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その状態を表しているのが右のグラフである。動き出した後の電車が静止して見えるような座標系(x′,ct′)を考える。
グラフのx座標は横方向を表す。縦方向(y座標の方向)はグラフには書かれて
いない。
光が発光点を出発する時空点を原点(x=0,ct=0)とする。ct=0において、発光点と右側の鏡は、L′=L√{1−(v/c)2}だけ離れている。
電流が流れている導線から少し離れたところに静止した電子がいる。導線には流れている自由電子(−電荷)がいるが、静 止している金属イオン(+電荷)もいて、全体として電荷は中和している。ゆえに導線のまわりに電場はない。電流があるから磁場はあるが、磁場は止まってい る電子に力を及ぼすことはない。よってこの電子は力を受けない。 ここで、流れている電子と同じ速度で移動しながらこの現象を見たとしよう。電子は止まって しまうが、金属イオンは逆に動き出すので、やはり電流は流れている。故に磁場はやはり発生している。今度は外においてある電子は動いている。磁場中を動く 電子は力を受けるので、この立場で考えると電子には力が働く。 ということは、この場合、見る立場によって現象が違う。つまり、特殊相対性原理の反例が見つかった。(ヒント:図をよく見てみよう。右の図は左の図を動きながら見たものである。そのように動きながら見た時に、相対論では起こる筈の「ある現象」が、図では起きていない。そこが上に含まれた「間違い」である。それに気づけばパラドックスは解ける)