今後の予定

★2012年10月30日(火)17:00-18:00

場 所: 理学部313教室

講演者: 葛西真寿先生 (弘前大学 教授)

講演題名:Λで光は曲がるのか?---光の曲がりとレンズ方程式に対する宇宙定数の影響---

講演概要:

一般相対論の古典的検証として,惑星の近日点移動や太陽重力による光の曲がりの観測がある.従来,宇宙定数は光の曲がりに影響を与えないとされてきたが,最近 Rindler と Ishak は,従来の定説を覆し,宇宙定数は光の曲がりに寄与すると主張している.果たして宇宙定数は本当に光を曲げるのだろうか? それとも...?

本講演では,世の混乱をおさめるべく最近まとめた論文の内容を紹介し,光の曲がりに対する宇宙定数の影響を明らかにする.

参考文献: Phys. Rev. D 85, 023006 (2012)



過去の談話会

★2012年8月8日(水)16:20-17:20

場 所: 理学部313教室

講演者: 武田信一 先生(九州大学大学院 理学研究院 物理学部門 教授)

講演題名:超イオン導電ガラス及び溶融Ag_x(GeSe_3)_1-x の構造

講演概要:

 Ag x (GeSe3)1-xは0<x<0.565の範囲で溶融状態から急冷することにより容易にガラス課する事が知られており、このガラス物質はAgの増加につれてx=0.3近傍でイオン伝導度が10-14から10-4 S/cmへと10桁にも及ぶ急激な遷移をする興味深い物質である。この高いイオン伝導度の状態は液体電解質のイオン伝導度の大きさと同程度である事から「超イオン導電体」と呼ばれている。

 この高いイオン伝導度への遷移における構造変化の詳細を調べる目的でガラス状態のAgx(GeSe3)1-x についてAgの濃度を変えてX線及び中性子線回折により構造を測定し、その測定結果とリバースモンテカルロモデリング(RMC)法を用いた解析から詳細な部分構造を得ると共に原子の3次元構造の空間配位やGe-SeのネットワークとAgイオン間の相関を調べてきた。

 RMC構造モデリングからはGe-Seの部分構造因子はAg濃度の多いガラス組成でも明瞭に残っており、Agの濃度が変化しても変わらないし、また結合角Se-Ge-Seも変化しないが、Se-Agの部分構造因子や結合角Ag-Se-AgなどはAgの濃度と共に変化する。従ってGe-Seの四面体配位のユニットはAgの濃度が変化しても変わらないが、四面体配位の頂点にいるSe原子の周りの環境はAgの濃度と共に変化し、規則性を失って行く。またGe-Seの四面体は保たれているが、GeSe4の四面体ネットワーク間の相互の関係は乱雑さを増していくなどの結果が得られた。

 このAgとGe-Seのネットワークを視覚化した図によると0<x<0.3の組成のイオン伝導度の低い領域では比較的カルコゲンネットワークが繋がっていて、Agの分布がカルコゲンネットワークに遮られ、孤立している。しかしx=0.5、0.565ではAgイオン同士が見かけ上、数個鎖状に連なった部分が存在し、これがイオン伝導度の大きな遷移に起因している。

 またこのガラスの溶融状態における構造測定から、構造因子のFSDPは融解しても観測されるが、その強度は温度の上昇と共に小さくなる。またRMC解析からガラスにおけると同様にGe-Seの四面体配位は温度が上昇しても変わらないが、四面体配位の頂点にいるSe原子の周りの環境や中距離秩序は融解後、乱雑さが増加するものの、高温でもFSDPは観測されることから、ネットワーク間の規則性は残っている事を示唆している。

★2012年8月15日(金)14:40-15:40

場 所: 理学部313教室

講演者: 細谷暁夫先生(東京工業大学 名誉教授)

講演題名:「弱値と弱測定」

講演概要:

最近、量子状態をほとんど壊さずに量子状態を判定する「弱測定」の実験報告が数多く報告されている。そこで計測されるある物理量の「弱値」の概念は30前からアハロノフ達が主張して来たものであるが、最近の理論的研究の深化でより深い量子力学における基本的な量であることが明らかになって来た、と思う。私自身の仕事も含めて説明したい。


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