NMR/NQR スペクトルシミュレーション
(注意)
・シミュレーションプログラムを動かすためにはCDF player(無料です)をインストールする必要があります。
・詳しい原理については説明していません。
NMRスペクトル
NMRは外部磁場と核スピンの間に働くゼーマン相互作用を利用した共鳴現象であり、その共鳴周波数は
$\nu_{0} = \gamma H_{0}$ ($\gamma$:核磁気回転比、$H_{0}$:外部磁場)
となります。ここで、電子間相互作用などによる共鳴線のシフトは考えません。外部磁場と共鳴周波数は比例関係にあり、その様子を以下のパレットでシミュレーションを行うことができます。
NQRスペクトル
NQRは原子核周りの電場勾配($V_{zz}$)と核四重極モーメント($eQ$)の間の相互作用を利用した共鳴現象であり、その共鳴周波数はNMRと比べてやや難しくなります。$Q=0$となる$I=1/2$の場合観測されません。パラメータとして核四重極周波数$\nu_Q$と非対称パラメータ$\eta$を用いてシミュレーションすることができます。
$\nu_{Q}=\dfrac{3eQV_{zz}}{2hI(2I-1)}$ ($eQ$:核四重極モーメント、$V_{zz}$:電場勾配)
$\eta = \dfrac{V_{xx}-V_{yy}}{V_{zz}}$ (電場勾配の軸対称性からのずれを示す)
ゼーマン相互作用と核四重極相互作用の両方ある場合のスペクトル
ゼーマン相互作用と核四重極相互作用の両方が有る場合、スペクトルは複雑になります。外部磁場($H_{0}$)と電場勾配の主軸($V_{zz}$)が平行である場合のシミュレーションを以下で行うことができます。