今日の講義の内容

 テキスト第5章(PDF:クリックしてダウンロード)が5.5節の「等温操作における吸熱」を残して、終わりました(5.6節は先にやった)。

 やったことはここまでの等温操作、断熱操作のまとめのあと、Kelvinの原理からPlanckの原理を導くところをやり、そのあとは最大仕事が準静的操作のときで最大であることをKelvinの原理から導けることをやったのち、これを使ってHelmholtz自由エネルギーを定義しました。

 Planckの原理で「操作をすると損をする」という言い方をしてましたが、どういう意味ですか?
 Planckの原理でもKelvinの原理でも、「系を元に戻す(断熱操作では温度は元に戻らないけど)」をすると系が負の仕事をします(理想的な操作でも、0の仕事)。つまり、「操作者」がせっせと仕事をしないと系が元に戻せない。これは「損をした」という状況でしょ。
 Kelvinの原理→Planckの原理というところからすると、等温サイクルの方が基本なのでしょうか。
 この逆も(手順は複雑になるのでここではやりませんが、でっかい断熱系の一部の部分系にだけ操作を行うと、その部分系に等温操作をしている感じになります)できるので、どっちが基本ってこともないです。

 次回はCarnotサイクルに入ります。

受講者の感想・コメント

受講者の感想・コメント

 青字は受講者からの声、赤字は前野よりの返答です。

 主なもの、代表的なもののみについて記し、回答しています。


おもしろくなってきた(複数)。
ここを楽しんでくれるというのは頼もしいし、素晴らしい。

少ない原理から多くのことが言えて、改めて先人の仕事は偉大だと思った。
原理をいかに少なくするかというのが理論を作るときの面白い部分ですね。

昔の人たちは、要請とかいった形でいろいろと仮定し熱力学を考えていったのはすごいなと思いました。
一人でではなく、たくさんの人の共同作業ですからね。

あ〜あ、明日Kelvinの原理が破れないかなぁ。
怖いよ。

Fの定義についてはなるほどと思ったし、等温曲線と断熱局線が2回以上交わらないというのにも納得しました。
どっちもKelvinの原理が効いてますね。

積分定数を初期条件からでなく示量性から決めることができるのは初めて知った。
「示量変数になれ」というのも一つの条件ですから、初期条件を課すのに似てます。

Kelvinの原理の大切さがわかった。
次でもっとわかると思います。

理想気体の「理気」は逆にかっこよく聞こえる。
うーむ、かっこいいという見方もあるのか。

集中力を高めたいときはどうしたらいいですか?
うーん・・・。回りの音が聞こえないくらいの音量で音楽(できれば日本語でない歌)を掛けるぐらいしか思いつかないな。あとは「集中力ないな」と思ったらさっさと寝る。

先週の金曜夜に熱(誤用)が出て、「黒い週末、カモンライディーンwww」って感じでした。
ライディーンっていうと私の世代だと巨大ロボットなんだけど、それとは違うんだよなぁ、たぶん。

SF小説が好きなら、SFドラマはどうですか? イギリスの「ドクター・フー」というドラマが面白いので見てください。
「ドクター・フー」はなぜかまだ見てないんですよ。ドラマも結構見るんだけど。

授業の内容