相対論講義録2006年度第4回


第3回 目次に戻る 第5回

2.7  テンソルを使った表現(続き)

二つの行列の積
は成分で書くと、

a11b11+a12b21=c11,
a11b12+a12b22=c12,
a21b11+a22b21=c21,
a21b12+a22b22=c22
  →   ai1b1k+ai2b2k=cik  →   2

j=1 
aijbjk = cik
(2.23)
と書ける。この時、前の行列(aij)の後ろの添字18(この場合jのこと。列に対応)と後ろの行列(bjk) の前の添字(同じくjのこと。行に対応)が同じものにそろえられて足し算されていることに注意せよ。
A =


a11
a12
a21
a22






 が直交行列であるという条件(AtA=I)を考えよう。
At =


a11
a21
a12
a22



=


(at)11
(at)12
(at)21
(at)22




(2.24)
であるから、AtA=Iは

2

j=1 
(at)ijajk = 2

j=1 
ajiajk = δik
(2.25)
と書ける。ただし、δikはi=kの時1、それ以外の時0ということを意味する記号で、クロネッカー・デルタと呼ばれる。つまりは 単位行列をテンソルで表したものである。
この最後の式では前の添字どうしが同じになっていることに注意しよう。だから、j=12 ajiajkを 見て、「行列Aと行列Aの掛け算」だと思ってはいけない。上で述べたように行列の掛け算ならば「前の行列の後ろの添え字と、後ろの行列の前の添え字をそろ える」ろいうのがルールなので、AとAの掛け算ならば、j=12 aijajkな のである。aijをajiと置き換えるので、j=12 ajiajkは 「AtとAの掛け算」と考えなくてはいけない。
以上のように、行列計算とテンソル計算の間の翻訳をする時には、添字の付き方に注意することが必要である。j aijbjkの ように「前のテンソルの後ろの添字と後ろのテンソルの前の添字で和が取られている」時、素直に行列のかけ算に書き直せる。それ以外の時は転置などをとるこ とが必要である。
さらに書くときに楽をするために、「同じ添字が2回現れたら、その添字に関して和がとられているものとする」というルール19を採用して、瑤鮠蔑することがあ る。その場合、(2.21)は
x′i = aijxj
(2.26)
と書けるし、(2.25)は
ajiajkik
(2.27)
と書ける。
このように上や下に添字のついた量を「テンソル」20と 呼ぶ(テンソルの正しい定義は後で行う)。以後この講義ではこの書き方をすることも多い(しばらくは併記するようにする)。どの書き方もたいへん大事なの で、どれも使えるようになって欲しい。たとえば、行列で書いて

          
( x1    x2 )




a11
a12
a21
a22







X1
X2




(2.28)
となる式は、テンソルで書くと、



i,j 
xi aij Xj    または   xi aij Xj
(2.29)
となる。このような翻訳がさっとできるようにならないと困る。
このような回転に関しても、運動方程式の形が変わらないことを確認しよう。
m d2 x
dt2
=Fx, m d2 y
dt2
= Fy
(2.30)
から、

m d2 x′
dt2
=
m d2 x
dt2
cosθ+ m d2 y
dt2
sinθ
=
Fx cosθ+ Fy sinθ

(2.31)
同様に
m d2 y′
dt2
=−Fx sinθ+ Fy cosθ
(2.32)
となる。ゆえに、

Fx′=
Fx cosθ+ Fy sinθ
Fy′=
−Fx sinθ+ Fy cosθ

(2.33)
を「回転された力」と考えれば21
m d2 x′
dt2
=Fx′, m d2 y′
dt2
=Fy′
(2.34)
が成立し、回転前と同じ運動方程式が成立している。
このことも、行列およびテンソルを使った書き方で示しておく。
行列を使って書くならば、運動方程式が
m d2
dt2




x
y



=


Fx
Fy




(2.35)
と書かれていて、回転した座標系では、
m d2
dt2




cosθ
sinθ
−sinθ
cosθ







x
y



=


cosθ
sinθ
−sinθ
cosθ







Fx
Fy




(2.36)
と書かれる、ということになる。角度θが時間tによっていなければ、この二つの式は等しい。また、a11=a22=cosθ,a12= −a21=sinθ としてaijを使って表すならば、運動方程式は
m d2 xi
dt2
= Fi
(2.37)
から
m aij d2 xj
dt2
= aijFj
(2.38)
と変わる、ということになる。aijが時間によらなければ、この二つは等しい。
回転の場合、運動方程式の全体の形は変わらないが、個々の成分の値は変わる(x成分がFxからFxcosθ+Fysinθ になるように)。このような場合は「不変(invariant)」とは言わず「共変(covariant)」という言い方をする。ニュートンの運動方程式 は回転に対して共変である。
行列表示あるいはテンソル表示では、「変換」を表す部分が行列だったりaijだったりして、式の中で一カ所に集まって表現されてい る。そのため、何かの「変換」を行うことで新しい座標系での運動方程式が出ている(しかも、その「変換」は左辺も右辺も同様に行われる)ということがわか りやすいかと思う。


