特別講義情報

「放射光を用いた物質の原子配列の探索」

担当教員:細川伸也 先生 (熊本大学大学院 先端科学研究部 教授)

教室:理105

日程:2016年12月19日〜12月22日

評価基準と評価方法:毎回の出席と最後に課されるレポートで評価する。

履修条件:学部4年次、大学院生

講義概要:

 放射光は、その強い強度と指向性、あるいはエネルギーの連続性などにより、物性研究に大きな威力を発揮するため、現代の物質科学に欠かすことができない。本講義では放射光の発生原理や有用性やX線散乱の基礎から解説を始め、放射光を使えば新たにどのような知識が実験から得られるのかを述べる。特にX線吸収端付近での原子形状因子の異常を利用した共鳴X線弾性散乱(X線異常散乱)や、X線吸収微細構造を利用したXAFSによる結晶、非結晶中の、元素選択原子配列の探索方法の現状について詳述する。最後に、日本発の測定技術である蛍光X線ホログラフィーを用いた結晶の3次元局所原子イメージングの観測について紹介する。

授業計画:

  • 放射光の発生原理
  • 放射光の特徴と有用性
  • 放射光の分光技術
  • X線散乱の基礎
  • X線吸収端と原子形状因子の異常
  • 共鳴X線弾性散乱(X線異常散乱)の原理
  • 共鳴X線弾性散乱(X線異常散乱)の応用
  • 逆モンテカルロモデリングによる非結晶の原子構造
  • X線吸収微細構造(XAFS)の原理
  • X線吸収微細構造(XAFS)の応用
  • 蛍光X線ホログラフィーの原理
  • 蛍光X線ホログラフィーの応用

「物性物理学概論」

担当教員: 竹内徹也 (大阪大学大学院低温センター 助教)

教室: 理114

日程: 2016年11月7日〜11月11日

評価基準と評価方法:

毎回の出席と最後に課されるレポートで評価する。 履修条件:

学部4年次、大学院生

講義概要:

現代の情報化社会を生み出したハイテクノロジー,とりわけラジオ,テレビ,最近ではスマートフォンなどの通信機器やコンピュータなどの電子計算機の実現は,半導体や磁性体などの研究成果が基礎になっている.私たちの健康維持のためにはなくてはならないMRI(核磁気共鳴画像)の実現もしかりである.本講義では,できるだけ具体的な実験や現象例を挙げながら磁性を基礎から学ぶ.特に重要で基本的な実験手段を紹介しながら,それぞれの測定から何がわかるのかについて解説する.またf電子系における結晶場効果について解説し,結晶場モデルに基づく磁化,磁化率,比熱の具体的な計算方法を学ぶ.

授業計画:

  1. 磁性の基礎
  2. 磁場生成の手法と歴史,磁場が関与する興味深い現象
  3. 磁化測定:直流法と交流法,SQUID磁化測定,静電容量法 ,パルス強磁場磁化測定
  4. 磁化測定からわかること,磁性体の相転移,低次元磁性,強相関電子系のメタ磁性
  5. 比熱測定:断熱法,交流法,圧力下における比熱測定,比熱測定からわかること
  6. 熱膨張測定:ひずみゲージ法,静電容量法,熱膨張と比熱,熱膨張からわかること
  7. f電子系における結晶場効果,結晶場モデルによる磁化,磁化率,比熱等
  8. 結晶場効果の具体的な例(最近の話題について)

「一般相対論特論」

担当教員: 白水徹也先生(名古屋大学大学院多元数理科学研究科)

教室: 理複202

日程: 2016年10月31日(月)〜11月2日(水)

評価基準と評価方法:

毎回の出席と最後に課されるレポートで評価する。

履修条件:

学部3、4年次、博士前期課程1、2年次

講義概要:

学部で取得する標準的な一般相対論の講義内容を簡単に復習した後、時空の分解、正エネルギー定理、時空の特異点定理、ブラックホールの面積増大則などについて解説を行う。

授業計画:

  • 1.初等一般相対論
  • 2.時空の分解:基礎編
  • 3.時空の分解:応用編
  • 4.時空の漸近構造
  • 5.正エネルギー定理:基礎編
  • 6.特異点定理1
  • 7.特異点定理2
  • 8.ブラックホールの数学的諸性質1
  • 9.ブラックホールの数学的諸性質2
  • 10.正エネルギー定理:応用編

