷の大きさが違うのに、なぜ同じ力になるんでしょう??
大きい電荷は強い電場を作り、小さい電荷は弱い電場しか作れません。しか
し、小さい電荷の作った弱い電場の中に大きい電荷がいて、大きい電荷の作った強い電場の中に、小さい電荷がいるわけです。そうすると結局、力は掛け算で作
用するので、同じになってしまうんですね。
次に、電荷1,電荷2のつくる電場と、合成電場を見てみよう。
青の電荷が作った電場を青矢印、緑の電荷作った電場を緑矢印で描いている。合成された電場(実際にそこにある電場)が赤矢印である。
合成電場を見てみると、+電荷から出て−電荷に入るような「流れ」を感じることができる。そこでその「流れ」の流線を描いたものが電気力線であ る。「電気力線を描く」をチェックすると見える。
電気力線を描いたのが
である。電気力線はプラスから出てマイナスに入る。電場の方向へと伸びていく線であり、その密度が電場の強さを表現する。
電気力線には張力が存在し、↑のような状況だとなるべく短くなろうとする。それが正電荷と負電荷の間の引力の正体である(今電場という近接作用の考え方
をしているのだから、電荷と電荷が直接引っ張り合うなどと考えてはいけない)。
絶対値の等しい正負の電荷を作ってぐっと近づけていくと、
のようになり、電気力線は外に漏れなくなる。この時、遠方では正電荷の作る電場(青矢印)と負電荷の作る電場(緑矢印)がうまく消し合っている。
のように、遠方では青矢印と緑矢印の和である赤矢印はほとんど0となる。これが、この世のほとんどの場合で電気力が外に現れてこない理由である。
原子の中にはプラスやマイナスがあるけど、それは力を出さないとい
うことですか?
図を見るとわかるけど、電荷に近いところでは、二つの電場(青と緑)に向きの違いやら
大きさの違いやらがあって、足し算しても0にならないわけです。ところが遠方だとほとんど0になっちゃう。原子とかの場合も同じで、原子のスケールまで近
づかないと電場は現れません。
プラスとプラスの場合は両方から出て行く。電気力線には混雑を嫌がるという性質(隣の電気力線と離れようとする性質)がある。これが正電荷と正電 荷の斥力の正体である。
この場合はこの二つが重なると、
のように電気力線が密集する。
クーロンの法則からすると、この時力は∞じゃないんですか?
∞ですね(^_^;)。つまり、実際に+と+を一カ所に重ねるということ
をするには、無限の力がいりますから、現実的には無理ですね。
原子核とかはどうなっているんですか?
核力という強い力で結びつけられています。
原子核は本来プラスに帯電しているので、くっつけるのはたいへんです。何
十年も実験している核融合がなかなか成功しないのは、プラスの電気をもった原子核どうしをくっつけるのはものすごいエネルギーがいるからです。
プラスとマイナスの場合、無限の力で引き合うのでは?
その通りですね。じゃあなぜくっついてしまわないのか、というは大
きな謎で、原子と電子がなぜくっついてしまわないのか、という疑問から、量子力学が生まれました。3年生になったら勉強してください。
なお、この他に等電位線を描く機能もある。黒線で描かれるので、電気力線と垂直に交わることを確認しよう。また、等電位線が混み合っているところは勾配
が急であるからつまりは電場が強いということで、その場所では電気力線の方もやはり混雑している筈である。確認しよう。