 以下の2.8節は省 略。2次元から次元が一個増えるだけなので、たいして差はない。

2.8  運動方程式を不変にする3次元の座標変換

今度は3次元を考えて、運動方程式が不変になるような座標変換のを考えると、それもやはり、ガリレイ変換と回転の合成で考えることができるであろう。ガリ レイ変換の方は自明であろう。回転もほぼ自明ではあるが、一応式で表しておこう。
一般的な回転を





x′
y′
z′




=



a11
a12
a13
a21
a22
a23
a31
a32
a33









x
y
z




     (テンソル表示なら、x′i=aijxj)
(2.39)
のように行列で表してみよう。この行列を3つの列ベクトル(
a11
a21
a31
), (
a12
a22
a32
), (
a13
a23
a33
)に分解する。この3つは互いに直交し、長さが1のベクトルになる。このことから、





a11
a21
a31
a12
a22
a32
a13
a23
a33









a11
a12
a13
a21
a22
a23
a31
a32
a33




=



1
0
0
0
1
0
0
0
1




     (テンソル表示なら、ajiajkik)
(2.40)
が結論できる。つまり直交行列であるという点で、2次元の場合と同様である。
回転によって3次元の運動方程式が共変であることは、
m d2 xi
dt2
= Fi   →     m aij d2 xj
dt2
= aijFj
(2.41)
のように考えれば、2次元の場合と全く同様であることがわかる(ただし、i,jの和は1,2,3で取られているところが違う)。aijは 時間によらない定数でなくてはならないことも同じである。
3次元の具体的な回転は





cosθ
sinθ
0
−sinθ
cosθ
0
0
0
1




,



cosθ
0
−sinθ
0
1
0
sinθ
0
cosθ




,



1
0
0
0
cosθ
sinθ
0
−sinθ
cosθ





(2.42)
で表される3つの2次元回転の組み合わせで作ることもできる。回転を表すパラメータとしては、回転軸を指定するのに2つ、回転角度を指定するのに1つで、 合計3つのパラメータがいる。
この章では数学的準備をしたので、いよいよ次の章から相対論へとつながる物理、すなわち電磁気学の相対性を考えていこう。

第3章 電磁気学の相対性

3.1  電磁波は静止できるのか?

 前にも書いたが、アインシュタインが後に相対論へと続く道の中で、最初に抱いた疑問は「光の速さで飛ぶと波の形をした静電場や静磁場が見えるん だろうか?」だったと言う話がある。例えばx方向に伝播する電磁波
Ex=Ez=0,Ey=E0 sink(x−ct), Bx=By=0,Bz= E0
c
sin k(x−ct)
(3.1)
は真空中のマックスウェル方程式

