波動論2006年度講義録第1回

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第0章 「波動論」のあらすじ

 この講義では「波動」を扱う。波動とは、「振動が空間を、時間的に遅れながら伝播していく現象」である。この章では波動論という講義の中でどんなことを 扱っていくかの「あらすじ」を述べつつ、波動論を勉強することでどんな物理がわかるようになるのか、それを紹介しよう。あくまで「あらすじ」なので説明は かなりおおざっぱなものになっているが、詳しい説明は次章以降で行うので、ここでわからなくても心配しなくてよい。

0.1  波動-伝わる振動

 波動は、「振動が空間を、時間的に遅れながら伝播していく現象」である。ここで、伝わっていくのは「振動」であって、物質ではないことに注意しよう。た とえば身近な波動の例の「音」で説明しよう。音は空気の振動である。例えば声を出した時、人の声帯の振動によって空気が振動し、その空気の振動が伝わって 他の人の耳の鼓膜を振動させる。その振動を感知して人は音を聞く。けっして、ある人の口から出た空気が他の人の耳に飛び込むのではない。あくまで、「振動 している」という状態が伝わるのである。
 もっとも単純な1次元の波動(横波)を描いたものが右の図である。太い矢印は各点に働く力を、細い矢印は各点の物体の運動速度を表している。波は右方向 に進行している。ただし、波を構成する物質(「媒質」と呼ぶ)の振動は上下方向である。媒質は右には動いていないことに注意しよう。上の図 の媒質のうち、ある一点のみを取り出して見れば、上下にしか運動をしていない。ただ、その運動が場所によって少しずつ遅れながら振動しているため、振動が 進行しているように見えるのである。

 このグラフの動くアニメーションバージョンが、このページにあります。自 分で動くところを眺めてみてください。なお、アニメーションプログラムを動かすにはJavaをインストールする必要があります。ページの上の方にある指示 に従ってください。

 各点各点の媒質は、中心より上にある時には下向きに、中心より下にある時には上向きに力を受けている。つまり、つねに中心の位置に戻るようにするような 力が働いているわけである。この力を「元に戻す力」ということで「復元力」と呼ぶ。
 その性質から、復元力は中心位置に来ると0になる。ここでもし物体に止まってしまったならば、そこで振動は終わってしまう。そうならないためには、中心 にやってきた物体はそのままその勢いで通り抜けなくてはいけない。つまり、物体に「慣性」がなければ振動は続かない。実際の波は物質でない ものが媒質になっている場合もあるが、とにかく媒質になんらかの「勢い」を保存するシステムがないと、振動は続かない。
 もうひとつ、波が発生するために必要な条件は、ある場所の運動(変位)が隣に伝わることである。媒質がどんな運動をしてもその隣にそのことが伝わらない のであれば、振動はしても「波」にはならない。波には「伝播する」という性質が不可欠である。上の図の場合、媒質をつなぐ部分をゴムひもの ような張力のある糸だと考えると、この張力による引っ張りが復元力を作ると同時に隣の媒質へと振動を伝えていることがわかるであろう。
 以上をまとめると、

波動現象が発生する条件

  1. 運動になんらかの「慣性」があること。
  2. 物体の位置を「平衡点」に戻そうとする「復元力」が存在すること
  3. ある地点の変化がその隣の場所の変化の原因となること。つまり変化が「伝播」すること。

ということになる。後で説明するが、音・光・地震波・海の波など、すべて上の条件を満たしている。物理においてこれらの条件が満たされている場合は非常に 多い。
 真空中で一個の振り子が振動している場合、(1)と(2)は満たしているが、この振動を伝える手段がないので(3)が満たせていない。
 板などの片方を熱すると、熱が伝わって反対側も熱くなってくる。このような現象を熱伝導と言うが、この現象は波動が起こる条件のうち二つは満たしてい る。 というのは、
復元力
高温部分から低温部分へと熱が流れるので、温度は常に一定になろうとする。これは、温度勾配をなくそうとする作用なので、立派な復元力であ る。
伝播
熱が流れるということは、温度がまわりより高い場所(低い場所)はまわりの温度を上げる(下げる)ということ。つまり現象は伝播する。
である。以上から(2)と(3)は満たしているが(1)を満たしていない。つまり、今温度が下がっていたとしても、まわりの温度と同じになればそこで温度 変化は止まってしまう。よって熱伝導は波動にならない。

