物理シミュレーションによる視覚化を用いたインタラクティブな授業展開 †
琉球大学物理系では、物理学の授業の一部にandroidタブレットを使ったシミュレーションを取り入れます。
androidタブレットは、タッチパネルを使ったインターフェイスを持っています。この「触って動かす」機能をうまく使うことで物理現象のイメージを理解する助けになると思われます。
目次 †
授業記録 †
2011年11月、15台(+教員用1台)を授業時間内に学生に貸与して(だいたい、学生3人に1台の割合)授業を展開しています。
- 2011.11.15 力学の授業にて「落体の運動のシミュレーション」を使いました。
- 2011.11.21 電磁気学IIの講義にて、「ビオ・サバールの法則」(円電流)を使いました。
- 2011.11.28 相対論の講義にて、「マイケルソン・モーレーの実験」を使いました。
- 2011.11.29 力学の授業にて「振動のシミュレーション」を使いました。
- 2011.12.5 電磁気学IIの講義にて「ベクトルポテンシャル」を使いました。
- 2011.12.5 相対論の講義にて「電車の思考実験」を使いました。
- 2011.12.12 相対論の講義にて「電車の思考実験」を使いました。
最近の更新 †
- 2011.12.6 「電場と電位:3D版」をアップしました。
- 2011.12.6 ビオ・サバールの法則(円電流)とベクトルポテンシャルに「画面初期化」ボタンをつけました。
- 2011.12.8 3D画面を動かす時にバグがあったので取りました。また、2本指でタッチして「ひねる」ことでも画像が回転できるようになりました。影響を受けるのは「ビオ・サバール」「電場3D版」「ベクトルポテンシャル」の3つです。今後作る3D画面つきのプログラムもこのような仕様になるでしょう。
- 2011.12.12 電場3Dのグラフに罫線にあたる線を入れました。
力学編 †
落体の運動のシミュレーション †
落体の運動の速度・加速度などを表示します。物体は指で「持って投げる」ことができ、速度や加速度を実感して学べます。
- androidタブレットの加速度センサーにも対応していて、タブレットを傾けることで物体が「下に落ちる」ということも起こせます。
- 機種によっては、gセンサの方向が90度ずれることがあります。その時は「角度修正」のボタンを押して正しい角度になるようにしてください。
- 2011.11.5 力の作用点に●をつけました。
- 2011.11.15 ドラッグしている時の表現を変えました。他、バグ取りしました。
- 2011.11.21 gセンサの角度修正を、ボタンからメニューに引越しました。そして、最初にgセンサをONにした時に警告を出すようにしました。
- 2011.11.28 「中断」した後の運動が変になるバグを取りました。
- 2011.11.30 gセンサに関するダイアログは、5秒で自動的に消えるようにしました。
apkファイルは右のアイコンからダウンロードできます。→
振動のシミュレーション †
- ばねの弾性力と、速度に比例する空気抵抗が働いた場合の運動のシミュレーションです。
- ばね定数と抵抗力の強さは上にあるスライダで調整できます。
- 最初の位置と初速度は、物体をドラッグすることで変化させることができます。指を離すとその時の位置と速度を初期値として運動が続きます。
- 右にあるグラフは横軸を時間として、今後の運動を示しています。
- スライダによる調整では、初期値は変わりません。ばね定数や空気抵抗が変わることで、初期値が同じでも違う運動になることを確かめてください。
- ボタン「t=0」を押すと、時間の最初に戻ってアニメーションが始まります。
- 運動方程式(二階微分方程式)の解なので、独立な解は二つあります。真ん中あたりにある「解1/2」とあるボタンを押すと、運動を二つの独立な解に分解して、薄い赤と薄い青で示します。
apkファイルは右のアイコンからダウンロードできます。→
惑星の運動のシミュレーション †
赤い●が太陽、緑の●が惑星です。惑星に働く力、速度、加速度、面積速度を表示します。太陽は動きません。
- こちらはgセンサには対応していません。
- 指で動かすことができます。速度を与えすぎると宇宙の彼方まで飛んでいく(双曲線運動)ので気をつけてください。
- 「円運動開始」ボタンを押すと、適当なところで円運動を始めます。宇宙の先まで飛んでいってしまった時に使って下さい。
- 「ブレーキ」を押すと速さが1割減ります。どのように軌道が変わるかを確認してください。
- 2011.11.5 力の作用点に●をつけました。
- 2011.11.15 ドラッグしている時の表現を変えました。他、バグ取りしました。
- 2011.11.28 「中断」した後の運動が変になるバグを取りました。
apkファイルはここからダウンロードできます。
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2体のケプラー運動 †
今度は二つの物体両方が動きます。他はほぼ上のと同じです。
- 重心を表示するボタンがついてます。
- マルチタッチで二つの物体を2本の指で操作することができます。ぶつけたり、スレスレですれ違わせたりできます。
- 2011.11.10 ちょっとバグ取り。
- 2011.11.15 ドラッグしている時の表現を変えました。他、バグ取りしました。
- 2011.11.16「重心速度を表示する」スイッチと、 「重心を止める」ボタンをつけました。
- 2011.11.28 「中断」した後の運動が変になるバグを取りました。
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電磁気編 †
電気力線と等電位線を描く †
二つの電荷が作る電気力線と等電位線を描きます。
- マルチタッチに対応しているので、2本の指で2つの電荷を同時に動かせます。
- 等電位線を書くのに時間がかかるので、ドラッグ中は描かせないようにしています。
- 電気量は、右の方にある←→のボタンで調整できます。
- クーロン力は(力)のボタンを押すことで描くか描かないかがトグルします。
- 電荷1による電場、電荷2による電場、合成電場をそれぞれ(E1)(E2)(合成E)のボタンで描くかどうかを決められます。
