次元 | MKSA単位系での数値 | |
陽子の質量M | [M] | 1.7×10−27kg |
電子の質量m | [M] | 9.1×10−31kg |
素電荷e | [Q] | 1.6×10−19C |
クーロンの法則の比例定数k | [ML3 T−2Q−2] | 9.0×109F−1m |
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(4.1) |
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(4.2) |
「原子の内部のようなミクロな領域では、マックスウェルの電磁理論やニュートン力学が成立しないのではないか?」という考えが浮かぶ。実際、マックスウェルの電磁気学が成立しなくなることがあることは、プランクたちが光の粒子性という形で示している。 そこで、プランクが「光のエネルギーの変化はhνの整数倍である」としたように、hを含む条件をつけることでこの状況が回避できるのではないかと考えられ る。ありがたいことにhの次元は[ML2T−1]であり、上の量と組み合わせることで次元が[L]になる量 を作れそうである2。 では、次元解析から電子の半径がどう予想できるかをしめそう。上に書いたように、次元[T]を消去せねばならない。kに[T−2]、 hに[T−1]が入っていることから、[(h2)/k]という組み合わせが必要である。この組み合わせだ と、次元は[MLQ2]であるから、[MQ2]を消すためにM,m,eを使う。原子の半径に関係あるのは原 子核と電子の相対運動であるから、相対運動を記述する時に出てくる質量である換算質量μ = [Mm/(M+m)]を使って次元[M]を消すのが妥当だろう(ただし、この場合の換算質量は電子の質量とそう大きくは違わない。換算質量の意味について は、問い4.1を参照せよ)。 以上から、原子半径(電子の円運動の半径)rは(無次元定数)×[(h2)/(kμe2)]という形にな ると考えられる。具体的な数字をいれてみると、この値は
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(4.3) |
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(4.4) |
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(4.5) |
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(4.6) |
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(4.7) |
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(4.8) |
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(4.18) |
hν = ε | ( | 1
(n1)2 |
− | 1
(n2)2 |
) |