0.2  いろいろな波動現象

 水面にできる波はもちろん、前節であげた3つの条件を満たしている結果起こる。水面に高い部分ができると、その高い部分は回り同様低くなろうとする1。この復元力によって高い場所が低くな るということは、当然ながら回りに水が移動することであって、結果として回りの水位が高くなる2。こうして伝播していくのが水面の波である。
 音は空気の振動である。具体的には、空気の圧縮と膨張による振動である。たとえば音叉を叩いたとしよう。音叉の棒が振動すると、その振動によって空気が 圧縮されたり膨張されたりする。圧縮された空気は高圧になり、回りを押す。逆に膨張すると定圧になり、むしろ回りの空気から押されることになる。この膨張 および圧縮と、そこから元に戻ろうとする作用が復元力として作用する。また、圧縮した空気が回りを押した結果として、今度は回りが圧縮されることになる。 これが音の伝播の原因である。空気は窒素分子や酸素分子という、質量を持った粒子の集合であるから、当然慣性を持つ。ゆえに、音の振動は遠くへ伝わる波と なる。
 人間に聞こえる音の振動数は20Hzから20000Hzと言われている。Hzというのはへルツと読み、1秒に何回振動するかを表す3。音の振動数の違いは「音の高さ」とし て認識される。音楽では、ピアノの鍵盤の真ん中あたりにある「ラ」(A4という記号で表す)の振動数が440Hzと決められている4。音の速度(音速)は常温ではだいたい 340m/s程度である。
 いっぽう、光は電磁場の振動である。

 この下の電磁波の発生メカニズムについては飛ばしました。

 このことは、電磁気の方程式を作り上げたMaxwellが気が付いた。Maxwell方程式によると、以下のような し くみで電磁波が発生することがわかる。
(1)ある場所に振動する電流または電束密度が発生する(たとえば電波のアンテナなら周期的に変動する電流を流している)。
(2)「電流」もしくは「電束密度の時間変化」は、周囲に渦をまくような磁場を伴う(rotH=j+[∂/∂t]D)。
(3)周囲の空間の磁場が時間変動には、さらにその周囲に渦をまくような電場を伴う(rotE=−[∂/∂t]B)。
以上がくりかえされることにより、空間の中を電場と磁場の振動が広がっていく。
 電磁場の場合には何が「復元力」および「慣性」になるのであろうか?
 電磁誘導の性質として「磁場の変化を妨げる向きに電流を流そうとするような電流が発生する」ということを聞いたことがあるであろう。同様に、「電場の変 化 を妨げるように磁場が発生する」という現象も起こる。これらはまさに「電場(磁場)を作らせまいとする」=「復元力」と「できた電場(磁場)を消すまいと する」=「慣性」なのである。この時、電磁誘導などによってできる電場や磁場は今考えている場所から離れたところにもできるため、電磁波も伝播していく。 Maxwellはその波動(電磁波)の伝播速度が光速と一致していることに気づき「光は電場と磁場の波である」と気づいた。
 なお、真空中の光の速度299792458m/sで、これは今や定義値である。 人間の眼に見える光の波長はだいたい4×10−7mから8×10−7mである。電場や磁場のできる方向と電 磁波の進む方向は垂直である。それゆえに、「光(電磁波)は横波である」と言われる(逆に縦波の電磁波はない!)。