事前学習

各自、参考書として挙げた一般相対論の初等的な教科書などを読んでおくことが望ましい。

事後学習

課題レポートを通して、授業内容を復習すること。

「固体電子物性」

  • 物質基礎学特論II ('大学院)

担当教員: 椎名亮輔 

単位: 2

教室: 理105

授業内容と方法

 授業前半では、電子気体からバンド理論まで、一体電子状態に基礎を置く固体物性について学ぶ。後半では、第2量子化による多体波動関数の記述法をベースに、近藤効果や磁性の基礎理論を概観する。

 本講義は、(講師が理論屋なので)理論構成に重きを置いたものになりますが、物性物理の研究の最前線では、理論・実験は表裏一体で、実験の解釈には理論的知識が不可欠です。というわけで、実験系の学生さんにも是非受講して欲しいと思ってます。

評価基準と評価方法

 出席とレポートで評価する。

履修条件

 大学院生。ただし、学部で量子力学と統計力学の基礎を修得していること。  

授業計画

 以下の順で、各項目に2、3コマずつをあてる予定。ただし、後半の詳細内容については、授業の進行具合を見て判断する。

  • 電子気体の熱力学(フェルミ統計、電子比熱、パウリ常磁性、フェルミ液体効果)
  • 電子気体の輸送特性(ボルツマン方程式、電気抵抗、フォノン散乱)
  • バンド理論(ブロッホの定理、ブリルアンゾーン、ほとんど自由な電子、強束縛近似)
  • 多体波動関数の基礎(スレーター行列、生成消滅演算子、多電子ハミルトニアン)
  • ハバードモデルの物理(平均場近似、強磁性、反強磁性、金属絶縁体転移)
  • 近藤効果(近藤モデル、摂動計算、近藤温度)
  • 近藤格子系の物理(周期アンダーソンモデル、重い電子状態)

事前・事後学習

レポートを通して、授業内容を改めて考える。  

備考(メッセージ)

・ 直前にテキストを配布予定。

授業日程

8/2(火)3,4限、 8/4(木)2,3,4限、 8/5(金)3,4限、8/16(火)2,3,4限、 8/17(水)2,3,4限、 8/18(木)3,4限

登録期間・場所

平成28年7月14日(木) 〜 7月29(金)  物理系事務室(理学部本館A208室)

「重い電子系の物理」

  • 物理学特別セミナーF 「重い電子系の物理」 (学部)
  • 物理学セミナーVI    「重い電子系の物理」 (大学院)

担当教員: 大貫惇睦

単位: 1

教室: 理313(予定)

授業内容と方法:

物性物理学は通常、物質の構成、格子振動、金属電子論、半導体と光物性、誘電的性質、超伝導、磁性のような分類でまとめられている。これらの基本的考えをすべて理解した上で、新物質の解明にチャレンジすることが大切である。重い電子系の物理を意識しつつ、物性物理学を全般的に学ぶ。黒板での講義なのでノートを持参すること。

講義日程は、6/16 より毎週水、木の1限目に予定している。

(6/16, 6/22, 6/23, 6/29, 6/30, 7/6, 7/7)

達成目標:

一般的な物性物理学の教科書の内容が理解できるようになること

評価基準と評価方法:

出席とレポートで評価する。毎回基本となるレポートを出題し、次回講義までに提出してもらう。

履修条件:

学部4年次・大学院生

授業計画:

  • 格子振動と格子比熱(6/16)
  • バンド理論と物質の分類(6/22)
  • 超伝導(6/23)
  • 磁性1(6/29)
  • 磁性2(6/30)
  • 固体の電気抵抗、比熱、磁化率、磁化(7/6, 7/7)

テキスト:

(以下の URL からダウンロードして準備すること)

https://goo.gl/P7PC0Z

(↑ここをクリックしてもうまくいかない場合は上記テキストをコピー&ペーストせよ)

参考書:

  • 物性物理学 大貫惇睦編著(朝倉書店)
  • 重い電子系の物理 上田和夫、大貫惇睦著(裳華房)

オフィスアワー:

平日12:00 〜 13:00(理107室)

メールアドレス:

onuki_at_phys.u-ryukyu.ac.jp   (_at_ を@に変えてください)


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Last-modified: 2017-04-24 (月) 19:36:57 (2723d)