- 合成電場は、強さも(矢印の長さで)表現するかしないかを変えることができます。(大きさも)となっている時は大きさも表現され、(向きのみ)となっている時は向きだけが表示されます。
- 2011.11.5 力の作用点に●をつけました。
- 2011.11.5 アイコンつけました。
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電場・電位の3Dバージョン †
- 2011.12.8 3D画面を動かす時にバグがあったので取りました。また、2本指でタッチして「ひねる」ことでも画像が回転できるようになりました。
- 2011.12.12 立体画面に罫線にあたる線を引きました。 あと、平行移動をより大きめに動くように直してあります。
- 2011.12.12 立体画面に等レベル面を(面で)表示するモードをつけました。メニューで設定してください。ただし、機種によっては半透明機能がうまく働かないようです。
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ビオ・サバールの法則(円電流) †
円電流に対するビオ・サバールの法則による線積分の様子を3Dアニメーションで示したものです。
じっくりいじって観察して「ビオ・サバールの法則による線積分とはどういうものなのか」を実感してください。
- 上にあるスライダで磁場を観測する点のz座標とx座標を変えられます。
- 右にあるのは磁場の各成分のグラフで、線積分することでどのような大きさになるかを左にある「>」で示しています。
- 4つのボタンで、「積分結果の全磁場」「磁場のx成分」「y成分」「z成分」をそれぞれ表示したり止めたりできます。
- 左の図の画面を指で触ることで、3Dの回転、平行移動、拡大縮小ができます。
- 図の中央付近を指で触ってずらすことで、平行移動ができます。平行移動のモードの時は位置ベクトルの白い矢印が赤くなります。
- 図の中央付近以外を触ってずらすことで、図が回転します。
- 図に2本指をつけて開いたり閉じたりすることで拡大・縮小ができます。
- まだ少しバグが残ってます。おおらかに使ってください。
- 2011.11.21回転がおかしかったバグは取りました。
- 2011.11.302本指をずらすことで図の並進ができるようになりました。
- 2011.12.4立体を回転させたり並進させたりするアルゴリズムをもっと直観的に正しいものに変えました。
- 2011.12.8 3D画面を動かす時にバグがあったので取りました。また、2本指でタッチして「ひねる」ことでも画像が回転できるようになりました。
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ベクトルポテンシャル †
いろいろな電流(白い矢印)の作るベクトルポテンシャル(緑の矢印)と、ベクトルポテンシャルのrot(紫の矢印)、その結果である磁場(水色の矢印)を立体的に描きます。
- 上にあるボタンは、「ベクトルポテンシャルを描く(A)」と「ベクトルポテンシャル(rot A)のx成分、y成分、z成分を描く」「磁場を描く」をそれぞれ決められる。
- 1本指で回転または平行移動(真ん中あたりをドラッグすると平行移動)できます。
- 2本指で平行移動または縮小拡大ができます。
- メニューで「電流1本」「平行な2本の電流」「逆行する2本の電流」「円電流」を選べます。
- 2011.12.8 3D画面を動かす時にバグがあったので取りました。また、2本指でタッチして「ひねる」ことでも画像が回転できるようになりました。
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相対論編 †
マイケルソン・モーリーの実験 †
特殊相対論の構築において重要であったマイケルソンとモーレーの実験を模式的に再現したプログラムです。
- L字型の実験装置を往復する光が同時に元の位置に戻ってくるかどうかの実験です。地球が動いている場合、普通に(前相対論的に)考えれば同時には戻ってきません。
- 同時に戻ってくるようにするための仮説として「ローレンツ短縮」があります。「ローレンツ短縮」のボタンをオンにすると、同時に戻ってくるようになります。
- 「地球静止系」のボタンをオンにすると、地球に固定された視点で見ることができます。
- 実際の実験は光の干渉を使っています。「光点連続」のモードにすると赤と青の球が交互に出ますが、これが波の山と谷だと思ってください。ローレンツ短縮がないと、位相にずれが生じます。
- 2011.11.28 「中断」した後の運動が変になるバグを取りました。
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特殊相対論の「電車の思考実験」 †
特殊相対論で有名な「電車の思考実験」のアニメーションです。
- 上の方に走る電車(速度はスライダーで変えられます)が出て、下にx-ctのグラフが出ます。
- 【同時刻の相対性】をオフにすると、二つの光の出るタイミングが立場によって変化しません(静止系の同時が電車内の同時と同じになる、つまり相対論的には正しくない状態)。そうすると物理的にどういうおかしいことがおこっているかを確認してください。
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android(バージョン2.1以上)の走る携帯電話やタブレットPCなどがあれば、apkファイルをダウンロードしてインストールすることでここにあるシミュレーションを使えます。↑の「ここからダウンロードできます」の「ここ」をクリックしてダウンロードしてください。
ダウンロードしたファイルがどこに入るかは機種によって違いますので、探してクリックしてインストールしてください。
「提供元不明のアプリ(サードパーティアプリケーションのインストールを許可する)」という設定になっていないとインストールできないことがあります。その時は、設定>アプリケーション>提供元不明のアプリ」を許可してください。
パソコンをお使いの方 †
ここにあるプログラムと同様のプログラム(javaアプレット)を
などに置いてありますので、androidをお持ちでない方は試してみてください。
バグ報告・御要望など †
以下の掲示板にどうぞ。