0.3  波長の違いと性質の違い

 同じ波であるのに、音と光はだいぶ違う様相を示す。その違いは何から来るのだろう?-この謎の中に波動の持つ面白い性質が隠れているので、少しだけ説明 し ておこう(証明を含めた詳しい話は後でゆっくりやる)。
 一つにはもちろん、人間の感覚機能の違いである。たとえば光の振動数の違いは人間には「色」として認識される。一方、音にはそういうものはない。二つの 音 が混じった音は、ちゃんと「混じった音」として聞き取ることができる(光は、赤と緑が混ざると黄色に認識されてしまう!)。
 ちなみに、この3原色という人間の眼のメカニズムを使って、カラー写真を 作るのに世界で初めて成功したのは他ならぬMaxwell。

 人間は光がどの方向から来たかはちゃんと眼で判断できるが音についてはそれほどよい精度ではわからない。これらは眼と耳の構造の違いにもよるが、波長の 違 いという大きな物理的性質の違いによるところも大きい。音の波長は、普段しゃべっている声などでは数センチから数十センチである。つまり、10−1メー トル程度。これに対し、光の波長はだいたい10−7メートル。波長にして100万倍ほどの差があることになる。この波長の違いが大 きな差を生む。
 たとえば、光の場合、何か遮蔽物の後ろには届かない。一方、音は遮蔽物の後ろにも届く。波は障害物の後ろに回り込むという現象を起こすことがある。これ を 「回折」と呼ぶ。回折は、障害物が波長と同じくらいの大きさか、より小さい時、特によく起こると言われる。つまり、波長の長い波ほど回折し やすく、遠く遮蔽物の影にも届きやすい。ラジオの電波(波長数百メートル)はテレビの電波(波長数十センチ)よりも山岳部などによく届くが、それはこれが 理由である。
 この「波長が長い波はじゃまされにくい」という性質は「散乱」という現象にも現れる。これは障害物によって波が方向を変える(反射したり、少し曲がった 方向に進んだり)することであるが、波には「波長が障害物のサイズよりも長いと散乱されにくい」という性質がある。空が青いのは、波長が短い青の方が空気 による散乱が大きいからである。逆に夕焼けが赤いのは、赤い光は散乱されにくいので、夕日の太陽光が(昼に比べて)長い距離の大気中を走っても赤い成分が 散乱されずに残るからである。

 実は、空の青さは空気の分子のせいであるという話は、空気が分子でできて いる証拠として20世紀の最初の頃にアインシュタインなどが計算しています。もし空気が連続的だったら、散乱は起きません。

 空気が連続的ってどういうことですか??
 つまり、19世紀ぐらいまでの人間は、今のあなたたちと違って酸素や窒素が原子分子でできていると知らないので、空気も水も、すきまなくつまった物体だ と思っていたわけです。実はどっちも、分子の集まりで、分子と分子のあいだはスカスカの空間なわけですが。
 光が散乱するのは、空気が分子でできていて、ミクロな眼で見ると不連続になっているおかげです。

 ここで、「前にうちの学生さんに『空はどうして青いの?』と聞いたら『海 が映っているから』と答えた」という話をしたが笑いがなかった。もしかして今回の学生さんの中にもそう思ってた人がいた??

 夜でもすいすいと飛んでいるこうもりは、目で見るのではなく、超音波(通常の音よりも振動数が高く波長が短い音)を出して障害物を感知している。
 なぜコウモリは超音波を使うのだろう??-もちろん「他の鳥や動物に聞かれないように」という理由も大きいのだろうが、

