特別講義情報
低次元フラストレート磁性体の物理と数値計算技術 †
- 物理学特別セミナーF(学部)シラバス
- 物理学セミナーVI(大学院)シラバス
- 担当教員:下川統久朗 氏(OIST)
- 日時:6月3日(水)〜7月22日(水)の毎週水曜日5限(予定)
(注:日時は状況により変更になることがあります)
- 単位数:1
- 世話人:安田千寿
- 教室:理学部本館A313講義室
- 授業内容
「フラストレーション」という言葉は実生活においてはあまり良い言葉ではないが、磁性分野においてはむしろ新奇な現象を引き起こす重要な要素となっている。ここでいう「フラストレーション」とは磁性体内部の相互作用の競合によって相互作用エネルギーを最も得するようなスピン配置を一意に取れない状況を指す。通常の磁性体であれば低温でスピンの向きが互いに揃った強磁性状態や、互いに反平行な反強磁性状態が現れるが、フラストレート磁性体ではしばしば「曲がった」スピン構造が安定化されたり、また絶対零度でさえ長距離秩序が存在しないスピンの「液体」状態が現れたりする。本講義の前半では揺らぎの効果が強く現れる低次元系を中心に、フラストレート磁性体の基礎知識や典型的な具体例を紹介する。後半では古典モンテカルロ法や数値対角化法などといったフラストレート磁性体を近似なしに取り扱うことが出来る数値計算手法を紹介しつつ、最新の応用例についても触れる予定である。
- はじめに
- フラストレート磁性体(1次元系)
- フラストレート磁性体(2次元系)
- 古典モンテカルロ法
- 厳密対角化法
- 熱的量子純粋状態法
- 講義のまとめ
集中講義は zoom による遠隔授業で実施する予定です。興味のある学生は、必ずシラバスの内容を確認後、5月29日(金)までに世話人の安田にメールで(メールアドレスはシラバスを参照)連絡をください。
(必ず返信します。返信がない場合は、世話人に届いてない可能性があります)
zoom による受講が可能な学生のみが受講可能です。また、状況によっては登録人数が制限され、29日を待たずに登録が〆切られる可能性があります。希望者は早めに連絡をください。
新型コロナウイルスの状況によっては、日時や授業方法などが変更される可能性があることも考慮しておいてください。
登録の前に質問がある場合も、世話人に連絡ください。