,L,mのみのはずである。Lは文字通り[L]の次元を、mも[M]の次元を
持つ。
は時間で割る(振動数をかける)とエネルギー[ML2T−2]
になるのだから、[ML2T−1]という次元を持っている。この3つの量からエネルギーの次元を持った量を
作ろうとすると、[T]を含むのは
のみだから、
2[M2L4T−2]
に比例させなくてはいけない。後Lとmを適当にかけることで次元あわせをすると、[(
2)/(mL2)]
でエネルギーの次元となる。実際に計算した結果はこれの数倍程度の量になるだろう。
この結果は不確定性関係を用いた考察からも出てくる。長さLの箱に閉じ込められているということは、位置の不確定性は最大でも∆x=Lである。一方∆x
∆p > hであるから、運動量は∆p=h/L程度の不確定性を持たなくてはいけない。この場合、エ
ネルギーも[(p2)/2m] = [(h2)/(2mL2)]
程度を持っているはずである。
|
|
(5.1) |
|
(5.2) |
|
(5.3) |
|
(5.4) |
|
(5.5) |
]となる。
これから、境界条件を考慮しなければ、k=[√[2mE]/
]と置いて、
|
(5.6) |
|
(5.7) |
|
(5.8) |
|
(5.9) |
]だったということもあるし、sinは奇関数なので、nの時の-nの時は本質的に同じ
関数になり、両方考える必要はない。
|
(5.10) |
|
(5.11) |
2)/(2mL2)]
というエネルギーを持つことになる。エネルギーが任意の値を取れず、何か整数nを使って表せるようなとびとびの値を取る(量子化される)ことは量子力学で
よく現れる現象であるが、これは束縛状態(粒子が空間の一部に集中して存在している状態)の特徴である1。
規格化条件∫φ* φdx=1を満たすようにAを決めよう。
|
(5.12) |
この式の積分はsin2θ =
[1−cos2θ/2]を使って積分することもできるが、グラフを思い浮かべれば右のようになり、「山と谷が消し合う」ということを考えればちょうど底辺
L、高さ1/2の長方形の面積になることがわかって、答えはL/2に
なる。これから、
|
(5.14) |
こうしてn=1に始まってn=∞まで続く、無限個の波動関数が得られた。各々は違う大きさのエネルギー固有値を持つ固有関数になっている。したがって、状
態をエネルギーの固有値で分類した、と考えることができる。
今求めたエネルギー固有状態では、粒子の存在確率(φn*φn)は時間によらない。
つまり、粒子は動いていない。それはあたりまえで、エネルギーの固有状態であるということはψ(x,t)=φ(x)e−iωtとい
う形で時間依存性e−iωtが空間依存性φ(x)と分離してしまっている。だから、ψ*(x,t)
ψ(x,t)=φ*(x)φ(x)となって、時間がたったときに確率分布が変化しなくなっている。
それでは、古典力学における`運動'はどこへ行ってしまったのか。これが気になる人のために、エネルギー固有状態でない状態ではどうなる
のかを考えよう。一番簡単な例として、以上で求めた波動関数のうち、もっともエネルギーの低いものから二つ(φ1=√{[2/L]}
sin([πx/L])と、φ2=√{[2/L]}sin([2πx/L]))を考えよう。
|
(5.15) |
|
]E1t +C2φ2
e−[i/
]E2t+C3φ3
e−[i/
]E3t+C4φ4
e−[i/
]E4t+…