div
B
 
=0
     rot
E
 
=−

B
 

∂t



div
E
 
=0
     rot
B
 
= 1
c2


E
 

∂t


(3.2)
の解である。


 ここで、rotEおよびrotB と電磁波の進行との関係をまとめておく。rotEの物理的意味は、「その地点の周辺で電 荷qを、微小な面積∆Sをなす周回路で一周させた時、電場がqに対してなす仕事はqrotE になる」と考えることができる。静電場では、rotE=0であるので、この仕事は0にな る。ここでもし仕事を得ることができたとすると、同じところを電荷をぐるぐる回すことでどんどんエネルギーを得ることができる。つまり、「静電場では rotE=0」というのはエネルギー保存則であると解釈できる。磁場が増加している時は rotE=−[(∂B) /∂t]となる22
l
上の図に書かれている四角の回りに電荷を周回させたとすると電場から仕事をされることになる。それは図の左側の辺と右側の辺で電場の強さが違っていること からわかる(上と下の辺では電場と運動方向が垂直なので仕事は0)。その場所では、磁束密度が増加または減少する。この「電場のrot→磁場の時間変化」 という関係と同様に「磁場のrot→電場の時間変化」という関係が成立するので、電場と磁場は空間変動が時間変動を生み、時間変動が空間変動を生むという 形で波が進行していく。
 弦の振動や、水面にできる波などに関しても、この「空間的変動が時間的変動を生む」というメカニズムが波を進ませる原動力である。
 弦の振動の場合を考える。ピンと張られた弦には張力が働いている。張力は常に弦の方向に働く。曲がった状態にある弦の微 小部分を考えると、両方からの張力 の合力は弦の曲がりを解消しようとする方向に向く。まっすぐな状態になると、弦には全体としては力が働かなくなる。ゆえに、弦はまっすぐになろうとする (つまり「復元力を持つ」)。水面にできる波も同様で、何かの原因で水面に盛り上がったりくぼんだりしている部分があると、盛り上がった部分を下げ、くぼ んだ部分を上げるように水が移動する。弦の振動でも水面でも共通する大事なことは「空間的な変化が時間的変化を生む」という物理現象が「波の伝播」という 現象を引き起こしているということである。自然界には、何かに不釣り合いがあるとそれを正そうとする力が働くようで、その力により振動や波が発生する。自 然界のあちこちで「波」が発生するのはそのおかげである。
 すでに述べたように、電磁気についても、同じ原則が成立している。よって、「波の形をしているが振動しない電磁場」というのは、「両端を引っ張られてい るのに、曲がったままで直線に戻ろうとしない弦」や「一部がいつまでも盛り上がったまま、崩れもしない水面」と同じぐらい不思議な現象なのである。18歳 のアインシュタインを悩ませたのも不思議ではない。
 さて、光速度で走る人から見た電磁波の問題に戻り、より具体的に「止まった電磁波はあり得ない」ことを確認しておこう。電磁波を速度cで走りながら見た とすると、その観測者にとっての座標系(X,T)は速度cでのガリレイ変換を施した座標系
X=x−ct, T=t
(3.3)
だと考えられる。座標の変換だけを行えばよいのだとすると(つまり、電場や磁場は座標変換しても同じ値を保っているとすると)、この系での電場と磁場は
EX=EZ=0,EY=E0 sinkX, BX=BY=0,BZ= E0
c
sinkX
(3.4)
となり、波の形をして止まっている電場と磁場が見えるように思われる。しかし、この解はマックスウェル方程式を満たさない。例えばrotEのZ成分は∂X EY = kE0coskX となり、ゼロではない(図に点線で書き込んだ正方形を一周すると、電場は仕事をする!)が、[(∂B) /∂T]=0である。これではrotE = −[(∂B)/∂t]を満たせないのである。
したがって、マックスウェル方程式かガリレイ変換か、どちらかを修正しない限り、我々のこの宇宙は記述できないことがあきらかになるのである。ではどちら を修正すべきかを考えねばならない。もちろん最終的に決め手となるのは実験なのだが、次の節ではマックスウェル方程式の方に有利な証拠をまず述べよう。

3.2  電磁誘導の疑問

 第1章で概要だけ述べた、電磁誘導に関する疑問について、ここでくわしく考えてお こう。図のように、二つの現象を考える。左の図では、コイルが磁石に近づき、右の図では、磁石がコイルに近づく。二つの現象は、見る立場を変えれば同じ現 象であり、結果として「コイルに時計まわりの電流が流れる」という点でも同じである。しかし、その記述は同じではない。
右図の場合であれば、それはコイル内の磁束密度が時間変化するということからくると解釈される。すなわちMaxwell方程式のrotE = −[(∂B)/∂t] にしたがって、磁束密度が変化している場所には電場の渦が発生していて、その電場によってコイル中の電子が力を受け、電流となる。よく知られているよう に、この時に発生する電位差は、ファラデーの電磁誘導の法則V=−[dΦ/dt]によって求められる。ここでΦは回路内をつらぬく磁束であり、Vの符号は Φに対して右ネジの向きに電流を流そうとする時にプラスと定義される23



[問い3-1] rotE = −[(∂B)/∂t]からV=−[dΦ/dt]を導け。



r12cm Figure
  この時に起こっていることはあくまで「磁束密度の変化→電場の発生」という現象である。
  では左図はどう解釈されるか。この場合は各点各点の磁束密度は変化していないので、電場などは発生していない。rotE=−[(∂B)/∂t]の右辺 はまじめに書くと−[∂/∂t]B(x,y,z,t)であり、ある一点(x,y,z)に ある磁束密度の時刻tでの値の時間微分×(−1)である。コイルの方が動く時、これは0である。「コイルを通る磁束は時間的に変化しているのではないか」 と疑問に思う人がいるかもしれない。確かに変化しているが、この式のBは「ある点(x, y,z)の時刻tでの磁束密度」という意味なのであって、「コイルを通る磁束の磁束密度」という意味はないのである。
  ではコイルが動く場合にも電流が発生するのはなぜか。磁場中を電荷qが速度vで運動する と磁場とも運動方向とも垂直な方向にローレンツ力qBを受ける。この力は電子がコイルをぐるぐるとまわすような方向に働くので、電流が流れる。つまり この場合、電場などは発生していないが、磁場によって電子が力を受けることによって、電位差が発生したのと同じ効果があらわれて電流が流れていることにな る。



[問い3-2]
  この考え方で、電子に働く力を計算し、電子が回路を一周する間にこの力がする仕事を計算せよ。この仕事を単位電気量あたりに直したものが、V=− [dΦ/dt]と等しいことを導け。
ヒント:磁場Bは真上を向いていないので、上向き成分Bと外向 き成分Bに分けてみよ。電子に働く力に貢献するのはBの方であるから、Bを 使って仕事を計算せよ。 一方、コイルが動いたことによってコイル内から出る磁束(=磁束密度×面積)がどうなるかを、図から計算してみよ。



