教官名 | 教官研究室 | 備考(実験室など) |
理308 |
物性理論 : 磁性と電子相関,多体系の統計力学,固体の励起
卒研テーマ「現在の研究テーマ」の中から卒論生・修論生の希望に応じて選択してもらいます.
必要に応じて使用します.
物質における電子とそのスピンが引き起こす多様な振る舞いを「電子相関と磁性」という観点から研究しています.人類は所謂「磁石」を1万年前から知っていましたが,それが物質の中の電子が持っている「磁石」によって発生していること,そしてそれが量子力学によって初めて理解されることが解ってきたのはわずかこの70年の間のことです.特に,金属では磁性を担っている電子達が互いにクーロン力を及ぼしあいながら(これを電子相関と言う)磁化を発生させているので,その理論的取り扱いは大変難しく,現在でも現代物理学の主要なテーマの1つになっています.この量子力学的多体系としての電子の振る舞いは磁性に限らず,金属・絶縁体転移や酸化物超伝導物性等ほとんどの物質の性質を理解する上で重要になってきます.私達の研究室では,この多電子系を取り扱う方法を開発し,それを用いて様々な物性を定量的に説明したり,物質の新しい性質を理論的に予言する営みを行なっています.