世の中に「自分は絶対静止している」と主張できるものなどないというのが相対論の主張である。 ここで、「宇宙で静止しているものは何かが判定できるか」という問題を考えてみよう。 話を簡単にするため、宇宙には地球とその表面の物体しかなく、地球は自転も公転もしていないとしよう。この孤独な地球の上にあなたが住んでいて、今電車 に乗っているとする。電車が加速も減速もせず曲がりもせずにスムースに走っている時、電車の中であなたがする行動(本を読んだりあくびしたり、あるいはす いていればキャッチボールだって)は、家の中での行動と同じように、何の支障もなくできるはずだ2。この現象を「宇宙が止まっていて、電車が等速運動している」と考えることもで きるし、「電車が止まっていて、宇宙全体が逆向きに等速運動している」と考えることもできる。どちらで考えても、電車内で起こる物理現象は同じである。つ まり、どっちが静止しているのか、判断する方法はないのである。
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div→D = ρ |
div→B = 0 |
rot→E = −[∂/∂t]→B |
rot→H = →j + [∂/∂t]→D |
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