波の透過/反射(群速度を見る)

 下のプログラムがうまく動かない、という人はSUNのjavaの広場のページに いってjavaをダウンロードしてインストールしてみてください。

 初期状態ではポテンシャルの差がゼロになっているので、反射が起きていない。スライドバーを左に動かすとV_0<0の場合 (階段を下りる場合)に、右に動かすとV_0>0の場合(壁を登る場合)になる。壁を高くしすぎると波が透過できなくなる。

 ここでは、少しだけ波数(運動量)の違う二つの平面波を重ねている。それゆえ、波にこぶのようなふくらみができている。このこぶ一つをエネルギー の塊と考えれば、その塊の動く速度が群速度である。ずっと眺めていると、壁の左から塊一つが入射すると、ちょうど塊一つが透過していくのが見て取れる。V_0<0 の状態にしているとわかりやすい。この場合、塊の長さは右側の方が長い。一つの塊が通過する時間は同じだから、右側の方が「塊の進む速度(すなわち群速 度)」が速いということになる。この時、一個一個の小さい波の速度(すなわち位相速度)はむしろ右側の方が遅い。V_0>0の状態 では塊が見えにくいのでわかりにくいが、注意深く見れば逆の現象が起きていること、つまり塊のサイズが小さくなっていることと、小さな波の山の速度はむし ろ速いことがわかるはずである(位置エネルギーを高くしすぎると、透過が起こらなくなって妙な形になるので注意)。

 なお、このプログラムの理論的背景については「量子力学」講義録第7回を参照のこと。

 ソースコード(touka2.java)。その下請けクラスのソースコード(AnimeApplet.java)