このように、マックスウェル方程式を使った計算では、どちらの立場にたっても同じ答が出てくる。これはたまたまうまく行っているなのか、それとも必然的に そうなっているのか?
もちろん、「たまたま」などではなくこうなることには意味がある、というのが相対論の立場である。それはつまり「マックスウェル方程式はどの慣性系でも正 しい物理法則である」ということに他ならない。今ではその立場が広く認められているわけだが、相対論ができあがる前には「マックスウェル方程式ではない方 程式が必要だ」という考え方もされた。次の節でその方程式について説明しよう。

3.3  マックスウェル方程式をガリレイ変換すると?

電磁波の発見者としても名高いヘルツ(Hertz)は、動いている人から見たらマックスウェル方程式はどのように変化するのか、ということを考え て、マッ クスウェル方程式をガリレイ変換した方程式を導いている。
3次元のガリレイ変換を
x′i = xi −vi t または xi = x′i+ vi t′,      t′=t
(3.5)
と置く。そして、この(x′,t′)座標系では普通のマックスウェル方程式が成立するとしよう。では(x,t)座標系ではどんな方程式が成立するだろう?
これは座標変換(xi,t)→ (x′i,t′)であるが、この時微分[∂/(∂xi)], [∂/∂t]はどのように変化しなくてはいけないかを考えてみる。一般的な微分の公式から



∂x′i
=

∂x1
∂x′i


∂x1
+ ∂x2
∂x′i


∂x2
+ ∂x3
∂x′i


∂x3
+ ∂t
∂x′i


∂t

=

∂xj
∂x′i


∂xj
+ ∂t
∂x′i


∂t
=
∂xi


(3.6)




∂t′
=

∂t
∂t′


∂t
+ ∂x1
∂t′


∂x1
+ ∂x2
∂t′


∂x2
+ ∂x3
∂t′


∂x3

=

∂t
∂t′


∂t
+ ∂xj
∂t′


∂xj
=
∂t
+ vi
∂xi


(3.7)
がわかる(アインシュタインの規約をつかって簡略化して書いた)。
  つまり、xによる微分とx′による微分は同じもので、tによる微分とt′による微分が変化する。座標はxが変化してtは変化していないのだから、奇妙に 思えるかもしれない。しかし[∂/∂t] ≠ [∂/∂t′]であることは、[∂/∂t]が「xを一定としてtで微分」であり、[∂/∂t′]が「x′を一定としてt′で微分」であることを考えれば、 納得がいくだろう。上図からわかるように、「x一定としてtが変化する」場合と「x′一定としてt′が変化」する場合では移動方向が違うのである。
 逆に、[∂/∂x]が「tを一定としてxで微分」であり、[∂/∂x′]が「t′を一定としてx′で微分」であることを考えれば、この二つは同じもので あることも納得できる。



[問い3-3] x′i=xi−vit に [∂/∂t′] = [∂/∂t]+vj[∂/(∂xj)]をかけると0になることを確認せよ。



では方程式を作っていく。ここで、電場や磁場の値は運動しながら見ても変化しない(どちらの座標系でも同じ値を取る)と仮定する。空間微分は変化しないか ら、÷B=0や÷E=0 はx′系でもx系でも同じ式である。時間微分を含む方程式であるrotE = −[(∂B)/∂t] などを考えていこう。
(x′,t′)座標系を「マックスウェル方程式が成立する座標系」と考えたので、たとえばz成分の式として、

∂Ey
∂x′
∂Ex
∂y′
= − ∂Bz
∂t′

(3.8)
が成立している。これをガリレイ変換すれば、


∂Ey
∂x
∂Ex
∂y

= − ∂Bz
∂t
− vx ∂Bz
∂x
− vy ∂Bz
∂y
− vz ∂Bz
∂z


= − ∂Bz
∂t
− vx ∂Bz
∂x
− vy ∂Bz
∂y
+ vz ∂Bx
∂x
+ vz ∂By
∂y


= − ∂Bz
∂t
− vx ∂Bz
∂x
+ vz ∂Bx
∂x
− vy ∂Bz
∂y
+ vz ∂By
∂y


(3.9)
ここで、1行めから2行目では[(∂Bz)/∂z] = −[(∂Bx)/∂x] −[(∂By)/∂y] (÷B=0)を使った。
Bというベクトル を考えると、これのy成分が vz Bx−vx Bz であり、x成分がvy Bz − vz Byである。ゆえに 上の式は

