
小林研究室は2017年04月01日に琉球大学理学部物質地球科学科物理系に発足した実験系研究室です. 本研究室では無機化合物の合成及びそれらの物性測定から,未知の物性とその背後にある普遍的メカニズムについて探索することを目的としています.
この世に存在する物質はほぼ全て,陽子と中性子と電子という極めてシンプルな基本粒子によって構成されていますが,今日の材料科学の発展を見ると,物の性質(物性)は無限ではないかと思うような多様性を持っています. 先人たちの絶え間ない努力からこの多様性の起源は,物質を構成している元素の種類(電子数)とその幾何学的配置(結晶構造)であることが今では解明されています. それでは我々はどれぐらいそれらを明らかにすることが出来たのでしょうか? 世界最大の無機結晶構造データベースに登録されているデータ数は約5万件ですが,たった3つの元素の組み合わせを考えただけで考慮すべき結晶構造の種類は800万を超えます. これは,まだ人類が知らない不思議な物性が数多く存在し,同時に,それらの物性を説明することができる普遍的メカニズムが存在している可能性を強く示しています. 本研究室ではそのような物性や普遍的メカニズムについて,1つ1つ明らかにしていきたいと考えています.