相対性原理(絶対空間は存在しないということ)を一つの原理として考えてきた。そして、電磁気の基本法則であるマックスウェル方程式が相対性原理を満た していないように見える(ガリレイ変換で不変でない)ことから、マックスウェル方程式を破棄するか、ガリレイ変換を破棄するかの二者択一を迫られることに なった。マイケルソン・モーレーをはじめとする実験事実から、破棄されるべきなのはガリレイ変換であり、ローレンツ変換へと修正すべきであることがわかっ た。また、時間と空間を別物と考えるのではなく、合わせて4次元の時空を考えて、その4次元を混ぜ合わせるような変換としてローレンツ変換を捉えればよい ことがわかった。 そこでもう一度元にもどって考えると、そもそも相対性原理が考えられたのは、ニュートン力学はガリレイ変換で不変であったからである。しかし電磁気に対 する考察からガリレイ変換はローレンツ変換へと修正されたのだから、今度はニュートン力学をローレンツ変換で不変になるように作り直さなくてはいけない。 この章で考えるのはローレンツ変換で不変になるように作り直された新しい力学、すなわち相対論的力学である。 そこで、どのようにして相対論的力学を作るか、その概要を述べる。ニュートン力学の基本である運動方程式は
ガリレイ変換 ローレンツ変換 実験的検証 ニュートン力学(非相対論的) ○ × 19世紀まで○ ヘルツの方程式(非相対論的) ○ × × マックスウェル方程式(相対論的) × ○ ○ 相対論的力学? × ○ ○
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