∂Ey
∂x
∂Ex
∂y
= − ∂Bz
∂t
+
∂x
(
v
 
×
B
 
)y
∂y
(
v
 
×
B
 
)x
(3.10)
となる。 x,y成分に関しても同様の計算をすれば、この3つの式が
rot
E
 
= −
∂t


B
 
+ rot(
v
 
×
B
 
)
(3.11)
とまとめることができることがわかる。ここで、計算の途中でvと微分の位置を取り替えて いることに注意。これはvが定数で、微分したら零だからできることである。Bと微分との順番は安易に取り替えてはならない。

【補足】この部分は授業では話さない可能性もあるが、その場合は読んでおいてください。
ベクトル解析を使って計算するならば、




 
×
E
 

=−
∂t


B
 

v
 
·

 


B
 


=−
∂t


B
 

v
 
·

 


B
 
+(



 
·
B
 

=0 
)
v
 


(3.12)
と、0になる項を付け加えた後で、公式


P
 
×(
Q
 
×
R
 
) =
Q
 
(
P
 
·
R
 
)−(
P
 
·
Q
 
)
R
 

(3.13)
を使えばすぐに(3.11)を出すことができる。ただし今の場合はP=∇,Q=v,R=Bであるが、∇によって微分されるのはBだけ だという点に注意しよう。
同じ計算をテンソルを使ってやることもできる。ただし、そのためには外積をテンソルで書くと、外積A=CがAiijkBjCkと なることを知っていなくてはいけない。
ここでεijkはi,j,kについて完全反対称(εijk=−εjik= −εikj=−εkji) で、かつε123=1であるようなテンソルである。つまり、ε123231312=1 (添え字が123の偶置換)で、ε213132321=−1(添え字が 123の奇置換)であり、それ以外は0である。 この記号を使うと、

εijk
∂xj
Ek
=−
∂t
Bi −vj
∂xj
Bi

=−
∂t
Bi −vj
∂xj
Bi +vi
∂xj
Bj

(3.14)
のように書くことができる。divB=[∂/(∂xj)]Bj=0 であることを使って最後に0を足している。この最後の2項は、添え字を適当につけかえることで、

−vj
∂xj
Bi +vi
∂xj
Bj = (δkmδil−δklδim)
∂xk
vl Bm

(3.15)
のように書ける(右辺から左辺への変形は容易なので、確認すればよい)。
ここで、εijkεilmjlδkm−δjmδklと いう公式を使う。この式の意味することは、「εijkεilmは、j=lでk=mの時は1になり、j=mで k=lの時は−1になる(ただし、j=k=l=mの時は0)」ということである(これは式の意味を考えると納得できる)。 これによって、

−vj
∂xj
Bi +vi
∂xj
Bj = εpkiεpml
∂xk
vl Bm = εikp
∂xk
plmvl Bm)

(3.16)
という式が作れる。これは∇×(B)のi成分である。

【補足終わり】

 rotH = [(∂D)/∂t]+jの方は、

rot
H
 

=

D
 

∂t
−rot(
v
 
×
D
 
)+
j
 
+ ρ
v
 


(3.17)
となる。この計算は(3.11)を出したのとほぼ同様である。違いは符号と、÷Dが0ではなくρになるために最後の項がついてくることである。
よって、x系で成立する方程式は

div
B
 
=0
     rot
E
 
=−

B
 

∂t
+rot(
v
 
×
B
 
)


div
D
 
     rot
H
 
=

D
 

∂t
−rot(
v
 
×
D
 
)+
j
 
+ ρ
v
 


(3.18)
となる。これをヘルツの方程式と呼ぶ。ここで、x′座標系での電場や磁場の値は、x座標系での値と全く同じであると考えて方程式を出していることに注意せ よ。実際にこうなのかどうかは、実験的に検証する必要がある。
この章の最初の疑問に対して、ヘルツの考え方はどのような答えを出すだろうか。3.1節で は、(x,t)系がマックスウェル方程式が成立する座標系で、(X,T)系がその系に対して速度cで動いているとして、座標変換をX=x−ct(この逆変 換はx=X+cT)と考えた。ヘルツの方程式の導出ではx′=x−vtとして、x′系がマックスウェル方程式の成立する座標系(エーテルの静止系)であっ たから、対応((x,X)↔(x′x))を考えると、ヘルツの方程式にあらわれるvがv = (−c,0,0)であることがわかる。3.1ではエーテル静止系はとまっていて、観測者が速さcで右側に動いていた。逆に考えると、 観測者から見てエーテル静止系が速さcで左側に動いている。一方、3.3では、観測者に対し てエーテル静止系が右に速さvで動いている、と考えればわかりやすい。
よって、(X,T)座標系での電磁場


E
 
=(0,E0 sinkX,0),    
B
 
=(0,0, E0
c
sinkX)
(3.19)
の満たすべき方程式は、ヘルツの式でv=(−c,0,0)とした方程式である。
Bを計算すると、
(
v
 
×
B
 
)X = 0,   (
v
 
×
B
 
)Y = E0 sinkX,   (
v
 
×
B
 
)Z = 0
(3.20)
となって、EとBが等しいということになる。B は時間によらないのだから、この電磁場は(11)を満たしている。 (17)も同様である。したがって、ヘルツの方程式が等しいとすれば、「止まっている電磁波」は存在 することになる。



