琉球大学 理学部 物質地球科学科 物理系

NMR物性研究室

CeOs4Sb12のNMRによる研究 - 緩和時間T1測定 -

充填スクッテルダイト化合物CeOs4Sb12は近藤半導体的な電気伝導を示す物質であり,約1K以下で反強磁性転移を示します。 この物質についてSb-NMRを行い,様々な磁場下での緩和時間T1の測定を行いました。 その結果,1/T1Tは特徴的な磁場依存性を示すことがわかりました。この結果はこの物質の電子状態が単純ではないことを示しています(左図)。 急激に1/T1Tが減少する温度を磁場に対してプロットすることにより特徴的なH-T相図が得られました。 また,1T以上の高磁場相は多極子の自由度に関連した状態であると推測しています。 さらなる研究が必要であり,現在進行中です。

参考文献
M. Yogi, et al. : J. Phys. Soc. Jpn., 78 (2009) 053703.