受講対象者: 4年次,大学院生
日程: 5/24(月)- 5/27(木) (時間割は,物理系事務室にあります)
講師: 繁岡透 (山口大大学院 教授)
教室: 複202室
講演:
希土類三元化合物RM2X2(R=希土類, M=遷移金属, X=Si, Geなど),いわゆる1-2-2化合物,の多くは,正方晶 ThCr2Si2 型の結晶構造をとる。この構造は,R原子が結晶学的に1つのサイトだけを占めるなど,比較的簡単な構造をしている。さらに一つのc面内には同種の原子だけがあり,原子層を形成して2次元的な特徴を持っている。また,原子の組み合わせを変えることにより,多種多様な化合物を作ることができる。重い電子系でかつ超伝導を示す化合物として最初に発見された CeCu2Si2 は有名である。最近,新しい鉄系超伝導化合物として話題を集めている BaFe2As2 などもこの系である。
このようなことからもわかるように, この系の化合物は,多様な物性を示し,新しい現象や機能を見いだせる可能性を秘めていると考えられる。私は,この化合物系の物性に興味を持ち,単結晶を育成し,主にその磁性を系統的に調べてきている。そして,これまでに興味深い振る舞いを幾つか:“不可逆磁化過程”,“常磁性領域で現れるメタ磁性”,“部分秩序相”など,を見出してきている。講演では,それらから幾つかを紹介する。
受講対象者: 4年次,大学院生
講師: 細谷将彦 (琉球大学 名誉教授)
日程: 5/11(火)- 6/1(火) (火4限目)
教室: 複201室
講演:
固体の相転移を対称性の自発的な破れとみなすLandau現象論は広範な物質の相転移を包括的に説明する。 Landau理論に使われる対称性は通常の直交変換であるが、これを結晶格子のアフィン変換にまで拡張することにより、任意の点群や空間群の間の群・部分群関係が既約表現によって具体的に求まるようになり、物性物理学のさまざまな問題への応用が広がってくる。
受講対象者: 3,4年次および大学院生
日程: 8/10(月)-8/13(木) 時間割は物理事務室掲示板で確認すること
講師: 熊本大学理学部教授 吉朝 郎
講演:
地球下部マントルの高い電気伝導度・断熱性やダイナミックな活動を説明するために多くの研究が行われている。ペロブスカイト型や岩塩型化合物では高温域で急激な伝導度の上昇が知られ、相転移などと関連付けた議論がなされている。高温高圧下での結晶合成、その場観察実験、局所構造分析、結晶構造解析、高圧下での物性測定等、最新の成果を基にアナログ物質を含めた共通の超イオン伝導特性や物理的性質を比較議論し、高い電気伝導度を有する下部マントルの伝導機構と温度構造の解釈、地球のダイナミックな活動を考える。
受講対象者: 4年次および大学院生
日程: 6/25(水)-6/30(火) 時間割は物理事務室掲示板で確認すること
講師: 名古屋大学大学院理学研究科教授 佐藤 憲昭
講演:
近年、 やにおいて見られる強磁性と超伝導の共存・競合は、マイスナー効果と強磁性を如何に両立させるかなど、基本的な問題を内在し、多くの研究者の興味を引き付けている。講演では、これら磁性超伝導体研究の現状を紹介する。
受講対象者: 3,4年次および大学院生
日程: 11/10(月)-11/13(金) 時間割は物理事務室掲示板で確認すること
講師: 徳島大学大学院ソシオテクノサイエンス研究科先進物質材料部門量子物質科学・大野隆教授
講演: 「高温超伝導におけるアイソトープ実験」