[問い3-4] 上で確認したのは速度vがちょうどcの時であったが、そうで ない場合、電場や磁場はどんな式に なるか。そして、それはヘルツの方程式を満足しているか。



3.4  エーテル-絶対静止系の存在

こうして、マックスウェルの方程式とヘルツの方程式という、二つの方程式が出てきた。どのようにしてヘルツの方程式が出てきたかを思い出そう。互いにガリ レイ変換x′=x−vtで移り変わる二つの座標系を用意し、x′系ではマックスウェル方程式が成立すると考えて、x系で成立する方程式を求めた。これがヘ ルツの方程式である。つまり、宇宙には特別な「マックスウェル方程式が成立する座標系」x′があり、その特別な座標系に対して運動している座標系ではヘル ツの方程式が成立する。そして、それぞれの座標系から見てマックスウェル方程式が成立するx′系がどう運動しているのかを示すのがvである。
ここで、光同様に波である、音の場合を考えてみよう。音は「空気の静止系」では周囲に均等な速度で伝播する。しかし、「空気の静止系が速度vで動いているように見える座標系」つまり「風が速度vで吹いている座標系 」では、風に流される。つまり、音の伝播は「空気の静止系」とそれ以外の座標系では、違う法則にしたがうのである。それと同様に、「マックスウェル方程式 が成立する特別な座標系」がどこかにあり、それ以外の座標系ではv ≠ 0のヘルツの方程式を使わねばならない。
音に対する空気のように、光に対して「エーテル」と言う媒質を考えると、「エーテルの静止系」(今の場合x′座標系)でのみマックスウェル方程式が成立す るということになる。
空間はエーテルに満たされている。このエーテルの振動が光であり、エーテルの静止系ではマックスウェル方程式が成立する。音が空気の振動であるように、光 はエーテルの振動だと考えたのである。そして、ヘルツの方程式にあらわれるvは、エーテ ルの運動速度である。エーテルが動いていれば、光はエーテルの運動方向には速く、逆方向には遅く伝わる。
これがほんとうだとすると、マッハによってニュートン力学から追放されたはずの、「絶対空間」が電磁気学の世界で復活してきたことになる。と同時に我々は 電磁気の問題を解く時常に「エーテルの風は吹いているのか?」と問いかけなくてはいけないことになる。エーテルの風の速さvがわからないと式がたてられないのである。



[問い3-5] x座標系では光の速度は方向によって違うため、静止した光源 から出た光は光源を中心とした円に はならない。一方、x′座標系で見ると、光はどの方向にも均等に広がる。ではx′座標系で見た時、光の波の形が同心円にならない理由は何か?



 周期表で有名なメンデレーエフはエーテルに原子番号「0」を与えたという。エーテルがもし存在するとしても普通の物質とは全く違う性質を持ったものであ ることは間違いない。まず光は横波であるから、エーテルは固体のように変形に対して元に戻ろうとする性質(弾性)を持っていなくてはいけない(液体や気体 中は横波は伝わらない)。光が秒速30万キロという速いスピードで進むことは、エーテルが非常に固い物質であることを示している。しかし、すぐ後に示すよ うに、エーテルが満ちていると考えられる「真空」中を、物体は抵抗なく進むことができる。固いのに抵抗がないとはいったいいかなる"物質"なのであろう か?
 このように考えていくと、「光も波なのだから媒質となる物体が存在しているだろう」という素朴な考え方が、むしろ非常識な結果を生むことがわかる。では 実際にはこの非常識なエーテルなるものは存在するのか、それともないのか、それを決めるのは実験である。そのための実験としてもっとも有名なのがマイケル ソン・モーレーの実験の実験なのだが、これについては次章で述べるので、この章の残りの部分ではそれ以外の実験においてもヘルツの方程式を採用すべきか否 かについてある程度の情報が得られることを示そう。

 以下の3.5節については、フィゾーの実験についてだけ軽く触れた。

3.5  ヘルツの方程式の実験との比較

  ヘルツの方程式が正しいかどうかを判定できる実験として、レントゲン(Röntgen)とアイフェンヴァルト(Eichenward)による、回転する誘 電体の実験がある。図のように誘電体を半径Rの円筒形にして、軸方向に磁場をかけておいて回転させる。
  エーテルがこの回転する誘電体と一緒に運動しているとすれば、ヘルツの方程式の中のvに は、各点各点の回転速度を代入すればよい(これで本当にいいのかは再考が必要)。磁場が一定だとしてヘルツの方程式(3.17)はこの場合、
rot
H
 