 ここで「もし超音波使わなかったら『俺はコウモリだ!』って叫びながら飛 んでいるようなもんですね」と冗談を言ったら、授業が終わった後の感想に

コウモリが「俺はコウモリだ」と叫んでいるとは知らなかった。

と書いてあった。だから「もし超音波使わなかったら・・・ようなもんです ね」って話だってば。

 もう一つ波長が短いことが有利に 働くのである。まずすでに述べたように、短い波長の音の方がより散乱されやすく、跳ね返って来やすい。また、跳ね返ってきた音から「どこで音が跳ね返った のか?」を特定する時、「波長が短い方が分解能が高くなる(つまり、より精密に音の反射した位置がわかる)」ということがわかっている(これについても具 体的な理由はまた後で、しかし、量子力学を勉強すると、「波長が短い」ということは「運動量が大きい」ということであるとわかり、不確定性関係により、運 動量が大きいと位置の不確定性が小さくなるということもわかるだろう)。コウモリが使っている超音波は、波長が1センチ以下という短いもの5であり、この程度の波長だとちゃんと木 の枝の位置を知ることができる6
 なお、光は波長が10−7m程度と短いおかげで、充分高い分解能を持つ。それゆえ我々はくっきりと物を見ることができる。もし光 の波長が数センチだったら、いろんなものがぼやけて見えることだろう。実は光を使って物を見る時、光の波長より小さい物を見ることは難しい。光学顕微鏡を 使ってバイ菌(10−6m程度)を見ることはできるが、ウィルス(10−8m程度)を見ることができない7
 なお、波長の違いの他に、音と光の大きな違いは音は縦波だが光は横波であることである。日常生活ではその差はあまりわからないが「偏光」などという現象 があるのは、光が横波であるためである。

0.4  これから学ぶべきこと

 以上のように、波動という現象は物理のあちこちに、いろいろなサイズで現れる。眼が見えるのも耳が聞こえるのも波のおかげ、遙か彼方の放送局の電波が届 いてテレビを見たりラジオが聴けたりするのは電波のおかげであるし、地球内部の構造がわかる(時には北朝鮮の核実験がわかったりもする)のは地震波のおか げである。波がどのように伝播し、反射し屈折し回折し散乱するのか、そのような性質がわからないと、現代科学技術を理解することはできない。
 特に量子力学を理解するには波動は不可欠である。なぜなら量子力学では全ての(ほんとうにすべての!)物質がすべて波動関数と呼ばれる「波」で表現され るからである。
 この「あらすじ」では本講義の内容の一部についてざっと眺めてみた。来週からの講義では、波動の持つ一般的な性質についてより詳細に、かつ具体的に講義 していく。以下の順に進めていく予定である(あくまで予定なので、変更の可能性はある)。
単振動
ウォーミングアップとして、伝播しない振動の場合を考えておく。
連成振動
物体が2個、3個の場合の振動を考える。ここで「振動が伝わる」という現象が見えてくる。またここで「振動モード」という大事な概念を習う。
1次元波動方程式
1次元つまり一直線上を進む波について、方程式をたてながら考える。
1次元波動の進行
1次元の波の進む様子、反射の仕方、また位相速度と群速度などを習う。
2次元波動方程式
平面上の波を考える。
2次元波動の進行
屈折、回折などの現象を考える。
3次元波動方程式
立体的に波を考える。
 現代物理を理解するには波の理解は不可欠である。波がわからなければ、現代物理はわからない。量子力学、電磁気学への応用はもちろん、波動現象は物理を とらえるためにたいへん大事である。しっかり理解していこう。

Footnotes:

1ちなみに低くなろう とする理由には表面張力と重力、二つの原因がある。小さい波(風呂などの水面の波)では主に表面張力であり、大きい波(海でできる波)は主に重力である。
2ゆえに、厳密に言う とこの場合、媒質は進行方向にもそれと垂直な方向にも運動することになる
3電磁波の(実験的) 発見者である物理学者ヘルツの名前にちなむ。
4音楽でよく使われる 和音は「ド・ミ・ソ」だが、この場合、音の振動数の比が約4:5:6になっている。
5人間の耳に聞こえる のは振動数20ヘルツから20000ヘルツと言われる(個人差があり、年を取ると振動の高い音は聞こえなくなる)。音速を300m/sとすると、波長が 1.5メートルから1.5センチということになる。
 配ったテキストではミリになってましたが、間違いです。
6なお、コウモリは跳 ね返ってくる超音波のドップラー効果から「この障害物は動いているかどうか」を判定することまでできる。人間がレーダー・ソナーなどの電子機器を使って やっていることを生身で行っているのである。
7ウィルスを見るには 電子顕微鏡が必要であり、電子顕微鏡を持たない野口英世はついに黄熱病のウィルスを発見できなかった。


