今後の予定


★2011年5月19日(木)16:30-17:30

場 所: 理学部313教室

講演者: 柳澤 将 先生(琉球大学理学部物質地球科学科物理系)

講演題名:「有機ー金属界面での準位接続・相互作用に関する第一原理的研究」

講演概要:

有機物と金属電極の接触する界面での電子準位接続は、有機物を使った電界発光(EL)素子、電界効果トランジスタ(FET)、太陽電池などの有機電子デバイスの性能・効率を本質的に支配しており、準位接続の形成機構や制御について実験的・理論的にさかんに研究が行われてきた。

 有機ー金属界面では、ファン・デル・ワールス(vdW)引力によって有機ー金属間では弱く相互作用し、界面でのキャリア注入障壁は基板金属の仕事関数に線型に依存する(ショットキー極限)と従来、考えられてきたが、実験的には有機物の種類によって様々な依存性を示すことが報告されている。

 第一原理電子状態計算によって、有機物の電子的性質や界面の原子レベルの構造の観点から、界面準位接続についてより精査が求められる状況となっている。

 本講演では、有機ー金属間の相互作用の性質に由来する電気二重層の役割について触れ、有機ー金属界面の構造の重要性を指摘したこれまでの第一原理計算の成果を紹介する。さらにそれらの知見をもとに、界面準位接続を制御する提案も行う。

具体的には、次のような研究成果について紹介する。

1) vdW引力を考慮した第一原理計算による界面構造と準位接続の再現

2) 界面準位接続の制御: 有機FETにおけるn型チャンネルの発現


過去の談話会

★2011年5月19日(木)16:30-17:30

場 所: 理学部313教室

講演者: 田原 周太 先生(琉球大学理学部物質地球科学科物理系)

講演題名:「銀系超イオン導電メルトに銀濃度の変化が与える効果」

講演概要:

 見た目が固体であっても、その中である種のイオンが動き回っている物質は、超イオン導電体と呼ばれており、固体と液体の中間的な性質を持っている。超イオン導電体は、固体のように取り扱うことができる一方で、動くイオンが電気を運べることから、溶融塩と同程度の電気伝導率を示すことが知られている。工業的には、液漏れが起きない全固体燃料電池あるいは電気化学センサーの材料として注目されている。

 AgIは典型的な超イオン導電体としてよく知られており、147℃以上になると、体心立方格子を形成するIイオンのまわりを、Agイオンが動き始める。我々はこれまでAgIの液体状態に注目し、構造とイオン伝導性について研究を進めてきた。溶融AgIの回折実験とシミュレーションから、構造モデルを導出すると。Agイオンどうしの距離が、典型的な溶融塩のカチオンどうしの距離に比べて近く、Agの分布に特異的な中距離構造が観測されることがわかった。

 講演では、Ag濃度を変化させた時の構造の変化やイオン伝導性について議論する予定である。


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