= −rot

v
 
×
D
 


(3.21)
となるから、


H
 
= −
v
 
×
D
 

(3.22)
が一つの解である。この式にはrotをかけて0になる量を足すだけの自由度があるが、そんな項がついていたとしたら、H=−gradφで表すことができる静磁場が重ね合わされるということである。静磁場がない状況を 考えているならばこの項はない。
これにより、円筒が角速度ωで回っているとするならば、表面には大きさRωDの磁場が発生することになる。ところが実際に測定された磁場は[(ε−ε0)/ε] RωDであった(εは誘電体の誘電率、ε0は真空の誘電率)。ここではまだ書かないが、もちろん相対論を使った計算ではこの結果に 一致する答えが出る。
  上で電場中で物体を回転させて磁場を作ったことの逆で、物体を磁場中で回転させて分極を作る実験がある。この現象については、アインシュタインとラウプが ローレンツ変換を使って磁場中で動く磁性体の分極を計算している(1908年)。W.ウィルソンとH.A.ウィルソンが実験で確認した(1913年)。こ の実験結果も、素朴にヘルツの方程式を適用した計算とは合わないが、相対論的計算ならば合う。
  ここでは「誘電体が回転している速度をヘルツの方程式のvに代入する」という計算をやっ ているが、物体が動いてもその場所のエーテルは動かないのかもしれない。実は「物体が動くとその周りのエーテルは一緒に動くのか?」ということを定めるた めの実験は、すでに1851年にフィゾー(Fizeau)によってなされている。

 彼は水中の光速度が、水が流れている時にはどのように変化するかを間接的に測定した。流れる水の中を水と同じ方向に通した光と逆方向に通した光で干渉を 起こさせて、流速を変化させた時の干渉縞の変化から水中での光速度を推測している24。フィゾーの実験の結果、静止している水中の光速をuとすると、光の進む方向 に水が速さvで流れているときは
u+
1− 1
n2

v
(3.23)
という速度で光が伝播することがわかった25。 もしエーテルが完全に引き摺られるのであればこの式はu+vになっただろう。まったく引き摺られないのならばuとなっただろう。
 この実験の結果から、エーテルは(もし存在するのなら)水の流速の1−[1/(n2)] 倍で引き摺られることになる。この1−[1/(n2)]をフレンネル(Fresnel)の随伴係数と言う。しかし屈折率nは通常、 光の振動数によって違うので、光の振動数ごとに別々のエーテルが別々の速度で動く、ということになる。これは音にたとえれば、ドの音を伝える空気と、ソの 音を伝える空気が違う速度で運動していることである。この「エーテルの引き摺り」現象はエーテルというものを実在のものと考えることを非常に困難にする実 験事実であると言えるだろう。 
 ローレンツは「ヘルツの方程式の導出では、電場や磁場の値が座標系によって変化しないと考えている」という点に異議を唱えた。ローレンツがこの点を改良 したうえで、さらに、後で述べるマイケルソン・モーレーの実験を説明するための「ローレンツ短縮」という現象なども取り入れるように作ったのがローレンツ 変換である。 ローレンツ変換はマックスウェル方程式を不変にするので、ヘルツの方程式のような新しい方程式は出てこない。そのかわり、電場や磁場は



E
 
=


E
 
+
v
 
×
B
 


(3.24)



B
 
=


B
 
1
c2


v
 
×
E
 


(3.25)
のように、座標系によって違う値を取ると考えた(この式では(v/c)2のオーダー を無視している)。


E′とB′は、x′座標系での電場と磁場である。二つの座標系は、x′=x−v tで表される座標変換でつながっている。ローレンツは各種実験をちゃんと再現できるように考えてこの変換にたどりついた。この変換によれば、ある座標系で は電場がなく磁場だけが存在していたとしても、その座標系に対して速度vで動くような座 標系には電場と磁場の両方が存在する。ローレンツは磁場中を動いている電荷が感じる力は、その電荷が静止しているような座標系では電場が存在していて、そ の電場により力を受けるからだと考えられることを示した。その力こそqBであり、現在「ローレンツ力」と呼ばれている。3.2節 で考えた動くコイルの問題も、(2.25)式を考えれば、「動いているコイルから磁場を見る と、そこには電場もあるように見える」という考え方で解くことができる。
  ヘルツの方程式では説明が困難であった現象を、「マックスウェル方程式+ローレンツ変換」によってうまく説明することができた。しかしこの時点でのローレ ンツ変換にはいくつか不明確な点や未完成な点がある。そのためここで説明するとかえって混乱することになりそうなので、ローレンツ変換自体の説明は少し先 に延ばす。歴史的には、ローレンツが試行錯誤の末にローレンツ変換を作りあげた後、アインシュタインが特殊相対性原理という形で、その背後にある物理的内 容を明確にしてくれた。現在の我々も、特殊相対性原理の考え方を使ってローレンツ変換を考えた方がわかりやすい。
  以上からわかるように、エーテルの静止系でのみマックスウェル方程式が成立するという考え方は、いろいろと実験的不都合を招く。その不都合の最たるものが 次の章で説明するマイケルソン・モーレーの実験である。だが忘れないでいて欲しいのはマイケルソン・モーレーの実験だけがエーテルの存在(絶対空間の存 在)を否定しているわけではないということである。ヘルツの理論(マックスウェル方程式+ガリレイ変換)ではどうしてもうまく説明できない実験事実がいろ いろとあったからこそ、アインシュタインを筆頭とする20世紀の物理学者達はガリレイ変換を棄却してローレンツ変換を採用し、特殊相対論を展開させた。新 しい物理というのは、一つの実験だけをきっかけに一朝一夕にできあがるようなものではないのである。

