素粒子物理学における標準模型（Standard Model）は、我々の宇宙で観測し得る最小構成単位である物質粒子や力の振る舞いなどを、高精度で予言することができる理論体系である。このモデルは、重力を除く３つの力（電磁気力、弱い力、強い力）を統一的に記述できるゲージ理論であり、2012年7月のヒッグス粒子の発見によりその完成度が高まった。対称性という数学的理論の美しさと、その自発的な破れ、この２つのキーワードを通して標準模型は質量の起源にも迫ることができる。一方で宇宙観測から明らかになった暗黒物質や暗黒エネルギーは、標準模型には含まれていない。現在稼働中の国際的な大型加速器実験からの制限も加え、今後、我々の知らない新しい物理学が、標準模型の拡張（Beyond the Standard Model）にも関わっていることを触れる。本講義では、この標準模型の基礎について解説する。
経路積分は、量子論の重要な基本的な考え方の一つで、量子場の理論や、その統計力学との関連を理解する際などで、欠くことのできない道具になっています。この講義では少数自由度の量子力学を対象に、経路積分の基礎を扱います。必要事項の復習ののち、経路積分の定義と通常の量子力学の定式化(シュレーディンガー方程式)との等価性を議論し、それをつかって統計力学との関係を簡単な場合に考えます。その後、いわゆる位相空間での経路積分をつかってもう一度通常の量子力学との等価性を議論したのち、電磁場中の粒子の量子論を経路積分をつかって考えてみます。電磁気学はいわゆるゲージ理論の最も簡単な場合と見なすことができます。この最後の部分では、Aharonov-Bohm効果, magnetic monopole, Berry位相といった「ゲージ理論らしい」興味深い現象についてできるだけ触れる予定です。
素粒子物理学における標準模型（Standard Model）は、我々の宇宙で観測し得る最小構成単位である物質粒子や力の振る舞いなどを、高精度で予言することができる理論体系である。このモデルは、重力を除く３つの力（電磁気力、弱い力、強い力）を統一的に記述できるゲージ理論であり、2012年7月のヒッグス粒子の発見によりその完成度が高まった。対称性という数学的理論の美しさと、その自発的な破れ、この２つのキーワードを通して標準模型は質量の起源にも迫ることができる。一方で宇宙観測から明らかになった暗黒物質や暗黒エネルギーは、標準模型には含まれていない。現在稼働中の国際的な大型加速器実験からの制限も加え、今後、我々の知らない新しい物理学が、標準模型の拡張（Beyond the Standard Model）にも関わっていることを触れる。本講義では、この標準模型の基礎について解説する。
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