今日の講義の内容
テキスト(PDF:クリックしてダウンロード)の30ページの斜めの動滑車の問題を考えた後、26ページの一般化力の話に戻り、その後変分原理を使う例として2.4.4項の「曲線に乗った小球」と2.5節のコンデンサの電荷の話をしました。
コンデンサの場合をやった後、二つの状況(電池をつなぐかつながないか)の違いで独立変数が変わり、それに応じてエネルギーも変えないと物理的に正しい結果が出ない、というところまで話し、「このときに正しい結果を出すための処方箋がルジャンドル変換だよ」というところまで(ルジャンドル変換の中身については来週)。
授業中に出た質問など。
斜めの動滑車の問題について
$x$は一般化座標だと言いますけど、二つの物体の位置を表しているから物体というよりも系の持っている変数ですか。
その捉え方はいいと思います。$x$は位置を表しているようでいて、二つの物体の位置関係を一つの変数で表してしまってます。
ただし、一般化座標は二つ以上の物体を表しているから一般というわけではなくて、一個の物体でもその状態を単純に「原点からの距離」とかで表してないなら一般化座標です。たとえば単振り子で角度とかね。
一般化座標ってのは解析力学でも出てきた奴ですか。
同じものです。二つの物体の位置を一個の変数で表す、なんてことも解析力学ではやりますね。
受講者の感想・コメント
青字は受講者からの声、赤字は前野よりの返答です。
主なもの、代表的なもののみについて記し、回答しています。
エネルギーで考えると今までより簡単になるんだと思った。
それがエネルギーというものを考える理由です。
一般化力が今後どう使われていくかが気になりました。
お楽しみに。
土日でエネルギーを使い果たしたので電池食べたい。
いや、ご飯を食べましょう。
電池のエネルギーに気が付かなかった(多数)。
「つながっていてエネルギーが流れるんだから」ということをちゃんと考えましょう。
解析力学で変分原理が出てきたときは便利だとは思ったが、いまいち使いみちがわからなかった。いろんな例を見て、だいぶわかってきた気がする。
使いみちは結構、多いですよ。
コンデンサの考察から、$\mathrm d\ell$の係数として極板間引力、$\mathrm dQ$の係数として電圧$V$が出て来るのに非常に驚いたが、これも全微分の式を物理的に捉えれば納得できる。面白い。
エネルギーと力の関係をより一般的に考えていくわけです。
解析力学でルジャンドル変換は出てきたが、今日の授業で行ったことがルジャンドル変換であることは全く気づかなかった。次回が楽しみです。
どういうときにルジャンドル変換が必要になるか、ということが大事です。
何が変数で何が定数なのかを考えることが大切だとわかった。
その通りです。そこがちゃんとしてないと、いろいろ困る。
。