学生の感想・コメントから

 クーラーついてな くて暑かった(複数)。
 ごめんなさい。私この教室使うの初めてだったんで、クーラーの操作盤のあ りかがよくわかってませんでした。

 雑学やトリビアみたいな話があって面白かった(複数)。
 雑学の中にも物理はあるのです。あなたも覚えておいて、いつか人に 「へぇ〜」と言われるようになりましょう。

 波の振動で、媒質をつなぐゴムの役割をしているのは実際には何なんですか?
 波によります。音なら空気の圧力差を解消しようという作用。光なら電場と 磁場の相互作用。海の波なら重力。

 水面にできる波は、振動ではなくて水が移動しているんですか?
 少しは「移 動」の部分もありますが、大部分は振動です。というのは、水は波の方向にどんどん進むわけではなくて、ちゃんと戻ってくる水もあるんです。

 音叉のところで、なぜ圧縮と膨張が交互になっているのかがわからなかった。
 音叉の棒が左に動いたり右に動いたりを繰り返すので、その度に圧縮部分と 膨張部分ができ、それがどんどん外へと伝わっていくので、あんなふうに縞模様になります。

 月曜1限はきついなぁ(複数)。
 私もきついけどがんばります。私は給料分がんばるので、皆さんは授業料を 取り返す分、がんばってください。

 難しそう(多数)。
 まぁ何事も簡単ではありませんが、難しいからこそわかると面白くなるとい うこともあります。最初から敬遠せずに行きましょう。

 眼は光、耳は音と すると、鼻は何の振動を受けているのでしょう?? 臭い?
 実は臭いは波動ではありません。物質そのものを構成している分子の一部 が、物質から空気中に浸みだしたものが鼻に入ってます。つまり臭いはほんとうに物質がやってくるのです(一部ですが)。

 波長よりも小さいものは見えないということについてくわしく知りたいです。
 授業が進んで いけばわかってきます。お楽しみに。

 2種類の光が来ても識別できないが音ならできるというのは、人の体のしくみに よるものなのでしょうか?
 体のしくみか らくるのが半分。そもそも光というのは(物理的に)とらえることが難しいものであることが半分。たとえば振動数は、音なら20から20000だけど、光だ と1015Hzぐらいにになってしまう。とても数えられない。

 空の色が青に見えるのは青色の光が空気中の分子にぶつかって散乱されるからですか?
 分子の大きさは青の波長より短いのではなかったのでしょうか?
 短いです。で すから散乱はほとんど起こりません。ほんの少しだけ起こるのですが、そのほんの少しの散乱は、波長が短いほどよく起こるのです。なぜ散乱できるかについて はいろいろ難しい話があるので、時間があったらずっと後で話します。

 コウモリの耳は人間とどう違うんですか?
 基本構造は変わらないのですが、もちろんずっと敏感です。そして、超音波 (短い波長、高い振動数)でも聞き取れるようになってます。後で共振ということを習いますが、人間の耳の中の器官には音に共振する部分があります。コウモ リの方がより広い範囲で共振が起こるシステムになっているのでしょう。

 太陽の光が肌にあたると日焼けするということは、光は何かしらのエネルギーを持っているとい うことですか。
 もちろん。ほ とんどの波はエネルギーを運びます。光の場合も例外ではありません。