Footnotes:

18テンソルの添字の ことを「足」と表現することもよくある。
19始めたのはアイン シュタインなので、「アインシュタインの規約」と呼ぶ。アインシュタイン本人は「私の数学への最大の貢献」と冗談混じりに自画自賛している。
20足の数をテンソル の階数と言う。ベクトルは足が一個ついているので「一階のテンソル」と言う。aijは二階のテンソル。
21これは座標という ベクトルと力というベクトルが同じ形の変換をしなさい、ということなので、reasonableである。
22この場所で電荷を 周回させると電荷がエネルギーを得ることができるということになる。しかしもちろん、エネルギー保存則が破れているわけではない。磁束密度を増加させるた めに投入されているエネルギーの一部が電荷に与えられているだけのことである。
23角運動量L=pなど、回転に対応するベクトルの向きはこのように決めるのが普通である。
24このあたりの実験 のやり方は後で出てくるマイケルソン・モーレーと似ている。
25後で「光速度は不 変である」ということを口が酸っぱくなるほど言うので、ここで光速が変化するという結果が出ていることに、後々違和感を覚えるかもしれない。しかしここで 述べているのは物質が満ちている空間における光速であり、「光速度が不変である」と言っている時の光速は真空中のものである。

学生の感想・コメントから

 音の媒質が空気であるように、光の媒質があるのではないかという考え方はおもしろいと思っ た。
 素朴な考え方 としてはあった方がすっきりするんですけどねぇ。ないんですよ。

 電磁波が静止できない理由がわかってよかったです(多数)
 単なる直感で なく、物理的理由がわかってくると、アインシュタインの相対論への動機づけがわかりやすいと思います。

 エーテルがあってそれが動いているのだとしたら、左向きの光の速度と右向きの光の速度は違っ てくるんですか?
 もしエーテル があれば、そうなります。実際にはないわけですが。

 早く続きが知りたい。
 来週は体育祭 で休講なので、再来週をお楽しみに。

 フィゾーの実験の結果がなぜああなるのかわからない。
 今のところ は、「実験で測ってみたらそうだった」ということだけです。理論的にどうなるのかは、後で説明します。

 光速度がどうして不変になるのかよくわかってません。不思議ですね。
 ほんとうに不 思議なんですが、実験事実なので仕方ないです。

 真空いは何もないのではなくて、何か分からないものがぎっしり詰まっているみたいな考え方が あるようですが、これをもってエーテルとは言えないのでしょうか?
 そういうもの があったとしたら(あるかないかわかりませんが)新しく「エーテル」と名付けてもいいかもしれません。しかし、昔考えられていたエーテル(今日話したエー テル)とは違うものだと思うべきでしょう。今日話したエーテルは空気同様の物質的なものです。

 相対論とは違うのですが、回転の回転の物理的意味はなんでしょう? rot(rot E)=?
 数式としては rot(rot E)=grad(div E)-△Eです。
 図を書いてみ るとこんな感じ。



 イメージとし ては、穴を抜けて渦巻いているような流れを表していますね。

 ローレンツ変換はvがcに対して十分小さい時にガリレイ変換とほとんど同じになるのならば、 ヘルツの方程式も近似として成り立つのではないでしょうか?
 ローレンツ変 換には電場と磁場が入り交じるような変換が加えられているので、単純に近似しただけではヘルツの式にはなりません。

 フィゾーの実験で水流の速さを変えると光の速さを変えることができるのですか?
 ほんの少しですが、変えられます。

 ヘルツの方程式が難しかった(多数)
 あれは「間違 いの例」ですので、わかりにくかったとしても「そんなものもあった」程度の理解でも大丈夫です。

 マックスウェル方程式には真磁荷がないわけですが、真磁荷があった場合の式でも成立しないで すよね?
 その問題は座 標変換と無関係なので、どっちにしろ、ローレンツ変換は必要になります。

 エーテルがない空間があったら、光は通過できない??
 できないで しょう。でもエーテルはそもそも存在しないし、「ない空間」を考えるのは難しい。

 問いが分からないんですが、聞きに行っていいですか?
 質問はいつでも歓迎です。



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On 16 May 2006, 18:34.