| 教官名 | 教官研究室 | 備考(実験室など) |
| 理A301 | 理A109, 理A110 |
物性物理学(実験)
1.スピン-フェルミ液体相境界
2.空間反転対称性の破れた物質
3.ハイエントロピー磁性合金
4.量子ビーム照射ダメージ
5.文化財塗料の超長期時間変化
6.日本刀の分析評価手法開発
上記の「現在の研究テーマ」の中から希望に応じて選択してもらいます
持ち込みテーマについても検討します!
テーマに応じて決定
多重自由度相関研究室(MFCL)は2017年04月01日に琉球大学理学部物質地球科学科物理系に発足した実験系研究室です.本研究室では原子炉や加速器から得られる量子ビームを用い「無機物質」と「文化財」という一見全く異なる対象に対し,統一的な物理学的視点から研究を行っています.本研究室では,物理学を「外場に対する系の応答を記述し,その背後にある普遍的法則を明らかにする学問」と捉えています.ここでいう「外場」とは,温度,磁場,圧力のように実験的に制御可能な条件だけでなく,エネルギー収支や時間経過といった,系を規定する本質的な境界条件をも含みます.すなわち物理学とは,適切な「自由度」と「外場」を選択することで,複雑な自然現象を理解可能な形へと還元する学問であると考えています.この考え方は,対象やスケールの違いを超えて共通に適用することができます.例えば素粒子物理学では,加速器によって粒子に高エネルギーという境界条件を与えた際の応答から自然界の基本法則を導きます.宇宙物理学では,時空の膨張や重力場という外場のもとで,物質や構造がどのように形成・進化してきたかという応答を通して宇宙を理解します.また複雑系物理学では,多数の自由度を持つ系に熱や相互作用,ノイズといった外場を与えたときに現れる集団的な振る舞い(相関)を対象とし,そこに潜む普遍的法則を探求します.この立場に立つと,本研究室で扱う無機物質と文化財も,本質的には同一の枠組みで理解することができます.特に本研究室では,「時間」や「風化」を,長期にわたって作用する一種の外場として捉えています.文化財とは,長い時間スケールの外場のもとで,微視的な量子自由度(スピン・電荷・軌道)から,メゾ・マクロスケールの自由度(結晶構造・微細組織・非均質性)に至るまでの「多重な自由度」が階層を超えて相関し,非平衡な変化を遂げてきた記録です.これは言い換えれば,「自然が膨大な時間をかけて行った実験の結果」に他なりません.我々は,この時間軸上の変化を「時間軸上の物性物理学」と定義しています.対象が歴史的な遺物であっても,我々が行っているのは,時間という外場に対する多重自由度の応答を調べ,その背後にある普遍的法則を明らかにする物理学です.文化財の成り立ちや劣化機構の解明,さらには保存条件の最適化は,この物理的理解を応用した結果として自然に導き出されるものです.本研究室では,現代の無機材料から歴史的材料までを一つの連続した対象として捉えます.量子ビームを用いた精密計測により,異なるスケールや分野に見える現象を「外場と応答」という統一的な枠組みで結びつけ,多重自由度が織りなす多様な物理現象の本質に迫る研究を推進しています.
やる気のある人は誰でも大歓迎ですが,研究に集中するためにもなるべく卒研以外の単位は取得しておきましょう.