 なぜ空で散乱したら青くなるのかさっぱり。
 質問してくだ さいね。せっかくですから図を載せておきます。

 太陽から出た光には青い光(波長の短い光)や赤い光(波長の長い光)が両 方とも入ってます。そのため、太陽の光を直接見ると、いろんな光がまざった色である白(ちょっと黄色がかっている)に見えます。

 ところが空気は、このうち青い光をよく散乱させます。だから、空気にぶつ かった太陽の光のうち、青い成分はあちこちへと散らばります。

 図の「私」に向かってくる光を見てください。まず太陽から直接やってくる 光。これには赤も青もありますから、太陽を直接見ると黄色っぽい白に見えます。

 次に空を見ると、空から来るのは青い光のみです(この光は、散乱しなけれ ば「私」じゃない誰か別の人の所に届いたはずです)。だから、空は青くなります。

 空が青いのはオゾン層が青いのかと思ってました。
 じゃあオゾン 層が破壊されたら黒くなると思ってたんですか??

 月の空はどうなるんですか?
 黒です。月に は大気がないので、太陽の光はまっすぐ「私」に向かってくるものしか、私に届かないので、空を見ても光が来なくて黒くなります。

 電磁波が伝わる時 の媒質は何ですか?
 今日は説明飛ばしてしまいましたが、電場と磁場です。つまり、物質じゃな いものが媒質になります。

 空の青さで空気が原子の集まりであるとわかるのは少し感動です。空気に限らずこの世の物体全 てが原子でできているということも同じようにわかるんでしょうか?
 水が分子でで きていることはブラウン運動などからわかります。固体が分子でできていることも、X線などを当てた時の回折光でわかりますね。これも光(X線は波長がもの すごく短い光)による散乱だと言えます。

 コウモリが0.5ミリの精度で物体を検知できるとすると、人間がパンチ喰らわすのは至難の業 なんですか?
 やってみたことないけど難しいと思いますよ。まして暗闇なら、こっちは眼 が見えないし。

 光は山と谷で消えるんだとすると、音も山と谷で消えますか?
 消えます。それを使って、山谷が逆になる音をぶつけて雑音を消す機械(ノ イズキャンセラー)というのがあります。

 波長が大きい方がさえぎられずに伝わるとすると、レントゲンのX線はなぜ体の中をつらぬける のですか?
 X線は逆に非常に波長が短いのですが、それだけ短いと今度は原子と原子の 隙間を通り抜けることができるのです。

 宇宙空間でも物質は薄くてもあるという話ですが、なぜ音は伝わらないんですか?(複数)
 薄すぎるので す。一カ所で分子が運動したとしたら、ほとんど何もぶつからずにただ進んでいくだけで、止めるものがありません。つまり復元力がないのです。

 マクセルとピクセルは関係有るんですか?
 そんなこと私に聞かれてもなぁ(^_^;)? たぶんありません。 Maxwellは人の名前で、Pixelというのは、画素のことです。

 太陽は宇宙で見ると赤いのは、波動の関係ですか?
 ????宇宙で見ても太陽は赤くないですよ。むしろ白いと思います。
 
 超音波を使った位置測定は、練習すれば人間にもできます。
 可聴範囲の音だと波長が長いので、分解能が悪くなりそうですが、大きなも のならできそうですね。

 ウィルスを見るには電子顕微鏡が必要ということですが、光の波長より短いと見えないのではな いですか?
 眼でというか、光では見えません。そこで電子を使います。電子がどのよう に反射してきたかを記録して、映像を作るわけです。

 熱伝導が波動 にならないという話でしたが、熱は分子の振動じゃないんですか?
 分子には慣性がありますが、温度には慣性がありません。温度は分子の速さ の平均で決まります。温度の変化はつまり速さの変化で、速さの変化は慣性を持たないのです。
 

File translated from TEX by TTHgold, version 3.63.
On 16 Oct 2006, 11:18.