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(9.1) |
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(9.2) |
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[∂/∂x]だと考えることができた。関数eikxは
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(9.3) |
kであるような運動量の固有関数である。
一般の波動関数は
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(9.4) |
kを持つ確率振幅」と考えることができる。つまり、この状態の運動量を観測すれば、
kから
(k+dk)
までの間の値が得られる確率が|ψ(k)|2
dkである。
波動関数をある物理量を表す演算子(今の例の場合は−i
[∂/∂x])
の固有関数(今の例の場合はeikx)で展開した時の展開係数の絶対値の自乗は、その物理量を観測した時にその値が得られる確率に
比例する。この考え方を量子力学の確率解釈と言う。この解釈が妥当かどうかは実験でチェックされるべきであるが、今のところはこの解釈を破棄しなくてはい
けないような実験結果はない。
確率解釈で考えるならば、たとえば最初ψ = F1 eik1 x+F2
eik2 x+F3 eik3xとい
う規格化された波動関数があったとして、運動量を精密に観測すれば、
k1が
測定され、結果として波動関数は
ψ = eik1 xへと変化(収縮する)。
k2が
測定され、結果として波動関数は
ψ = eik2 xへと変化(収縮する)。
k3が
測定され、結果として波動関数は
ψ = eik3 xへと変化(収縮する)。
k3が
測定されたらeik3 x以外が消えてしまうというのは、波動関数が直交しているからですか?
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(9.5) |
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(9.6) |
[∂/∂t]
あるいはハミルトニアンHをψ*とψの間にはさむことで計算できる(シュレーディンガー方程式があるので、どちらであっても結果は
同じ)。
たとえば今ある波動関数を
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(9.7) |
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(9.8) |
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(9.9) |
ωi)。
この形の式は「定常状態のシュレーディンガー方程式」と呼ばれる。これの解は、エネルギーが固有値Eで確定している状態を表す。なぜe−iωtの
ような振動している解なのに、「定常状態」と呼ぶかというと、波動関数がψ(x,t)=φi(x)e−iωi
tという形をしていると、確率密度ψ*ψや、間に(tの微分を含まないような)演算子Aをはさんだψ*
Aψなどの式の中には時間依存性が入らない(eiωit×e−iωi tと
なって消し合う)からである。
我々は波動関数そのものは観測できない。観測して実験と比較することができるのは∫ψ*
Aψdxのようにして計算される期待値だけである。よって、たとえ波動関数がψ(x,t)=φ(x)e−iωtのように時間的に変
化していても、ψ*
Aψと組み合わせた時にこの時間が消えてしまうのであれば、それは時間変化していないのと同じことである。それゆえ、波動関数がφ(x)e−iωtと
いう形で書ける時は「定常状態」なのである。つまり、量子力学においては「定常状態」は「エネルギーの固有状態」と同じ意味になる。
ψ(x,t) = φ1(x) e−iω1 t+φ2(x)
e−iω2 t+φ3(x) e−iω3 t+…
と書けている場合はもちろん定常状態ではない。この式の各項がいろんな振動数で振動するので、ψ*
Aψと計算しても時間が消えずに残る。もちろん、我々が普段見る古典力学的な物理現象(つまりほとんどの物理現象)は「定常状態」ではない。
このようにして展開した波動関数の各成分は
ωiずつのエネルギーを持っている(そしてそれは演算
子であるハミルトニアンHの固有値でもある)
。このようなエネルギー固有値の違う波動関数の重ね合わせに対して、運動量固有値の違う波動関数の重ね合わせの場合と同様の計算ができる。
運動量の場合、波動関数を
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(9.10) |
kずつの運動量(演算子−i
[∂/∂x]の固有値でもある)
を持っていて、それぞれの成分の前についている係数ψ
(k)の絶対値の自乗が、運動量が
kになる確率となる。そして波動関数ψ*とψの間に
−i
[∂/∂x]をはさんで積分することで期待値を計算できた。
エネルギーの場合も同じように、波動関数の間にエネルギーの演算子をはさんで積分する。すなわち
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(9.11) |
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(9.12) |
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ωiに、
エネルギーがその値を取る確率∫ψ*i
ψi dxをかけ、全ての場合で足し算されている。すなわちエネルギーの期待値を計算したものになっている。ここでも、i
[∂/∂t]
なりHなりをψ*とψの間にはさむことでエネルギーの
期待値が得られた。
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[∂/∂x]
2/2m][(∂2)/(∂x2)]+V(x)
−i![]() |
∂
∂x |
eikx= k eikx |
−i![]() |
∂
∂x |
ekx= -i k ekx |