今後の予定

★令和元年7月5日(金) 16時20分〜

場 所: 理学部A313教室

講演者: 宇賀神知紀(OIST)

講演題名: 量子重力理論と量子情報理論について

講演概要:

矛盾の無い重力の量子論(量子重力理論)を構成することは、現代理論物理学の中心的な課題の一つである。この研究の過程で、量子重力理論が情報理論と密接なかかわりを持つことが明らかになってきた。その発端となったのは、ブラックホールがその事象の地平面の面積に比例する熱力学的エントロピーを持っていることの発見である。この発見は、有限の領域上で定義された量子重力理論が、この領域の境界における重力を含まない量子論と等価になるというホログラフィー原理に昇華された。また近年その具体例であるAdS/CFT対応が発見され、活発に議論されている。さらAdS/CFT対応において量子情報理論的な概念が中心的な役割を担っていることが明らかになってきた。 本公演では、量子重力理論においてどのように量子情報理論的な概念が組み込まれているのかについて、その現状と今後の展望について解説する。

★令和元年9月26日(木) 15時0分〜

場 所: 理学部A313教室

講演者: 筒井 泉(高エネルギー加速器研究機構 素粒子原子核研究所)

講演題名: 現代量子力学:量子力学の教える新しい自然像

講演概要:

その創成から既に100年近く経つ量子力学は、現代では科学技術を支える最大の基盤となっており、また21世紀の量子情報科学のリソースとして期待されるなど、その重要性がますます大きくなっている。それにも拘わらず、アインシュタインとボーアの論争などで知られるように、量子力学においては物理量の実在性や量子状態や測定過程に関する根幹的な疑問が多く残されたままになっており、現在でもこれらの基本的概念の統一的な解釈が存在しない。この講義では、量子力学とはいったいどのような学問かを知るために、その理論的体系を整理して述べ、その上で量子力学の基本的概念の問題点を明るみに出すEPRパラドックス、コッヘン・スペッカー定理、ベル不等式について解説する。さらに、これらを通して明らかになる量子物理量の局所実在性の破れや、波動と粒子の2重性の意味について議論し、最近、このような問題へのアプローチとして提案されている波動関数の解釈や、新しい量子物理量としての弱値について説明を加えたい。


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