[問い5-1]
マイケルソン・モーレーの実験で、二つの腕の長さを変えたとしよう(東西はL、南北はL′)。
この時はエーテル風が吹いていない状態でも時間差がある。エーテル理論の立場に立ち(つまりガリレイ変換を用いて、光速は変化するという立場にたって)
エーテル風が吹いていない場合の時間差と、エーテル風が吹いている場合の時間差を計算し、ローレンツ短縮が起こったとしても、この二つが違う値を持つこと
を確認せよ。
(註:このような実験は1932年にケネディとソーンダイクによって行われている。「エーテル風の分だけ光速が変化して
いるがローレンツ短縮が起こっているのでマイケルソン・モーレーの実験ではそれがわからない」という仮説が正しいなら、この時間差は測定できるはずである
が、できなかった。ということは、ローレンツ短縮だけでは実験結果を説明することはできないのである。この実験も含めてちゃんと説明できるのは次で説明す
るローレンツ変換である。)
↑この問題は宿題
[問い5-2]
ローレンツ短縮という現象が起きているとすると、確かに二つの光はエーテル風が吹いていても吹いていなくても、同時に到着する。しかし、この立場で考えると、ある二つの事象が、エーテル風がない時には同時であるのに、吹いている時には同時に起こらない。それは何か???
この問題はjavaのアニメーションを見ながら考えた。同時でないのは
「光が反射する」時間。南北方向の反射の方が東西方向の反射より先に起こる。これは観測者によって同時刻のものが同時刻ではなくなる、ということであり、
t=t'と考えるガリレイ変換ではもはや解釈できない。そこでローレンツ変換の出番となるわけである。
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